第34回東京国際映画祭コンペティション部門でも上映された野原位監督『三度目の、正直』が2022年1月22日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開いたします。

画像1: ©2021 NEOPA Inc.

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公開に先立ち、野原監督が脚本に参加した濱口竜介監督『ハッピーアワー』特別上映および、野原位監督の最新作となる短編『すずめの涙』の上映を含む野原×濱口トークから成る二部構成の記念イベントが開催されました。
以下、舞台挨拶の内容をご報告いたします。

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■日時:2022年1月9日(日)
■会場:ユーロライブ 東京都渋谷区円山町1−5
■登壇:野原位、濱口竜介
■上映:野原位監督 最新短編『すずめの涙』(18分)

古くからの映画仲間として知り合いだった濱口監督と野原監督。
今回上映された『ハッピーアワー』(2015)で は、「はたのこうぼう」という脚本ユニットを組み、初めて脚本の共同作業を行ったと話した。
濱口監督は、その時の野原監督の印象を、「脚本家としての覚醒ぶりが凄まじかった。私が思いつかない飛躍的な発想を持っている」と 野原監督の脚本家として資質に言及した。そして、具体的に劇中のどの部分が、野原さんの役割に負うところが多かったなどいくつかエピソードを披露した。
『ハッピーアワー』は、半年間のワークショップ加えて、撮影が 8 カ月、トータルでは2年間ほどかかって制作されたという。通常の商業映画ではありえない撮影方法だったが、傍でみていた野原監督は「映画が倒れるか、濱口監督が倒れるかくらいのとても大変な過程だった」と語り、濱口監督も「確かにあれが限界で本当に大変だったが、一方でこれ以上無いくらいの濃密な映画作りだったことも事実」と話した。
そして「もう一度あんなことができるか、あの渦の中にもう一度飛び込めるだろうか、と思っていたところ、野原監督がまさにそんな思いをして取り上げたのが『三度目の、正直』だった」とその驚 きを語った。
続けて野原監督より『三度目の、正直』が、主演である川村りらさんとの共同脚本であること、撮影の途中にこれではよくならないと判断し、シナリオを新たに書き換えながら撮影していたことを明かした。「その結果、本来、脇役の一人で出演予定だった共同脚本の川村りらさんが主演を務めることになり、2人で撮影中も改稿を重ねていました。川村さんはもちろん、出演者のみなさまには大変な迷惑をかけたが、作品がよりよくなると信じて撮りあげました」とこれまた大変な撮影だったことを窺わせた。
続けて濱口監督に『三度目の、正直』の感想を問うと、「すごい映画でした。普通ならカメラの前でこんなこと起こらないということが、平然と映っている。そんな場面が随所にある。まだこの映画のすごさを十分に翻訳する言葉を我々は充分に持っていない気がする。ただ、これから 20、30 年後に「2022 年に『三度目の、正直』という映画があった」と語られる作品であることは間違いない」と絶賛した。
続けて、『ハッピーアワー』から『三度目の、正直』にも主演した川村りらさんについて問われると「スクリーンに映る川村さんは「世界と対峙する」という姿勢を感じる。まるで世界と戦う覚悟ができているとでもいうような。うまく伝わっているか分かりませんが(笑)」と俳優としての川村さんの存在感を評価した。その後の質疑応答では、会場の観客から熱心な質問が多く寄せられ、盛り上がりのうちにトークショーは終了。最後は、会場にいた主演の川村りらさんも壇上に上がり写真撮影で幕を閉じました。

画像: 左から濱口竜介監督、川村りらさん、野原位監督

左から濱口竜介監督、川村りらさん、野原位監督

『三度目の、正直』について最後に

濱口:『ハッピーアワー』を観て、いいじゃない、と思った方たちに全く違うものを観て、おののいて欲しいと 思っています。同じものを期待して観ても、結局は全く違うものを見ることになるわけですが、まっさらな気持ちで受け止めてもらえるとこの映画のすごさが分かるのではないか。ぜひこの映画を体感してほしい。分からなかったら二度、三度と見てほしい。その価値がある映画だと思います。

野原:濱口さんとは17,8年の付き合いですが、映画を作る基準として、濱口さんに見てもらうという意識がある。濱口さんが嫉妬するような映画が作りたいと思っている。少なからず、濱口さんを嫉妬させることができて、ひとつの目標達成となり、作ったかいがありました。その先の多くの観客に届いたらと思います。

『三度目の、正直』予告編

画像: 『三度目の、正直』予告編 youtu.be

『三度目の、正直』予告編

youtu.be

出演:川村りら 小林勝行 出村弘美川村知 田辺泰信 謝花喜天 福永祥子 影吉紗都 三浦博之

監督・編集:野原 位
脚本:野原 位 川村 りら
撮影監督:北川 喜雄 飯岡 幸子 照明:秋山 恵二郎 鈴木 涼太 蟻正 恭子 三浦博之
録音:松野 泉 助監督:鳥井 雄人 音楽:佐藤 康郎 カラリスト:小林 亮太 制作:三宅 陽子
エグゼクティブ・プロデューサー:原田 将 徳山 勝巳 プロデューサー:高田 聡
製作:NEOPA.Inc
配給・宣伝:ブライトホース・フィルム
©2021 NEOPA Inc.
[ 2021 年 /112 分 /ビスタ /カラー /5.1ch ]

2022 年 1 月 22 日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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