シネフィル映画短評 
第14回 『陽だまりハウスでマラソンを』

妻と老人ホームに入居した元オリンピックのマラソン金メダリストの老人がベルリンマラソン完走に挑戦する人間ドラマ。
高齢を言い訳にせず生き甲斐や目標を見いだそうとする主人公をドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデンがこの役のために9キロ減量し体当たりで演じた。
監督は長編初監督となるキリアン・リートホーフ(共同で脚本も)。『ラブ・アクチュアリー』などのハイケ・マカッシュらが共演。

実際のベルリンマラソンで撮影されたクライマックスシーンは迫力満点。
ディーター・ハラーフォルデンは今作で78歳の史上最高齢でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を受賞。

うーん、良くできた作品だ。
幸せな気分になれて、少し勇気付けられた。
高齢化社会の日本でも身近で切実な問題なんだと思う。
規則規則規則、クスリクスリクスリ、お金お金お金などホームの問題点もさらりと。おまけにボクら子ども世代の視点もきちんと描かれててバランスが良いんだよね(娘に自分を重ねたりして!?)。

何より「2人は風と海」が合い言葉の主人公夫婦の仲睦まじさが微笑ましくて、夫婦愛に涙する。脇役陣もみんな良い。監督は主人公を英雄にもせず、奇跡も見せないんだよね。でもね、自分を信じて、マイペースにただただ走るんだ。
天邪鬼なボクは努力とか根性とかを毛嫌いするんだけれど、今回は素直に感動して2回も泣いちゃったよ…。複雑な余韻に包まれながら、目標を見失わず、夢に向かって走り続けることの大切さや家族を愛し、人生を楽しむことについてぼんやり考えた。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『陽だまりハウスでマラソンを』

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