浄土真宗を開いた親鸞聖人(1173~1262)の死後、その教えとは異なる教義を説くものが現れたことを嘆き、弟子たちが親鸞から直接聞いた言葉などを伝えるために書いたという『歎異抄』(たんにしょう)。それほど、親鸞の教えは大事なものだったのでしょう。

2023年は親鸞の生誕850年という節目の年にあたり、京都国立博物館では、5月21日まで、親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞—生涯と名宝」が開催されています。

本展では、今なお、人々を魅了する親鸞の90年の生涯と教えを、自筆の名号・著作・手紙をはじめ彫像・影像・絵巻などにより辿ります。
浄土真宗各派の寺院が所蔵する親鸞ゆかりの品々など、国宝11件、重要文化財約75件を含む、約180件が一堂に会する史上最大規模の親鸞展です。
是非この機会にお運びください。
それではシネフィルでも、展覧会構成に従って、いくつかの作品を観ていきましょう。

画像1: 展覧会風景 photo by©cinefil

展覧会風景 photo by©cinefil

「親鸞聖人影像(安城御影副本)」は親鸞83歳の時の肖像です。

第1章 親鸞を導くもの—七人の高僧—

釈迦の説いた仏教は「八万四千の法門」とも称される多様な教えです。
本章では、親鸞が拠り所とした阿弥陀仏とその救いを説く浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)、その教えを自身に伝えた先達として、親鸞が「ただこの高僧の説を信ずべし(唯可信斯高僧説)」と讃える、インド・中国・日本にわたる7人の高僧、龍樹・天親/曇鸞・道綽・善導/源信・源空(法然)を紹介し、親鸞の信仰した先達の教えが明示されています。

救済者である阿弥陀如来を中央に描き、その光明の働きを12体の化仏によってあらわしています。図像は刺繡によって表されています。

第2章 親鸞の生涯

親鸞は多くの著作を残し、その教えを今に伝えていますが、自身の生涯については多くを語っていません。しかし、その教えは人々を魅了し、没後も親鸞その人への思慕は止まず、後世さまざまな伝記が編輯されてきました。
本章では、親鸞没後33年にあたる永仁3年(1295)に、曾孫の覚如によって編纂された最初の親鸞伝である伝記絵巻「親鸞伝絵」と関連する法宝物により、誕生から9歳での出家得度、師である法然との邂逅、念仏弾圧と越後への流罪、京都における90歳での往生、墓所を改め仏閣とした大谷廟堂の成立までを追想します。

第3章 親鸞と門弟

親鸞の言葉を門弟の唯円が書き留めたという『歎異抄』第六条には、親鸞が「弟子一人ももたずさふらう」と語っていたことが記されています。これは、親鸞が念仏させているのではなく、誰もが阿弥陀仏の呼びかけを受けて念仏しているのである、という親鸞の感得した境地を表す言葉ですが、親鸞のその思いとは裏腹に、実際には多くの人々が親鸞の教えに帰依しており、関東を中心として各地に展開した門弟たちは「門流」という集団を形成し、教えを広め継承していきました。
本章では、性信、顕智、了海といった現存する有力な門弟の坐像と、法脈の相承を絵像を連ねて示す高僧連坐像や一流相承系図、門弟の名前や拠点を列記した交名により、親鸞の教えの広がりを可視化します。

専修寺の「顕智坐像」は肖像彫刻の名品です。

第4章 親鸞と聖徳太子

親鸞は29歳の時に比叡山を下り、聖徳太子が創建したとされる六角堂へ参籠します。そして、95日目の明け方、夢に本尊の如意輪観音の同体であり、聖徳太子の本地とされる救世観音が現れ、お告げを受けたことが「親鸞伝絵」には描かれています。

画像2: 展覧会風景 photo by©cinefil

展覧会風景 photo by©cinefil

第5章 親鸞のことば

親鸞は教えを人々に伝えるため執筆に励み、その活動は88歳にまで及びます。主著とされる『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)の現存唯一の自筆本である「坂東本」には多数の加筆・修正がみられ、そこには晩年までの弛まぬ思索の跡がうかがえます。

第6章 浄土真宗の名宝—障壁画・古筆—

教えに直接関わる法物(宗教的文化財)の他にも、数多くの名宝(非宗教的文化財)が伝来しています。
本章ではその名宝の中でも、とりわけ堂宇を荘厳する障壁画、並びに宮廷文化の粋を極めた古筆に焦点を当て、伝来する優品を紹介します。

親鸞の死後、浄土真宗の教団は大きく発展し、本山寺院には武将や公家から、数々の美術品が寄進されました。「桜花図」は東本願寺に伝来する障壁画の名品。

画像3: 展覧会風景 photo by©cinefil

展覧会風景 photo by©cinefil

第7章 親鸞の伝えるもの—名号—

浄土真宗の本尊には、阿弥陀仏の姿を表した木像・絵像の他に、その名前を漢字で記した「名号」があり、十字名号「帰命尽十方無碍光如来」、九字名号「南無不可思議光如来」、八字名号「南無不可思議光仏」、六字名号「南無阿弥陀仏」が伝わっています。
最終章では「親鸞の伝えるもの」として、親鸞みずから筆を執った名号を親鸞の肖像とともにご覧ください。

「似絵」の名手として知られる専阿弥陀仏が生前の親鸞を描いた絵像。鏡に映したようにそっくりなことから「鏡御影」と呼ばれました。

親鸞の生誕の地であり、臨終の地でもある京都において、浄土真宗各派の寺院所蔵の法宝物が一堂に会しました。
親鸞ゆかりの数々の名宝をご堪能いただき、親鸞が「すべての人は平等に救われる」という阿弥陀仏の本願念仏の教えに出遇い、90年に及ぶ生涯をかけて求め伝えた尊い教えを、感じてください。

展覧会概要

展覧会名 親鸞聖人生誕850年特別展 「親鸞—生涯と名宝」
会期2023(令和5)年3月25日(土)~5月21日(日) 
[主な展示替] 前期展示:2023年3月25日(土)~4月23日(日)
後期展示:2023年4月25日(火)~5月21日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
会場 京都国立博物館 平成知新館
休館日 月曜日
開館時間 9:00~17:30(入館は17:00まで)
観覧料 一般 1,800円
大学生 1,200円
高校生 700円
大学生・高校生の方は学生証をご提示ください。
中学生以下は無料です。
障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証
キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引き(一般1,300円、大学生700円、高校生200円)となります(当日南門チケット売り場のみの販売)。
展覧会公式サイト https://shinran850.jp

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞—生涯と名宝」@京都 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、無料鑑賞券をお送り致します。この無料鑑賞券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2023年4月17日 月曜日 24:00
記載内容
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