カウンター・カルチャーが世界を 席巻した 1960 年代末。麻薬中毒、フリーセックス、近親相姦... インモラルなテーマのヨーロッパ 映画に連続主演し、センセーションを巻き起こしたアメリカ人女 優、ミムジー・ファーマー。 その代表作『MORE/モア』(69) と『渚の果てにこの愛を』(70)が 日本公開 50 周年を記念し、同時再公開されることになりました。

麻薬中毒者の末路を破滅的に描いたジャンキー映画の最高峰『MORE/モア』(69)、そして、過去数十年にわたり世界的に観ることが出来なかった幻の作品にして異形のミステリー、『渚の果てにこの愛を』(70)。麻薬中毒、フリーセックス、近親相姦―当時の映画表現の限界を超え、インモラルな領域に踏み込んだ2大問題作が、遂にこの秋、再公開される。この2作品に連続主演したのが、今や知る人ぞ知る伝説のアメリカ人女優、ミムジー・ファーマーだ。

1960年代初め、ハリウッドの清純派スターとして売り出したミムジーは、低予算作品に数本出演した後に渡欧。 後に『運命の逆転』(90)でアカデミー賞候補となるバーベット・シュローダーの監督デビュー作『MORE/モア』(69)に主演する。地中海の楽園イビサ島を舞台に、アメリカのヒッピー女性が、ドイツ人の若者と麻薬に溺れ、破滅への道をたどる姿を描いたこの作品で、ミムジーはバイセクシュアルの麻薬中毒者を大胆なフル・ヌードを交えて演じ、その鮮烈なイメージの数々は、1969年カンヌ映画祭・国際批評家週間で一大センセーションを巻き起こした。

続く『渚の果てにこの愛を』(70)は、『MORE/モア』で一躍時の人となったミムジーの、金髪ショートカットのスタイルをそのまま流用した異形のミステリー。茫漠たる荒野のドライブインを舞台に、ミムジーは、その地を訪れた旅の若者を盲目的に兄と慕う、歪んだ愛欲と狂気に憑かれた女を熱演。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞・特別賞に輝いた。

ミムジーが両作品で演じた“海と太陽に愛された死の天使”ともいうべき役柄は、いわゆる“ファム・ファタール”の妖艶さ、邪悪さとは似て非なるものだ。まばゆい笑顔と伸びやかな肢体、常識や道徳に縛られない自由な精神が堕落や退廃と表裏を成す女性像は、50年経った今でもその可憐でセンシティブな美しさとともに、初めて彼女を知る者の心をざわめかせるに違いない。

●『MORE/モア』 More

画像1: © 1969 FILMS DU LOSANGE

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出演:ミムジー・ファーマー クラウス・グリュンバーグ ハインツ・エンゲルマン ミシェル・シャンデルリ
製作・監督・脚本・原案・台詞:バーベット・シュローダー
脚本:ポール・ジェゴフ
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ピンク・フロイド
【1969 年度作品(日本初公開 1971 年 2 月)/西ドイツ・フランス・ルクセンブルグ合作/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ 1:1.66/モノラル/ DCP/上映時間:116 分】
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画像: ●『MORE/モア』 More
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画像3: © 1969 FILMS DU LOSANGE

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●『渚の果てにこの愛を』 La Route de Salina

画像1: © 1970 STUDIOCANAL - Fono Roma - Selenia Cinematografica S.R.L. All Rights Reserved.

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出演:ミムジー・ファーマー ロバート・ウォーカー リタ・ヘイワース エド・べグリー マルク・ポレル
監督・脚本:ジョルジュ・ロートネル
脚色・台詞:パスカル・ジャルダン ジャック・ミラー シャルル・ドラ
原作:モーリス・キュリー
音楽:クリストフ、クリニック
【1970 年度作品(日本初公開 1971 年 6 月)/フランス・イタリア合作/カラー/スコープサイズ 1:2.35/モノラル/DCP/上映時間:95 分】
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このたび、半世紀前に彼女が連続主演した2本の代表作、時代を超えた青春映画の傑作『MORE/モア』(1969)、そしてあまりの異様さが観る者の心を揺さぶる異形のミステリー『渚の果てにこの愛を』(1970)の日本公開50周年を記念した同時再公開が決定。インモラル、ビザール、そしてイノセントなミムジーの危険な魅力を全面に打ち出した【日本オリジナル予告篇】が完成した。

この度完成した予告篇は2作品が合体した作りとなっており、【カウンター・カルチャーが世界を席巻した1960年代末―麻薬中毒、フリーセックス、近親相姦…インモラルなテーマのヨーロッパ映画に連続主演 世界中にセンセーションを巻き起こしたアメリカ人女優】というミムジー・ファーマーの紹介に続き、『MORE/モア』のパートでは、【快楽に溺れ、破滅への道をたどる麻薬中毒者たちの狂おしく儚(はかな)い青春】というコピーとともに、大麻吸引、ヘロイン注射、フル・ヌード、同性愛性交、バッドトリップによる幻覚症状が、ピンク・フロイド作曲・演奏のサウンドトラックをバックに描かれている。

『渚の果てにこの愛を』のパートでは、『MORE/モア』同様、ミムジーのブロンドのショートカットと美しいヌードのイメージが強調され、【茫漠と広がる荒野で出会った男と女―歪んだ愛と狂気がふたりを破滅へと誘う】というコピーとともに「兄」と「妹」の禁断の愛が、『キル・ビルVol.2』(2004)篇中で流用されたフランスのシンガーソングライター、クリストフ作曲によるサウンドトラックをバックに描かれている。

まばゆい笑顔と伸びやかな肢体、しかし、愛する男と自らをも否応なく破滅へと誘ってしまう女性像―今回の再公開は、忘れ去られた女優ミムジー・ファーマー唯一無二の危険な魅力と美しさを、すでに彼女を知る者だけでなく、初めて知る者の心にも刻み付けるに違いない。

『モア』『渚の果てにこの愛を』予告編

画像: 『モア』『渚の果てにこの愛を』シネマカリテ予告編(115秒) youtu.be

『モア』『渚の果てにこの愛を』シネマカリテ予告編(115秒)

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■キングレコード提供
■コピアポア・フィルム配給

11 月 5 日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開

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