1988年に『バカヤロー!私、怒ってます「英語がなんだ」』で映画監督デビューをした堤 幸彦。監督として手掛けた 作品は、来年1月7日(金)公開の『truth~姦しき弔いの果て~』で50本目となります。この節目ともいえるキリの いいところを記念し、これまで一貫して「真実」に目を凝らし続けた堤監督の、選りすぐりの作品の特集上映が決定! “えっ 生前葬!?” 題して「堤 幸彦監督映画50作公開記念上映会」。11月27日(土)からK‘scinemaでの上映を皮切りに、シネ・ヌーヴォ、シネマスコーレ、京都みなみ会館にて開催されます!

画像: エンタメ作家としてのイメージの強い堤幸彦監督のB面ともいえる、むき出しの人間味あふれる7作品を特集!「堤 幸彦監督映画 50 作公開記念上映会」開催!

女性たちの心の内に迫る新作『truth』の前身ともいえる『2LDK』(03)、主人公の深層心理に迫るホラー『EGG』(02)、ほんとうの幸福とは何か問いかける『自虐の詩』(07)、現代社会で見過ごされそうな生活者たちを追った『MY HOUSE』(12)、究極の家族愛を描く『くちづけ』(13)、亡き人たちの語られなかった物語に寄り添う『悼む人』(15)。そして特別な“お楽しみ枠”としてサプライズ作品をもう1作。笑い多めのポップなエンタメ作家としてのイメージの強い堤幸彦のB面ともいえる、むき出しの人間味あふれる7作品を集めました。『2LDK』『EGG』『自虐の詩』はこの機会を逃すわけにはいかない貴重なフィルム上映となります!
この度の特集上映開催に寄せて、堤監督よりコメントも到着しました。

「堤 幸彦監督映画 50 作公開記念上映会」開催に寄せて

気がつくと66歳で、気がつくと50本の映画を撮っていた。元々はバラエティ番組の出身でありMVやコントが専門であったのに、ドラマや舞台の演出もたんまり経験した。20代からまさに休みなしで走り続けてきたが、コロナでふと立ち止まった。半ば強制的に。
静かになって耳をすますとそこには“仕事ないなら自分たちで仕事を創る!”と強い意志を持った女優たちがいた。業界での44年で初めて見たタイプの意志だった。それで映画『truth』が出来た。紛れもない『自主映画』として。
50本目の節目なんて意味はない。立ち止まってはいられない。これから何歳になっても彼女らの純粋な意志に相応しい作品を生み出せるのか、観客の期待や視線に応えられるかどうかが問われている。
でも“記念しよう!”と奇特な人々もいた。半分マジな生前葬のような。せっかくだから過去の忘れがたい作品をまとめて見てみたい。そして今後の、コロナ後の作風を考えればいい。きっと幾つかの私の“古いフィルム”にはその年齢のがむしゃらが映っているはずだ。私に声をかけてくれた女優たちの純粋さと、それは果たして戦えるのか......。

―――映画監督 堤 幸彦

『2LDK』

《35mmフィルム上映》
2003年/69分/15作目/ビスタ/ステレオ/
©「DUEL」パートナーズ
“限られた空間での2人の対決”という同じテーマと製作条件で、ふたりの監督・堤幸彦と北村龍平が中編映画を競作する企画〈DUEL〉から誕生した『2LDK』。主演は野波麻帆と小池栄子。ルームシェアする俳優とアイドルがあるオーディションをきっかけに秘めた感情を剥き出しにする。精神 を崩壊させた2人による武器を手に肉体を駆使しての壮絶な殺し合いが見どころ。

CAST:野波麻帆 小池栄子
脚本:堤幸彦 三浦有為子
撮影:唐沢悟

『EGG』

《35mmフィルム上映》
2002年/73分/17作目/ビスタ/ステレオ/
©2002アミューズ
主人公・月子は幼い頃から目を閉じると同じ光景が見えた。それは真紅の水上に浮かぶ巨大な 卵。ある日、卵が割れて中から禍々しい怪獣が出現する。この夢をきっかけに自分の出自に関す る秘密を知り苦悩する月子。夢は心象風景であり、彼女は自分のなかに潜む怪獣という存在とどう 折り合いをつけることができるか。怪獣をモチーフにした異色の特撮作品。

CAST:チョ・ヘヨン 氏家恵 佐藤二朗 犬山イヌコ
脚本:堤幸彦
撮影:唐沢悟

『自虐の詩』

《35mmフィルム上映》
2007年/116分/23作目/ビスタ/ステレオ/
©2007「自虐の詩」フィルムパートナーズ
業田良家の人気4コマ漫画『自虐の詩』を『ケイゾク』コンビ・堤幸彦と植田博樹プロデューサーが 実写化。『ケイゾク』の中谷美紀、『トリック』の阿部寛が夫婦役で共演した。舞台は大阪の下町。 夫・イサオは無職で酒飲み、何かあるとちゃぶ台をひっくり返すような乱暴者。それでも妻・幸恵は 彼に尽くし続ける。イサオと幸恵の生活から見えてくるほんとうの幸福とは。

原作:業田良家
CAST:中谷美紀 阿部寛
脚本:関えり香 里中静流
撮影:唐沢悟

『MY HOUSE』

《DCP上映》
2012年/93分/34作目/シネスコ/5.1ch/モノクロ/
©2011「MY HOUSE」製作委員会
建築家・坂口恭平のルポ『TOKYO 0円ハウス0円生活』と小説『隅田川のエジソ ン』を原作に、様々なアイデアによってそれなりに快適なほぼ0円生活を送る“鈴 本さん”の日常をモノクロで撮影した。鈴本さんと出会ったエリートコースを目指 す中学生や潔癖症の主婦など、世間から見たら裕福な者たちは資本主義的生活 に疑問を感じはじめる。堤の地元・愛知県名古屋市でロケが行われた。

原作:坂口恭平
CAST:いとうたかお 石田えり 村田勘 板尾創路 木村多江
脚本:佃典彦 脚本協力:堤幸彦

『くちづけ』

《DCP上映》2013年/122分/36作目/シネスコ/5.1ch/
©2013「くちづけ」製作委員会
人気劇団・東京セレソンデラックス(2012年解散)の名作舞台の映画化。知的障害をもつ娘マコ のため休職していた人気漫画家いっぽん。娘を知的障害者たちの自立支援グループホーム・ひま わり荘に預けることでもう一度漫画を描こうと思った矢先......。子への想いが募るあまり親が追い詰 められていく悲劇。正解の見えない社会問題を柔らかなタッチで描く。

原作:宅間孝行
CAST :
貫地谷しほり 竹中直人 宅間孝行 田畑智子 橋本 愛
脚本:宅間孝行

『悼む人』

《DCP上映》2015年/138分/40作目/シネスコ/5.1ch
©2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
直木賞を受賞した天童荒太のベストセラー小説を映画化。事件や事故に巻き込まれて亡くなった 人々が生前何を想っていたか知ることが坂築静人にとっての“悼む”行為であった。人々を悼むた め全国を旅する静人を見守る病に冒された母、静人を訝しむ週刊誌記者たち、夫を殺したことに 囚われる女性......人は皆、生や死、罪と赦しの間で彷徨っている。

CAST :
高良健吾 石田ゆり子 井浦 新 貫地谷しほり 椎名桔平 大竹しのぶ
脚本:大森寿美男(※R-15)

《7日間のうち1枠だけはお楽しみということで作品が決まり次第、公式 HP 上で発表いたします!》

Twitter@truth_FilmJapan
Insta@truth_movie0107

「堤 幸彦監督映画50作公開記念上映会」
2021年11月27日(土)~12月3日(金)K‘scinemaにて開催!
『truth~姦しき弔いの果て~』
2022年1月7日(金) 新宿シネマカリテ 他 全国順次公開予定

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