子供時代に母親の男から虐待されて育ち、夢も希望もなく暮らす男が空き巣に入った家で出会ったのは、同じく母親の男から虐待され、育児放棄されている小学生の女の子だった。
初めて守るべきものができた男は、少女の母親も、親の愛を受けずに育ったと気づき…
人と人との繋がりや心の琴線に触れる物語を描いてきた劇団テンアンツ代表の上西雄大監督が、30年以上児童相談所に勤務している児童精神科医師の楠部知子先生から「虐待をしてしまう大人もまた傷ついている」という実態を耳にし、傷ついた子供だけでなく、虐待をしてしまう大人にも眼を向けてあげてほしいと制作した感動のエンターテイメント映画『ひとくず』が、この度、2019年12月7日に閉幕したミラノ国際映画祭にて最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞しました。
また、3月14日(土)より、渋谷・ユーロスペースにてほか全国順次公開されることも決定しました。
本作は、5月に行われたニース国際映画祭で、子供時代に虐待されて育った空き巣の男役の上西雄大が外国語長編映画部門主演男優賞を、育児放棄する母親役の古川藍が助演女優賞をそれぞれ受賞。6月には、国際的女優・映画監督の桃井かおりやイギリス人プロデューサーのアダム・トレル、映画評論・詩人園田恵子らが審査員を務めた熱海国際映画祭で、上西雄大が最優秀監督賞、育児放棄される子供役の小南希良梨が最優秀俳優賞をW受賞しており、満を持しての日本での劇場公開となる。
映画ライターの壬生智裕に、“監督・主演を務める上西雄大の存在感は、まるで『竜二』の金子正次のようであり、『息もできない』のヤン・イクチュンのようであり。つまりはそういう映画だ。”と評された本作。
その他、堀田眞三、飯島大介、田中要次、木下ほうからベテラン俳優が脇を固めており、シネフィル必見の1作となっている。
この度最優秀男優賞を受賞した上西雄大より喜びのコメントが届いた。
<監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大コメント>
児童相談所の嘱託医の先生に悍ましい虐待の事実をお聞きし、その夜眠れず一晩で脚本を書きました。
この映画は虐待という残酷な事実に向けた僕の想いでした。
この映画は製作後、多くの良心とめぐり合わせててくれました。
その映画「ひとくず」が賞を頂き心から感謝を致します。
来年公開へ向けより深く想いを埋める事が出来ました。
ありがとうございました!
ー上西雄大
世界の映画祭で受賞の上西雄大監督・主演『ひとくず』特報
STORY
生まれてからずっと虐待される日々が続く少女・鞠。食べる物もなく、電気もガスも止められている家に置き去りにされた鞠のもとへ、犯罪を重ねる破綻者の男・金田が空巣に入る。
幼い頃に虐待を受けていた金田は、鞠の姿に、自分を重ね、社会からは外れた方法で彼女を救おうと動き出す。そして、鞠の母である凜の恋人から鞠が虐待を受けていることを知る。
虐待されつつも母親を愛する鞠。鞠が虐待されていると確信した担任教諭は、児童相談所職員を連れてやって来るが、鞠は母の元を離れようとせず、保護する事ができずにいた。
金田は鞠を救うため虐待をする凜の恋人を殺してしまう。凜を力ずくで、母親にさせようとする金田。しかし、凜もまた、虐待の過去を持ち、子供の愛し方が分からないでいた。そんな3人が不器用ながらも共に暮らし、「家族」の温かさを感じ本物の「家族」へと近付いていくが、、、
上西雄大 小南希良梨 古川藍 徳竹未夏
城明男 税所篤彦 川合敏之 椿鮒子 空田浩志
中里ひろみ 谷しげる 星川桂 美咲 西川莉子 中谷昌代 上村ゆきえ
工藤俊作 堀田眞三 飯島大介 田中要次 木下ほうか
監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大
エグゼクティブ・プロデューサー:平野剛 中田徹
監修:楠部知子
撮影・照明:前田智広 川路哲也
録音:仁山裕斗 中谷昌代
音楽プロデューサー:Na Seung Chul
主題歌:吉村ビソー「Hitokuzu」
制作:テンアンツ
配給・宣伝:渋谷プロダクション
©上西雄大
協賛:㈱リゾートライフ ドリームクロス㈱ 串カツだるま カンサイ建装工業㈱ 高橋鋭一
平野マタニティクリニック ㈱エフアンドエム ㈱中島食品 ALEMO㈱ ㈱USK ㈱ラフト
2019/STEREO/JAPAN/DCP/117min
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