梅の香がほのかに薫る季節になりました。
このたび、京都・相国寺承天閣美術館で、1月31日より4月18日まで、相国寺と金閣寺、銀閣寺の歴史と宝物を紹介する展覧会が開催されています。

相国寺は1392年に室町幕府三代将軍、足利義満によって創建された禅宗寺院です。
足利家の邸宅、花の御所の東に隣接し、義満以後、十三人の歴代足利将軍の位牌を安置する塔頭がかつては存在していました。
また、足利義満ゆかりの鹿苑寺(金閣)や足利義政ゆかりの慈照寺(銀閣)も相国寺の山外塔頭に含まれます。

今回は禅僧と梅の文化史をテーマとした企画と、相国寺の歴史を室町から近代までたどる企画をご覧いただけます。
禅僧たちが好んで描いた様々な梅の作品をはじめ、中世の相国寺を象徴する《足利義満像》のほか、相国寺ゆかりの伊藤若冲筆《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》を展示するなど、相国寺、金閣寺、銀閣寺の宝物が一挙公開されています。
梅の風情が感じられるこの季節、是非、相国寺承天閣美術館を訪れてみてください。
それでは展覧会の構成に従って、いくつかの作品をみていきましょう。

画像: 《足利義満像》 飛鳥井雅縁賛 一幅 絹本著色 室町時代 十五世紀 鹿苑寺蔵

《足利義満像》 飛鳥井雅縁賛 一幅 絹本著色 室町時代 十五世紀 鹿苑寺蔵

1梅の余薫

禅宗は鎌倉時代から室町時代にかけて大陸から日本に伝来しました。
そして同時にもたらされた大陸の文化の影響を受けて、水墨画、茶道や作庭など日本文化が生み出されたのです。
古代より『万葉集』では多くの梅の歌が詠まれました。
平安時代、太宰府天満宮の「飛梅伝説」ともなった、「東風吹かば匂い起こせよ梅の花、主なしとて春なわすれそ」という菅原道真公の歌が思い出されます。
僧侶たちは、厳しい冬の寒さの中、蕾をつけ、春の訪れを告げる梅を様々な思いで描きました。相国寺、金閣寺、銀閣寺に伝来する寺宝から、梅に関わる作品をご覧ください。

序章 大陸の梅

様々な梅にまつわる大陸のエピソードが受け入れられ、重層的な世界観が広まります。

画像: 《渡唐天神像》 瑞渓周鳳賛 一幅 室町時代 紙本著色 十五世紀 鹿苑寺蔵

《渡唐天神像》 瑞渓周鳳賛 一幅 室町時代 紙本著色 十五世紀 鹿苑寺蔵

第1章 禅僧の梅

禅の教えとともに水墨画も隆盛し、梅は独自の画境を築きます。

画像: 《墨梅図》 玉畹梵芳賛 一幅 紙本墨画 室町時代 十五世紀 慈照寺蔵

《墨梅図》 玉畹梵芳賛 一幅 紙本墨画 室町時代 十五世紀 慈照寺蔵

第2章 受け継がれる精神

中世に描かれた梅は、近世にも写され、文化的なイメージが確立されます。

[主要展示作品] 探梅騎驢図屏風 長谷川等伯筆 相国寺蔵

第3章 梅の意匠

松竹梅といった吉祥イメージが好まれ、工芸に多く取り入れられました。

[主要展示作品] 重要文化財 銅梅竹文透釣燈籠 相国寺蔵

2相国寺の歴史と寺宝

相国寺の歴史を宝物によって概観し、多種多様な作品を通覧する総合的な展示が行われています。
相国寺の創建と足利将軍、そして時代がうつろい織田、豊臣、徳川といった権力者たちと相国寺僧はどのように相対し、近代の廃仏毀釈の流れの中で寺域を守り続けたのか、相国寺とその塔頭、金閣寺や銀閣寺の寺宝から近代にいたるまでの歴史の流れをたどります。

Ⅰ 禅の歴史と相国寺

三国伝来 達磨から夢窓へ
[主要展示作品] 釈迦文殊普賢像 伝顔輝筆 相国寺蔵

Ⅱ 中世の相国寺

足利義満による相国寺の創建、東山御物と室町絵画、足利義政とその時代
[主要展示作品] 重要文化財 寒山行旅山水図 絶海中津賛 相国寺蔵

Ⅲ 近世の相国寺

織豊政権、徳川政権と相国寺 相国寺再興から日記にみる僧侶の日常まで
梅荘顕常と伊藤若冲

画像: 《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》(左隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》(左隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

画像: 《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》(右隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

《群鶏蔬菜図押絵貼屏風》(右隻) 伊藤若冲筆 六曲一双 紙本墨画 江戸時代 相国寺蔵

画像: 《梅荘顕常頂相》自賛 世継希僊筆 一幅 絹本著色 江戸時代 十八世紀 慈雲院蔵

《梅荘顕常頂相》自賛 世継希僊筆 一幅 絹本著色 江戸時代 十八世紀 慈雲院蔵

Ⅳ 年中行事

観音懺法と白衣観音
[主要展示作品]  白衣観音像 吉山明兆筆 相国寺蔵

Ⅵ 近代の相国寺

橋本独山
[主要展示作品]  橋本独山寄附状 相国寺蔵

是非、この機会に相国寺承天閣美術館「相国寺・金閣・銀閣 宝物展」をご堪能ください。
遥か室町時代に思いを馳せ、梅の情緒に浸ってみましょう。

画像: 相国寺承天確美術館 外観

相国寺承天確美術館 外観

展覧会概要

会期 2021年1月31 日(日)~4月18日(日)
開催時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 会期中無休
入館料 一般800円(65歳以上・大学生600円 中高生300円 小学生200円)
※一般の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円
主催 相国寺承天閣美術館
協賛 一般財団法人 萬年会 鹿苑寺 慈照寺
相国寺承天閣美術館
〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入ル
TEL : 075-241-0423 

「相国寺・金閣・銀閣 宝物展」@京都 cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「相国寺・金閣・銀閣 宝物展」@京都 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。
☆応募先メールアドレス info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2021年2月15日24:00 月曜日
記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
  5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい
 (複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

This article is a sponsored article by
''.