昨年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され大きな話題となった映画『パピチャ 未来へのランウェイ』が10月30日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開となります。

画像1: © 2019 HIGH SEA PRODUCTION–THE INK CONNECTION–TAYDA FILM–SCOPE PICTURES–TRIBUS P FILMS -JOUR2FETE–CREAMINAL - CALESON–CADC

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本作は、物語の舞台であるアルジェリアに17歳まで暮らし、この映画が長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥール自身の経験から生まれた物語。アルジェリアで1991年に始まった内戦、いわゆる<暗黒の10年>を舞台に、過激派のイスラム主義勢力によって内戦下で横行していた弾圧の真実を、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で劇的かつ瑞々しく描ききっていく。タイトルの“パピチャ”とは、アルジェリアのスラングで“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”という意味。

第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されるや、全編にほとばしるそのエネルギーで世界を圧倒。媚びず、流されず、自らのために立ち向かう少女達の力強さは観客に勇気を与え、性差による抑圧に対する解放の賛辞だとして話題を呼んだ。しかし、昨年12月に大統領選を控え政治情勢が不安定となっていた本国アルジェリアでは、昨年9月に実施が予定されていた先行上映が当局によって説明なしに中止され物議を醸す事態に。そして未だに本国での公開には至っていない。

内戦下、大学寮を抜け出しナイトクラブへ――
シスターフッドの幕開けを告げる、本編冒頭映像解禁!

本日10月11日は、国連が採択する国際ガールズ・デー。エンターテイメント業界でも、近年問題視されるジェンダー・ギャップの問題などの課題に対して、女性自らが率先して声をあげる出来事も少なくない。そんなこの日に合わせて、自分なりの方法で社会や制圧と向き合っていく少女達の姿を描くシスターフッドの物語の幕開けを告げる、本編冒頭映像が解禁となります!

1990年代、アルジェリア。ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマ(リナ・クードリ)は、親元を離れ大学寮で暮らしている。夜はルームメイトで親友でもあるワシラ(シリン・ブティラ)とナイトクラブに繰り出すのが楽しみのひとつだ。この夜もネジュマとワシラは、寮の部屋からこっそり抜け出し、ナイトクラブに向かうために待たせていた白タクの元へと走っていく。ふたりはタクシーに乗るや上機嫌にゴージャスなドレスに着替え始めるが、運転手は「この車はキャバレーじゃないぞ」と完全に呆れた様子だ。ネジュマがお気に入りの曲をかけながら見るアルジェの街は、いたるところがネオンで照らされ、車や人々が行き交い、眠らない街の賑わいを感じさせる一方で、武装グループによる襲撃事件を伝えるニュースがラジオで流れ、イスラム教のモスクで大勢の人が礼拝をしている様子など、この街を覆う現実も伝わってくる。そして突然、銃を携えた男たちによる検問に気が付いた運転手が「音楽を消せ」と告げると、ふたりは持っていた布で急いで身体を覆った――

メドゥール監督は、「“あの時代を描きたい”というのが出発点だった。海外では1990年代のテロ映像を目にすることは多いけど、実際の生活は知られてない。だからこの映画ではアルジェリア社会の内側を見せたかった。その中心は少女たちの小さな世界、繭のように心地のいい女性たちの世界よ。彼女たちを中心に当時の闘いを描きたかった」と本作への想いを語っている。ネジュマがタクシーのカセットデッキにかけた曲は、1989年に発表され、日本でもヒットしたテクノトロニックの「ゲット・アップ/Get Up (Before The Night Is Over)」だ。また監督は、「脚本を書いている時から、音楽は1990年代のものを使うと決めていた。アルジェリアの若者たちは、世界中のほかの国の若者と同じ音楽を聴いていた。彼らと同じヒット曲を聴いて踊り、お祭り騒ぎをしてたの」と自身のアルジェリア時代の思い出を語る。

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物語が進むにつれ彼女たちを巡る抑圧が日に日に増していく中でも、ふたりは輸入品であふれる布地店でお気に入りの服を買い、寮の部屋には好きなアーティストのポスターが並び、恋をするなど、ほかの国の若者達と同じように青春を謳歌しているのだ。そんな彼女たちを巡る状況が手に取るように伝わる、躍動感あふれるオープニングシーンとなっている。

内戦下、大学寮を抜け出しナイトクラブへ――
シスターフッドの幕開けを告げる、本編冒頭映像解禁!

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また、ネジュマ達のファッションショーを行うという“選択”にちなんで、選択を前にしている日本の多くの方たちに向け<自分らしく生きるための選択>をするための背中を押す一助になることを願い、本作公式noteにおいて<選択>をテーマにした豪華執筆陣によるエッセイ連載企画「マイ・チョイス-わたしがした、自分らしく生きるための選択」が本日始動!

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筆者には、企画に賛同した各界のトップランナーとして活躍する方々が多数参加。第一弾として、2015年に「ナイルパーチの女子会」で第28回山本周五郎賞を受賞した小説家の柚木麻子氏によるエッセイ「『守りたい』の殺意」が掲載中だ。今後も、10名以上による、それぞれがこれまでにしてきた“選択”にまつわる珠玉のエッセイを掲載していく。

映画『パピチャ未来へのランウェイ』公式note

エッセイ連載企画「マイ・チョイス-わたしがした、自分らしく生きるための選択」
筆者紹介
(五十音順/10月7日まで到着分)

伊藤詩織さん(ジャーナリスト)、北原みのりさん(作家・ラブピースクラブ代表)、小山圭一さん(ELLE ONLINE エディター)、治部れんげさん(ジャーナリスト)、瀬谷ルミ子さん(認定NPO法人 REALs理事長)、なみちえさん(アーティスト)、笛美さん(会社員)、松尾亜紀子さん(エトセトラブックス代表)、山本和奈さん(一般社団法人Voice Up Japan代表理事)、ヤン ヨンヒさん(映画監督)、柚木麻子さん(小説家)

◆映画『パピチャ 未来へのランウェイ』
公式note URL:https://note.com/papichamovie

【STORY】
 1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。だが過激派のイスラム主義勢力の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるように。従うことを拒むネジュマはある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、立ちはだかる障害と死の匂いに屈せずに命がけでファッションショーを行うことを決意する―。

監督:ムニア・メドゥール
出演:リナ・クードリ、シリン・ブティラ、アミラ・イルダ・ドゥアウダ、ザーラ・ドゥモンディ
配給:クロックワークス

2019年/フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール/スコープサイズ/109分/アラビア語・フランス語・英語/原題:PAPICHA/映倫G

© 2019 HIGH SEA PRODUCTION–THE INK CONNECTION–TAYDA FILM–SCOPE PICTURES–TRIBUS P FILMS -JOUR2FETE–CREAMINAL - CALESON–CADC

公式Twitter/instagram @papichamovie

10/30(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

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