四季折々の美しい自然の景観にあふれるポーラ美術館では、開館20周年を記念する展覧会「モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」が開催されています。

ポーラ美術館は、2002年9月、富士箱根伊豆国立公園内の豊かな緑に囲まれた箱根・仙石原に開館し、以来、ポーラ創業家二代目の鈴木常司(1930-2000)が戦後約40年をかけて収集したコレクションを公開してきました。
収蔵品は、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、日本の近現代陶芸、ガラス工芸、など多岐にわたり、総数は約1万点に及びます。
その中心となる珠玉の西洋絵画のコレクションは、19世紀フランス印象派の絵画から、ポスト印象派を経て20世紀絵画に至る西洋の近代美術の展開を体系的にたどる、国内でも屈指のコレクションとなっています。

2012年の開館10周年を機に、森の遊歩道や、野外彫刻、現代美術ギャラリー、体験型展示など見どころが加えられました。
本展では、館内の5つの展示室、2017年に新設された現代美術を展示するアトリウム ギャラリー、ロビー空間、森の遊歩道に至るまで作品が展示され、ポーラ美術館開館以来、最大規模となる超大型企画となっています。

また、近年、20世紀から現代までの美術の展開を跡づけるために重要な作品の収集が行われ、本展は、従来のコレクションと、近年新収蔵した作品を合わせて紹介する初の機会となっています。

「箱根の自然と美術の共生」を設立のコンセプトとするポーラ美術館にとって、「光」は建築や照明デザイン、そしてコレクションの重要なテーマで、今回の展覧会のテーマは、「光」となっています。
刻々と移ろいゆく光を描いたクロード・モネやルノワールなど印象派の画家たちの作品はもちろん、シャイン(光=仮象)を表現し続けるゲルハルト・リヒターや、ネオン管を用いたケリス・ウィン・エヴァンス、光の色そのものを写し撮る作品を展開する杉本博司などの現代の作家たちの作品にも、光への強い関心を伺うことができます。
さまざまな「光」にまつわる作品を是非、ご堪能ください。
作品からあふれ出す「光」のエネルギー。輝く、明るい「光」は、観る人に力を与えてくれるでしょう。
本展では、ポーラ美術館のコレクションの「現在(いま)」をご紹介するとともに、美術館の未来とコレクションの可能性を探ります。
それでは、シネフィルでも展覧会構成に従っていくつかの作品を観ていきましょう。
新旧の名品を並べて展示する第1部、新収蔵作品の特徴がわかる第2部の全2部構成となっています。

< 第1部 コレクション+新収蔵作品 >

展覧会の第1部では、鈴木常司が収集したコレクションと、これを更に拡充する新収蔵作品を、テーマや時代、作家ごとに組み合わせてご紹介します。
例として、鈴木常司のコレクョンの中心となる印象派絵画では、女性像(ルノワール、レジェ、ロベール・ドローネー他)水辺の風景(モネ、ニコラ・ド・スタール他)、静物(セザンヌ、ベン・ニコルソン他)、マティスとフォーヴィスムなどテーマ別に展示されています。
日本の近代洋画では、時代や流派、作家ごとに展示します。例として大正の洋画(岸田劉生、村山槐多、関根正二)や日本のフォーヴ(里見勝蔵、佐伯祐三他)、その他、レオナール・フジタ(藤田嗣治)や松本竣介、坂本繁二郎など、作家ごとにご覧いただきます。

画像: クロード・モネ《睡蓮》1907年 ポーラ美術館蔵

クロード・モネ《睡蓮》1907年 ポーラ美術館蔵

「光の画家」「睡蓮の画家」とも称される印象派の巨匠・モネは、パリを出て、終の棲家に選んだジヴェルニーに広大な庭園、睡蓮の池を造り、約300点にも上る「睡蓮」の作品を描きました。
水面に映る樹木と水辺に浮かぶ睡蓮が見事に調和し、美しい色彩で表現されています。

画像: ベルト・モリゾ 《ベランダにて》 1884年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵

ベルト・モリゾ 《ベランダにて》 1884年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵

モリゾはマネに師事したフランスの印象派で活躍した女性画家。
本作は、パリ郊外のブージヴァルに家族で滞在した夏に制作されました。
穏やかな光が降り注ぐ邸宅のサンルームで、机に向かい、花を手にしている一人娘の姿を描いたもので、窓からは樹々の緑や隣家の建物がのぞいています。
身近な人物や風景を主題としたモリゾらしい穏やかな日常生活が伺える作品で、明るく、やわらかな色彩と素早い筆致で描かれています。

画像: 松本俊介《街》1940年(昭和15)油彩/カンヴァス  ポーラ美術館蔵

松本俊介《街》1940年(昭和15)油彩/カンヴァス  ポーラ美術館蔵

本展では、斬新な現代アート作品も豊富です。
本作は、様々な青の色調で、街の情景が抽象的に描かれています。
近代建築と街に暮らす人々を統合するモンタージュ手法が用いられています。

< 第2部 新収蔵作品 >

展覧会の第2部では、従来のコレクションには含まれていない、近代と現代を結ぶ作家たちの作品が紹介されています。とりわけ重要なのは、山口長男、山田正亮、猪熊弦一郎らの戦後日本の抽象絵画、ジャン・デュビュッフェ、斎藤義重、白髪一雄、中西夏之らマティエール(材質感)を探究した画家たち、そしてモーリス・ルイスやヘレン・フランケンサーラー、ゲルハルト・リヒターら欧米の作家たちによる抽象絵画です。
その他にもアニッシュ・カプーア、中林忠良、杉本博司、三島喜美代、ケリス・ウィン・エヴァンス、ロニ・ホーン、スーザン・フィリップスなど現在も精力的に活動する多様な作家たちの作品も含まれており、ポーラ美術館の新しいコレクションのありようをご覧いただきます。

画像: ゲルハルト・リヒター 《抽象絵画(649-2)》 1987年 油彩/カンヴァス © Gerhard Richter 2021(20102021) ポーラ美術館蔵

ゲルハルト・リヒター 《抽象絵画(649-2)》 1987年 油彩/カンヴァス © Gerhard Richter 2021(20102021) ポーラ美術館蔵

絵画表現の可能性を切り開く現代絵画の最高峰の画家の一人、と称されるドイツの巨匠リヒター。
その画業の初期には、主に写真を利用した具象的絵画制作を展開していましたが、1970年代後半に、ライフワークとなる「抽象絵画」のシリーズに着手しました。
スキージ(板)を使って塗り重ねによって生まれた積層と絵の具の物質感が豊かなイメージを喚起します。

画像: ロニ・ホーン《鳥葬(箱根)》(2017-18) ©︎ Roni Horn ©Nagare Satoshi ポーラ美術館蔵

ロニ・ホーン《鳥葬(箱根)》(2017-18) ©︎ Roni Horn ©Nagare Satoshi ポーラ美術館蔵

ロニ・ホーンは、アメリカの現代美術を代表するアーティストで、テムズ川の水面やアイスランドの温泉、島の地図、水鏡を思わせるガラスなど、作品の多くは自然と密接に結びつきながら、極めてシンプルに削ぎ落された形式で展開されています。
美術館屋外の森の遊歩道に大きなガラス彫刻作品が展示されていて、緑の中の光の美しさにあらためて、感動させられます。

画像: ヴィルヘルム・ハマスホイ 陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地 1899年 ポーラ美術館蔵

ヴィルヘルム・ハマスホイ 陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地 1899年 ポーラ美術館蔵

19世紀デンマーク絵画の黄金時代を築いたハマスホイが描く室内画は、何気ない日常の風景を描いているにもかかわらず、時が止まったかのような静謐な世界です。
窓から差し込む光が絶妙で、静寂の中に美しい情景が描かれています。

画像: 白髪一雄 《波濤》 1987年(昭和62) 油彩・墨/紙 ポーラ美術館蔵

白髪一雄 《波濤》 1987年(昭和62) 油彩・墨/紙 ポーラ美術館蔵

白髪一雄は、天井から吊るしたロープを両手でつかみ、床に広げたキャンバスの上に絵具を出し、体をダイナミックに動かしながら足を使って絵具を広げて作品を制作するという「フット・ペインティング」を確立しました。
大胆な抽象画の作品です。

印象派の名品のイメージがあるポーラ美術館でしたが、現代アートは斬新でした。
今回の展覧会は、印象派から現代へ―、ポーラ美術館にとって重要なテーマである「光」にまつわる作品がラインナップされていました。
開館30周年を迎える2032年に向け、「心をゆさぶる美術館」というビジョンを掲げ、時代に合ったサステナブルな美術館であり続けるポーラ美術館。
その未来は、光にあふれているようです。

展覧会概要

展覧会名 ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に
会期 2022年4月9日(土)~ 9月6日(火) 会期中無休
会場 ポーラ美術館 展示室1‐5、 アトリウム ギャラリー、 アトリウム ロビー、 森の遊歩道
住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話 0460-84-2111
開館時間 09:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 会期中無休 ※最新情報は公式ウェブサイトへ
観覧料 一般 1800円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」@神奈川 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2022年7月11日 月曜日 24:00
記載内容
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