「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマにお届けする大阪アジアン映画祭。
今年で 16 回目となる同映画祭の開催概要、プログラム概要などが発表されました。 今回は、トークやサイン会など交流の場については設けませんが、例年のスクリーン上映に加え、過去に大阪アジアン映画祭で上映された作品を「大阪アジアン映画祭オンライン座」としてオンライン上映いたします。コロナ禍で映画鑑賞を取り巻く状況が変化するなか、より幅広い層に対して映画文化およびアジア映画の魅力を伝えます。

画像: 大阪アジアン映画祭のオープニング作品は、香港映画界の巨匠、アン・ホイ監督の素顔を描いた『映画をつづける』クロージング作品には、池松壮亮主演、石井裕也監督『アジアの天使』に決定!

そして、この度、第 16 回大阪アジアン映画祭のオープニング作品に、香港映画界の巨匠、アン・ホイ監督の素顔を通して、生きることの力を描き出したドキュメンタリー『映画をつづける』(原題:好好拍電影/英題:Keep Rolling)に決定しました。 監督を務めるのは、美術指導、衣装デザインのベテランで、アン・ホイ監督の作品にも携わってきたマン・リムチョン。3 月5 日(金)梅田ブルク 7 にて日本初上映いたします。また、同じくクロージング作品には、池松壮亮主演、石井裕也監督・脚本の日本映画『アジアの天使』が決定しました。2021 年内の全国公開に先がけ、3 月 14 日(日)に世界初上映をいたします。

大阪アジアン国際映画祭 オープニング作品
『映画をつづける』

香港映画界の巨匠、アン・ホイ監督の素顔を通して描き出す、生きることの力

画像: 香港映画界の巨匠、アン・ホイ監督の素顔を通して描き出す、生きることの力

香港のアカデミー賞である香港電影金像奨で『桃さんのしあわせ』(桃姐/2011)、『⻩金時代』(2014/OAFF2015 上映)などの作品により最優秀監督賞に6度輝くなど、香港映画界の代表的存在であるアン・ホイ。本作では、70 年に及ぶ彼女の人生を、豊富な映像資料と、家族や映画界の錚々たる面々へのインタビューで振り返り、 彼女の素顔を通して生きることの力を描き出す。キャリアの中で多くの浮き沈みを経験してきたアン・ホイだが映画への愛と信念は変わらない。常に市場の人々と同じ目線でいるアン・ホイは、これからも香港の人々のため“映画をつづける”と決意を語る。

1947 年、中国人の父、日本人の母のもと中国東北地方で生まれたアン・ホイは、祖父母の住むマカオで幼少時代を過ごした後、1952 年、家族で香港に移住。イギリスで映画を学んだ後、香港に戻り、武侠映画の巨匠、キン・フー (胡金銓)の助監督を務める。その後、テレビ局で手がけた社会派ドラマなどで頭角を現し、⻑編映画初監督作『シー クレット』(瘋劫/1979)が香港映画界に衝撃を与え、香港ニューウェイブの旗手の1人となる。以後、幅広いジャンルで数々の作品を手がけ、2020 年ヴェネチア映画祭では生涯功労賞の金獅子賞を受賞した。

カメラは、エネルギッシュに指導する彼女の撮影現場の姿を追う一方で、母親との慎ましやかな日常生活を映し出す。 またインタビューでは、ツイ・ハーク(徐克)、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、フルーツ・チャン(陳果)、ティエン・チュアン チュアン(田壮壮)、ジャ・ジャンクー(賈樟柯)など中華映画界の重鎮のほか、シルヴィア・チャン(張艾嘉)、アン ディ・ラウ(劉徳華)などアン・ホイの作品には初期から出演し、彼女と親交の深い俳優が登場。

監督を務めるのは、ベテランの美術監督・衣装デザイナーとして、ツイ・ハーク、スタンリー・クワン(關錦鵬)、シルビア・ チャン、パン・ホーチョン(彭浩翔)などの作品に参加してきたマン・リムチョン。アン・ホイ監督とは『⻩金時代』を含めた 3 作で 2002 年からタッグを組み、本作で監督デビューを果たした。音楽には大友良英も名を連ねる。
なお、本作は 2020 年香港国際電影節オープニング作品に選出されていたが、当映画祭は現地での感染再拡大を受け、開催中止に追い込まれた。

2020年/香港/111分/
監督:マン・リムチョン(文念中)
出演:アン・ホイ(許鞍華)

大阪アジアン国際映画祭 クロージング作品
『アジアの天使』

池松壮亮(主演)×チェ・ヒソ×オダギリジョー
石井裕也監督が韓国を舞台に描く“アジアの家族映画”

画像: (c) 2021 The Asian Angel Film Partners

(c) 2021 The Asian Angel Film Partners

監督を務めるのは、『舟を編む』(2013)で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞、『映画 夜空はいつでも最高密度の⻘色だ』(2017)でアジア・フィルム・アワードのアジア最優秀監督賞を受賞するなど国内外から高い評価を 受けている石井裕也。
本作では、石井監督が絶対的な信頼を置く池松壮亮を『映画 夜空はいつでも最高密度の⻘ 色だ』に続いて主演に起用。そして池松の兄役を、石井監督作を含む数々の作品に個性派俳優として出演し、韓国でも絶大な人気を誇るオダギリジョーが演じる。韓国映画界からは、⻑編初主演作『金子文子と朴烈』(2017/ OAFF2018 オープニング作品)で圧倒的な演技を披露し、『アワ・ボディ』(2018/OAFF2019 上映)で第 23 回 釜山国際映画祭「今年の俳優賞」を受賞した実力派女優、チェ・ヒソが参画。また、撮影監督にキム・ジョンソン(『ムサン日記〜白い犬』(2010))、音楽監督にパク・イニョン(『嘆きのピエタ』(2012))が参加するなど、95%以上のスタッフ・キャストが韓国チーム、オール韓国ロケに挑んだオリジナル作品となる。
2020 年2月から3月にかけての撮影では、コロナによる懸念事項が次々生まれるなか、スタッフたちの努力により奇跡的に無事クランクアップできたという。
それぞれが心に傷を持つ、日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。誰も見たことのない「アジアの家族映画」が誕生する。

<ストーリー>
ひとり息子の学(8)を持つ⻘木剛(池松壮亮)は、病気で妻を亡くし、疎遠になっていた兄(オダギリジョー)が住むソウルへ渡った。日本から逃げるように。 「韓国で仕事がある」と兄から告げられていた剛だったが、兄の生活はその日暮らしで貧しく、想像していたものとは違った。ほとんど韓国語も話せない中、剛は怪しい化粧品の輸入販売を手伝う羽目に。 一方、ソウルでタレント活動を行っているが、市場のステージで誰も聞いていない歌を歌う仕事しかないチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社⻑と関係を持ちながら、自分の歌を歌えない環境やうまくいかない兄や妹との関係に心を悩ませていた。 しかし、その時彼らはまだ知らない。 事業に失敗した⻘木と兄、学たちと、資本主義社会に弾かれたソルと兄、妹たち ── どん底に落ちた 2 つの家族が共に運命を歩んでいき、奇跡を目の当たりにすることを...。

2021 年/日本/128 分/
監督・脚本:石井裕也
出演:池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョー、キム・ミンジェ、キム・イェウン
製作:『アジアの天使』フィルムパートナーズ
配給:クロックワークス

大阪アジアン国際映画祭 オンラインオープニング作品
『WHOLE』

画像: 池松壮亮(主演)×チェ・ヒソ×オダギリジョー 石井裕也監督が韓国を舞台に描く“アジアの家族映画”

2019 年開催の第 14 回大阪アジアン映画祭で JAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを獲得した日 本映画『WHOLE』に決定しました。監督は、『波と共に』が第 69 回カンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナーに選出された神戶市出身の川添ビイラル。関⻄を舞台に、ミックス・ルーツの⻘年が自身のアイデ ンティティを探し求める姿を描いたドラマです。本作を「大阪アジアン映画祭オンライン座」初日の 2 月 28 日(日)からオンラインで上映します。

ストーリー:
大学生の春樹は大学を辞め、彼の生まれ故郷日本で自分探しをするために帰国する。春樹は日本に着くとすぐ周囲から違うものを見るような目に晒され、⻑年会っていなかった両親との関係にも馴染めず苦しむ。ある日、春樹は関⻄の団地に住む建築作業員のハーフの⻘年、誠に出会う。春樹と誠は性格や経済的なステータスは完全に正反対だが日に日に友情を築いていく。様々な出来事を通して、春樹と誠はより親しくなり、そして彼らは「ハーフ」から「ホール」になる旅を始める。

製作年:2019 年 製作国:日本 上映時間:44 分(短編)
監督:川添ビイラル
出演:海・星野・サンディー、川添ウスマン、伊吹葵、 菊池明明、尾崎紅

I.開催概要
第 16 回大阪アジアン映画祭(OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2021)

(1)スクリーン上映(第 16 回大阪アジアン映画祭入選作品)

・期間:2021 年 3 月 5 日(金)〜14 日(日)
・会場:梅田ブルク 7、シネ・リーブル梅田、ABC ホール 他
・料金:1,300 円、(⻘春 22 切符:22 歳までの方、当日券 500 円) 全席指定席

・販売方法:梅田ブルク 7、シネ・リーブル梅田上映分は各劇場ウェブサイト及び劇場窓口にて販売。ABC ホール上映分は映画祭ウェブサイト、及び会場窓口(上映当日分のみ)にて販売。 ※チケット発売開始日時等の詳細については、2 月中旬以降、映画祭ウェブサイトにてお知らせいたします。

(2)大阪アジアン映画祭オンライン座(過去の大阪アジアン映画祭上映作品)

・期間:2021 年 2 月 28 日(日)〜3 月 20 日(土)
・配信サイト:映画祭ウェブサイト上の特設ページ
・料金:⻑編1作品1,000円、短編1作品500円 他
※視聴方法など詳細については、2 月中旬以降、映画祭ウェブサイトにてお知らせいたします。

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