映画『七人樂隊』は、ジョニー・トー監督のプロデュースで、⻑らく香港映画界を牽引してきた七人の名匠が集結。1950年代から未来まで、10年ずつ年代を分けて担当した短編7本から成るオムニバス映画です。七人の監督が特別なノスタルジーをこめ、腕によりをかけて映像化した7つの物語は、デジタルカメラが主流の現代にあえて35mmフィルムでの撮影を行い、過ぎ去りし“フィル ムの時代”への敬意を表明していることでも注目されています。

日本での公開に際し、全7作品中・5番目に上映される「ぼろ儲け」を監督し、『七人樂隊』全体のプロデュースをしたジョニー・ トー監督が、日本の観客のために応じたインタビュー映像が公開されました。

画像: ジョニー・ トー監督

ジョニー・ トー監督

『ぼろ儲け』の舞台となる時代は香港の中国返還直後の2000年代。ストーリーはまず2000年から始まり、とあるティーレストランで投資で大儲けを狙う若い男女3人(ン・ウィンシー、トニー・ウー、エリック・ツイ)が話し合っている場面から始まります。 しかし性格の異なる3人の意見はまとまらず、その間に目をつけていたIT企業の株価はどんどん騰がってしまう。時は流れて2003 年。ガラガラの食堂に集った3人は、不動産投資でひと儲けをもくろんでいる。不動産業者は値下がり中の物件をしきりに勧める が、テレビがSARSウイルス流行のニュースを伝えると、不安に駆られた3人は購入をためらうことに。そして2007年。相変わら ず投資話に熱中している3人は、中国本土との株式直接取引が始まれば香港市場が暴騰すると見込んでいた。3人は、ついに株の買い注文に踏みきるが......というもの。

インタビュー映像でトー監督は、「日本の皆さんへ。香港人の思いが詰まったこの作品を観れば、香港と僕らの思い出を知ることができます」と語ります。この言葉はジョニー・トー監督のファンであれば、この3人が投資談義をしていた時代にトー監督自身が 「低予算でもアイデア勝負の銃撃戦で、 かつてジョン・ウー監督や『七人樂隊』にも参加しているリンゴ・ラム監督らが70年代後半〜80年代にかけて⻩金時代を作り上げたように、自分達の世代で香港ノワール映画を再生させよう!」と野心を燃やしていたであろうことを想像するに難くありません。実際にトー監督は90年代後半に、出世作となった『ヒーロー・ネバー・ダイ』(1998) や『ザ・ミッション非情の掟』(1999)で世界中の観客を感嘆させ、その後も『エレクション』(2005)でカンヌのコンペティション出品、『奪名金』(2011)でベネチアのコンペに出品されるなど、世界的名匠への道を着実に歩んできました。

さらに映像では「ぼろ儲け」の舞台として「ティーレストラン(茶餐廳/チャー・チャン・ティーン)」を選んだことについても尋ねられています。トー監督は「ティーレストランは香港生活の象徴なんだ。金持ちから貧乏な人、中流階級とどんな人もいる」と語ります。株投資ではなくても、若き日に仲間たちと連日のように映画談義に花を咲かせ、成功を夢見ていたトー監督たちの姿を想像できるようで、まさに本編と併せてご覧いただきたい映像です。

ジョニー・ トー監督インタビュー

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映画『七人樂隊』web限定予告編

画像: 映画『七人樂隊』web限定予告編 youtu.be

映画『七人樂隊』web限定予告編

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『七人樂隊』

監督:サモ・ハン(洪金寶)/アン・ホイ(許鞍華)/パトリック・タム(譚家明)/ユエン・ウーピン(袁和平)/ジョニー・トー(杜琪峯)/リン ゴ・ラム(林嶺東)/ツイ・ハーク(徐克)

プロデューサー:ジョニー・トー(杜琪峯)/エレイン・チュー(朱淑儀)
出演:ティミー・ハン(洪天明)/フランシス・ン(吳鎭宇)/ジェニファー・ユー(余香凝)/ユン・ワー(元華)/ン・ウィンシー(伍詠詩)/サイ モン・ヤム(任達華)/チョン・タッミン(張達明)/ラム・シュ(林雪)
2021年/香港/広東語/111分/ビスタ/5.1ch/原題:七人樂隊/英題:Septet:The Story of Hong Kong/日本語字幕: 鈴木真理子/
配給:武蔵野エンタテインメント/PG12
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10月7日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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