都市と、デザイン界において多くの歴史的な作品を残し続けてきた伝説のライフスタイルプロデューサー浜野安宏。近年取り組んでいる映画作品を上映し、自ら新たな構想を語りかける特別イベント上映が、代官山のシアターギルドにて開催されます。

この度、シネフィルでは浜野安宏さんに上映会前の緊急インタビュー

今まで、いろいろな時代のエポックメーキングなまざまな仕掛けをなさってきましたが、2014年の『さかなかみ』以来映画監督としてもコンスタントに作品を発表なさっていますが、なぜ映画監督をなさろうと思ったのでしょうか?

『自由無限』と言う大著(集英社2021年11月30日出版)に詳しく述べていますが、映画監督になり。映画を製作したくて、日大芸術学部映画科演出コースに入学しましたが、東京芸大を夏期講習で嫌になり、映画ばかり観ているうちに、絵を描くことから映像で語ることの面白さ、とりわけヌーベルバーグ、イタリアンネオリアリズムの作品群にはインスパイアーされました。TVメディアの台頭などがあり、映画不況もあり、絵画から、ファッションへ、商業の著しい発展に加担。70歳になって映画監督と地域、ライフスタイルのプロデューサーの二刀流をはじめました。
劇場映画、ドキュメンタリー合わせてすでに6作品を発表し、『COUNTRY DREAMER-私の道、生きる!』でハリウッド・デビュー隣、Family Film Award最優秀監督賞受賞しました。

若いクリエイターなどに多くの影響を与え続けてきますが、ご自身が影響されたものを教えていただけますか?

修験道の山伏だった父から、釣り、山岳信仰、自然観、子供の教育活動など、海外からはビートニク文学、ヒッピーの生き方。ポップアート、エンバイロンメントアート、モダンジャズなどです。

今回モンゴルを舞台にした、映画『やさしさの草原山河に-チンギスハンの命を受けた日々』ですが、なぜモンゴルで?またどのように作られたのでしょうか?

初めは『釣極道』のシリーズ第一回として、巨大モンゴル・タイメン(イトウのモンゴル種)を釣りに行くつもりでOne Man One Week Odysseyと名付けたドキュメンタリー映画シリーズのつもりでした。巨大イトウが早く出現したので、その魚の目を見ているうちに、パリでファッションやリゾートの仕事をしている時、周りからチンギスハンと呼ばれていたのを思い出した。
「やさしさの草原山河生活の素晴らしさを観なさい。感じなさい」と、魚がチンギスハンの命を伝えに来たのです。短い取材を村人の生活体験へと振り向けているうちに・・・
「私はヨーロッパを制圧しようと進軍したものではなく、やさしさと、しあわせに満ちた生活を広めようとして向かったのだ」と言いたかったからだろうと強く感じるようになったのです。

もう一本の上映作品、『Country Dreamer-私の道、生きる!』ですが、こちらはどのように制作されたのでしょうか?

すでにコロナ前に上映を開始しましたが、コロナで完全に上映を停止しました。製作に至る心境は天台宗の修験道者であった父へのオマージュであります。同行二人の巡礼旅、日本のヒロインは能登半島珠州の農地から、台湾のヒロインは道教の大きな占いに導かれるが富士山で出会った二人が四国巡礼を通じてそれぞれの道を見出して行く。詳しくはガイドブックを発売していますので参照してください。

ライフスタイルプロデューサーという肩書きで、それこそコンセプターであり、建築、デザインなどのプロデュースなど幅広いジャンルでお仕事をなさっていらっしゃいますが、浜野監督にとって映画とは?

ジョン・フォードの西部劇に憧れ、ヌーベルバーグ、イタリアンネオリアリズモなどに影響され、今はANKOW NEW CINEMA「映画は耕すものである」のセオリーで、フランス、イタリーの映画界への浸透を測り始めている。「映画と地域計画の二刀流」を続けている。

今回の上映に対してひとこと!

シアターギルドでKENTARO監督と親しくなった。撮りたい映画の舞台もパリ、地中海に広がっている、実験的な上映環境で仲間を増やして行くことに期待している。

今の、日本または、若い表現者にひとこと

わびしい、いじけた映画が世界をのし歩いている、ファン・ゴッホの言葉に感じて欲しい
「もっと生活を、もっと生活を、もっと生活を!」

今回、上映会期中に、浜野からの大提案という形でトークも開催されますが、新たな想いをお話しされるのでしょうか?

日本に自然と生活の大動脈を樹齢する南北巡礼路を創るために、大きな動きをし始めている。詳しくは今回の上映全体で明らかにします。

◆浜野安宏◆
デザインプロデューサー、ディレクター、キューレーター、エディターと称する人々は、自身が直接デザインを行うことがなくても、デザインに大きな影響力を発揮する。
1968年サイケデリックディスコMUGENの仕掛け人として華々しく登場し、以来50年以上、デザイン、生活文化、都市開発、自然環境、ファッション、映画まで、幅広いフィールドで時代を先取りする提案を行ってきた。代表作として、DIYの楽しさを広めた「東急ハンズ」、青山の街づくりに決定的な影響を与えた「FROM 1st」、デザインの価値を発信し続ける「六本木AXIS」と雑誌『AXIS』の創刊、世界でも著名な観光スポットとなった渋谷交差点の風景を形づくった「QFRONT」など。こうした活動の一方で、浜野は、子どもを対象とした自然塾、バリ島の景観規制の提案なども手掛けた。
著作は『質素革命』(1971)、『ファッション・ジオグラフィティ地球風俗曼荼羅』(1981)、『ふだん着の時代』(1981)『Weの時代』(1993)、『はたらき方の革命』(2009)など80冊以上の本を出版している。

上映作品

3/28(火)、29日(水)
『やさしさの草原山河に - チンギスハンの命を受けた日々』

画像: 3/28(火)、29日(水) 『やさしさの草原山河に - チンギスハンの命を受けた日々』

1週間で撮影し制作するドキュメンタリーシリーズONE MAN ONE WEEK ODYSSEY 1 "TETON - 山の声”に続く第2弾。
ライフスタイルプロデューサー浜野安宏が、モンゴル の大自然で感じた想いを描く。 2019年制作 全編 モンゴルロケ。
イントロダクション/加藤登紀子 テーマソング/オルリコ

3/30(木)、4/1(土)、4/2(日)『Country Dreamer - 私の道、生きる!』
(2020年 ハリウッド・ファミリーフィルムアワード 最優秀監督賞受賞作)

画像: 3/30(木)、4/1(土)、4/2(日)『Country Dreamer - 私の道、生きる!』 (2020年 ハリウッド・ファミリーフィルムアワード 最優秀監督賞受賞作)

日本・台湾合作のロードムービー。修験道者だった浜野の父に対するオマージュを込めて製作された。異なる背景をもつ2人の女性が富士山の麓で出会い、ともに旅をしながら四国を巡礼し、さまざまな人々との出会いを通じて自分たちの生きる道を見いだしていく姿を描く。

3月28日〜4月2日までシアターギルドにて上映
トークショーイベント詳細は下記HPより

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