アカデミー賞に輝く傑作『戦争と平和』全四話等で世界映画史に大きな足跡を残し、今年、生誕100年を迎えるソ連の巨匠セルゲイ・ボンダルチュク監督の特集上映が、9月18日(金)~10月8日(木)にアップリンク吉祥寺にて開催されます。

四話合計424分に及ぶ大作『戦争と平和』の一挙上映のほか、『セルギー神父』、『祖国のために』、『人間の運命』、『ワーテルロー』と合わせ5作品が上映されます。

セルゲイ・ボンダルチュク
1920年9月25日~1994年10月20日ウクライナ生まれ。
当初は俳優を目指し演劇学校で学び、第二次世界大戦終了後の1948年、全ソ国立映画大学を卒業し、俳優としてキャリアをスタートさせた。同年、『青年親衛隊』(セルゲイ・ゲラシーモフ監督)に出演。『タラス・シェフチェンコ』(1951年/アレクサンドル・アロフ監督)では高い評価を受け、翌年、史上最年少の32歳で、ソ連人民芸術家の称号を授与されている。1956年、『オセロ』(セルゲイ・ユトケヴィチ監督)ではオセロ役を演じた。以後、監督業にも挑戦し、初監督作『人間の運命』(1959年)で高い評価を受けレーニン賞受賞。『戦争と平和』(1965年~1966年)では、監督だけではなくベズーホフ伯爵も演じ、アカデミー賞最優秀外国語映画賞、ゴールデングローブ賞等を受賞。イタリアの巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督作『ローマで夜だった』(1960年)に出演するなど、俳優、脚本家や映画編集者としても多くの作品に参加し、名実共にソ連を代表する映画人の一人であった。なお、『戦争と平和』第一部の日本公開時(1966年)には来日している。

画像1: 予告!アカデミー賞に輝く文豪トルストイ原作の一大歴史ロマンの傑作『戦争と平和』4部作など名匠セルゲイ・ボンダルチュク監督生誕100周年記念特集上映開催!

原作:レフ・トルストイ
出演:セルゲイ・ボンダルチュク リュドミラ・サベーリエワ (四話合計424分)

画像2: 予告!アカデミー賞に輝く文豪トルストイ原作の一大歴史ロマンの傑作『戦争と平和』4部作など名匠セルゲイ・ボンダルチュク監督生誕100周年記念特集上映開催!

第一部<アンドレイ>

舞台は1805年のペテルブルク。ベズーホフ伯爵の非嫡出子ピエールがフランスから帰国した。彼は放蕩息子だったが、父伯爵に溺愛され、その莫大な財産を相続した。その頃、ナポレオンがヨーロッパ全土に侵攻し、各地で戦火があがり始める。

(1965年(復元1988年)/カラー/5.1ch/147分)

第二部<ナターシャ>

ロストフ家の長女ナターシャとアンドレイ侯爵は舞踏会で知り合い、たちまち恋に落ちるが、結婚を反対されたアンドレイは、ナターシャを残し外国に旅立つのだったが…。

(1965 (復元1988)年/カラー/stereo2.0ch/98分)

画像: 第二部<ナターシャ>

第三部<1812年>

1812年、ナポレオン率いるフランス軍がロシア侵攻を開始する。圧倒的な戦力のナポレオン軍にロシア軍は終始、圧され気味だったが、クトゥーゾフ将軍の登場により、戦局に変化が生じ始める。そのロシア軍の中にアンドレイの姿があった。

(1966年 (復元1988)/カラー/stereo2.0ch/82分)

第四部<ピエール>

フランス軍の侵攻により、戦火から逃れようとする人々で大混乱に陥ったモスクワ。だが、ひとりピエールはナポレオン暗殺を決意して、街中に潜んでいたのだった…

(1966年 (復元1988)/カラー/stereo2.0ch/97分)

セルゲイ・ボンダルチュク監督生誕100周年記念特集予告

画像: 『セルゲイ・ボンダルチュク 生誕100周年記念特集』予告編 youtu.be

『セルゲイ・ボンダルチュク 生誕100周年記念特集』予告編

youtu.be

その他上映作品

『セルギー神父』

原作は文豪トルストイ。舞台は1800年代の半ば、ニコライ1世治下のロシア。婚約者メリーの裏切りを知った近衛士官のスチェパン・カサツキーは修道僧となり、セルギーの名を与えられ、人里離れた僧院に赴くが、女性地主に誘惑されるのだった…。本作は無声映画時代の1917年にも映画化されている。

(1978年/カラー/stereo2.0ch/96分)

1975年カンヌ国際映画祭 パルムドール候補
『祖国のために』

原作:ミハイル・ショーロホフ 出演:セルゲイ・ボンダルチュク

ノーベル賞作家ショーロホフ(「静かなるドン」)原作による戦争スペクタクル。3000万人の犠牲者を出し史上最悪といわれる独ソ戦(1941年~1945年)。ソ連に侵攻した独軍に総力で抵抗する赤軍兵士。ボンダルチュク監督は本作に兵士役で出演。タルコフスキーの「惑星ソラリス」のカメラマン、ワジーム・ユーソフによる戦闘シーンの臨場感は見ものである。

(1975年/カラー/stereo2.0ch/158分)

1959年第一回モスクワ国際映画祭グランプリ/1970年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭特別賞
『人間の運命』

原作:ミハイル・ショーロホフ
監督・主演:セルゲイ・ボンダルチュク

アンドレイは天涯孤独だったが、イリーナと結婚し一男二女に恵まれて幸せな毎日を送っていた。戦争が勃発したため出征した彼はドイツ軍の捕虜となり、収容所暮らしに。ある日、スキをみて収容所を出て、故郷に辿り着いた。だが、そこには妻も子供たちの姿もなかった。戦後、トラック運転手になった彼は、イリーナの面影を漂わせる戦災孤児ワーニャと出会う… 

(1959年/カラー/stereo2.0ch/102分)

1971年イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナッテッロ賞)/BAFTA最優秀美術用・衣装賞他
『ワーテルロー』

出演:ロッド・スタイガー/クリストファー・プラマー/ジャック・ホーキンス/オーソン・ウェールズ
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
音楽:ニーノ・ロータ

ナポレオン率いるフランス軍とウェリントン率いるイギリス軍との間で、1815年6月18日に戦われた<ワーテルローの戦い>を描いた作品。撮影には当時のソ連軍が全面協力し、英独蘭仏合わせて総勢20万の大軍が激突した戦いを、合成を一切用いないライブで再現した迫力は見ものである。

(1970年/ソ伊共同製作/カラー/stereo2.0ch/127分)

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