映画『グッド・ライ いちばん優しい嘘 (原題: The Good Lie)』

『ビューティフル・マインド』などのロン・ハワードが製作に回り、『ぼくたちのムッシュ・ラザール』でアカデミー外国語映画賞にノミネートされたフィリップ・ファラルドー監督を迎えた感動のヒューマンストーリー。

1983年にアフリカ大陸のスーダンで起きた内戦を機にアメリカの各地に移住することになった3,600人の難民の若者たちを取り巻くドラマを映し出す。
主人公を『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』でアカデミー主演女優賞を受賞したリース・ウィザースプーンが熱演。

実話を基に描かれる、文化の違いから生まれる数々の笑いや交流に感動が押し寄せる。
スーダンの難民もアメリカの難民受入もボクには随分遠くの話だと思っていたのに…涙が止まらないや…(歳のせいか最近涙もろい…グスン)。
人を思い遣るとは、人を助けるとは、もしかしたら人を愛するとはも、きっとこういうことなのかもしれない。脚本・演出が素晴らしいや。

冒頭のスーダンの内戦シーンから時間をかけて物語の背景を丁寧に描いて、骨格をしっかりと作っていく。それでいてあまり多く説明せず、淡々と積み重ねていくことで、ボクらに“内戦”の悲惨さ等過酷な現実を見せつけ、ボクらに“難民”とどう向かい合うかを問いかけてくる。

村を襲って子供も大人も無差別に殺す兵士の残虐さと、村の平和や自然の美しさとのコントラストは胸に痛い…。でも苦労や悲惨さを殊更強調するでもなく、キャスティング(現地語を使うシーンも多い)や音楽や演出で希望を忘れずに軽妙なタッチで描いているんだよね。アメリカでの文化の違いに四苦八苦するシーンはユーモアたっぷりで微笑ましい。この辺り彼らの心の豊かさや家族を思う気持ちや人間性が際立ってくる。
そして最後の最後、「ハックルベリー・フィンの冒険」を題材に語られるタイトルの“グッド・ライ”の意味するところで感動に圧し潰されそうになる。心が震えた…。そしてエンドロールも。もうダメ…涙が止まらない…。

リース・ウィザースプーンは主役というよりも脇で好演し、とても自然な演技で難民を演じたスーダン出身の彼らが主役といえるだろう。
寄り添って生きるって素晴らしいな。
生きることに感謝する姿勢を忘れてたな。
無償の愛と優しさに流す涙は温かいな。
そしていろいろな考えや思いを巡らせた。ものすごく難しいテーマだけれど絶対に期待を裏切らないと思う。胸を熱くしたい方にオススメ。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」予告編

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監督:フィリップ・ファラルドー
脚本:マーガレット・ネイグル
製作:ロン・ハワード
出演:リース・ウィザースプーン,アーノルド・オーチェン,ゲール・ドゥエイニー,エ­マニュエル・ジャル,コリー・ストール
原題:THE GOOD LIE/アメリカ/110分/5.1ch/ビスタ/字幕翻訳:稲田嵯裕里 G
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配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://www.goodlie.jp/