ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」第一弾作品・松居大悟監督による『手』が全国順次公開中です。この度、開催中の第52回ロッテルダム国際映画祭にて、本作のプレミア上映が行われ、松居大悟監督が舞台挨拶に登壇いたしました。

画像1: ©2022 日活

©2022 日活

以下、プレミア上映イベント<オフィシャルレポート>となります。

日程:1月31日(火) *現地時間
会場:Kinepolis Cinerama
登壇者:松居大悟監督
出品部門:ハーバー部門

この度、松居大悟監督作品『手』が、現在開催中の第52回ロッテルダム国際映画祭・ハーバー部門に招待され、現地時間1月31日に行われたプレミア上映イベントに松居監督が参加した。松居監督作品のロッテルダム国際映画祭への出品は、『アズミ・ハルコは行方不明』(16)以来、2度目の出品となり、今回、初めて映画祭への参加となった。

ロッテルダム国際映画祭は、新人監督の登竜門的な存在として多くの若手映像作家の作品を紹介しており、毎年約600作品が上映され、来場者数は30万人を超えるヨーロッパでは重要な国際映画祭のひとつ。また、ハーバー部門は、映画祭の中でも最新で最大のプログラムで、世界から集まる幅広い現代映画を紹介する極上のセクションとなる。

舞台挨拶のチケットが完売となる大盛況ぶりで、男女問わず幅広い年齢層の観客が来場した。上映前の舞台挨拶では、「ロッテルダム国際映画祭への出品は2回目ですが、初めて現地に参加できて嬉しいです。今回、ロマンポルノ50周年ということで制作されることになり、現代に男女の価値観を更新して作ったのが本作です。今を生きるさわ子を楽しんで頂けたら幸いです」と喜びを語った。
上映中は、さわ子がおじさんコレクションを開くシーンなど、多くの場面で笑いが起こるほどの大反響の様子で、上映後には大きな拍手が沸き起こった。

その後のQ&Aセッションでも多くの質問が寄せられ、観客から「本作は本が原作となっているが、なぜハッピーエンドにしなかったのか」と質問が挙がり、松居は「自分自身としては、ハッピーエンドにしたつもりです。主人公のさわ子は自分の中でたくさんの枷をつけていたが、すべての荷をおろして、ようやく本来の自分として生きていけるというエンディングにした」と答えた。

また、「なぜ本を題材にしたのか?」と聞かれると、「この原作でオファーをいただいたときに思ったのは、どうしたら10分に1回の性的描写を入れられるのかということだった。しかし、そういうハードルがあったからこそ、挑戦しなければいけないと思った」と話した。

最後に、「この映画では、題名にもある通り「手」が大きなテーマだと思うが、監督が最も伝えたかったメッセージは何か」という質問に対し、「明確な正解はない。見た人それぞれの解釈がある。自分自身の考えでは、さわ子は最初お父さんの手に抱かれていて、そのうちに自分を抱きしめてくれる手がなくなっていって、誰かの手を求めていたのだと思う。また、老いていっても、手というのは欲望を最も素直に表現するものであり、手は嘘をつくこともあれば嘘をつけないものにもなるという矛盾をはらんでいるものであるというように、いろいろな解釈があると考えている。手はコミュニケーションの始まりにもなる」と舞台挨拶を締めくくった。

画像: 日程:1月31日(火) *現地時間 会場:Kinepolis Cinerama 登壇者:松居大悟監督 出品部門:ハーバー部門

『手』は全国順次上映中。また、各種サービスにて配信中。さらに、『⼿』『愛してる!』『百合の⾬⾳』のBlu-ray&DVDと、『ロマンポルノ・ナウ コンプリート BD-BOX』が4⽉28⽇(⾦)に発売決定。

日活ロマンポルノとは――
日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、監督たちスタッフは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦した。製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を公開し続けた結果、多くのスタッフ・キャストが育っていき、映画史においては、最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されている。

ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」について――
日活が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、2021年11月20日で生誕50周年を迎えました。1作目が封切られて以降、数々の名作が誕生し、昨年の第78回ヴェネツィア国際映画祭のクラシック部門(ヴェニス・クラシックス)で『㊙色情めす市場』が初選出されました。日活は、これまで以上にロマンポルノ作品の多様性・エンタテインメント性・芸術性を訴求するために、ロマンポルノ50周年記念プロジェクトを実施しております。プロジェクトの一貫として、現代のさまざまな生き方や個性を応援する、時代の「今」を切り取った新企画「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」を立ち上げ、新作3本を製作いたしました。個性派の監督たちが、多彩なジャンルで女性の強さや美しさを描きます。

画像2: ©2022 日活

©2022 日活

STORY
おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森との距離が縮まっていくにつれて、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる―――。

監督:松居大悟

脚本:舘そらみ 音楽:森優太
主題歌:Ring Ring Lonely Rollss「スロウタイム」
原作:山崎ナオコーラ「手」(『お父さん大好き』文春文庫)

出演:
福永朱梨 金子大地
津田寛治 大渕夏子 
田村健太郎 岩本晟夢 宮田早苗 / 金田明夫
三上市朗 中村まこと 島田曜蔵 本折最強さとし 三島ゆたか 村上航 加瀬澤拓未 目次立樹 池田恵理

製作:鳥羽乾二郎 エグゼクティブプロデューサー:福家康孝 プロデューサー:結城未来 紀嘉久 加藤毅
撮影:高木風太 照明:秋山恵二郎 録音:西條博介 装飾:龍田哲児 前屋敷恵介 編集:松山圭介
衣裳:中泉貴子 ヘアメイク:木戸出香 持道具:加賀谷悠衣 助監督:山本敦貴 制作担当:長島紗知 スチール:関信行

制作プロダクション:アークエンタテインメント
企画製作・配給:日活 

©2022 日活 
2022/日本/ビスタ/5.1ch/99分/R18+

<ロマンポルノ50周年記念プロジェクト>
【第1弾】『手』【第2弾】『愛してる!』【第3弾】『百合の雨音』
全国順次公開中!!!

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