ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督作品『あなたの顔』の公開日が、4月25日(土)に決定いたしました。シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開いたします。併せて、各界の著名人より寄せられた推薦コメント、ならび にメイキング写真が解禁です。

1992年の『青春神話』から2013年の『郊遊 ピクニック』まで、約20年間で10本の長編劇映画を発表し、ヴェネチア、カンヌ、ベルリンの受賞歴を誇るツァイ・ミンリャン監督。『郊遊』をもって商業映画からの引退を表明していたが、 昨年5月に本作『あなたの顔』を台湾にて劇場公開し、さらに日の第70回ベ ルリン国際映画祭では新作映画「日子」(原題)を出品。セリフがほとんどないという新作は大いに話題を呼び、LGBTQをテーマにした映画に贈られるテディ賞の審査員特別賞を受賞した。

本作は、ツァイ監督が2ヶ月をかけ、台北の街中で見つけた12人の一般の人々と、俳優で監督のリー・カンションが出演するドキュメンリー作品だ。身の上話を語る者、うたた寝をする者など、それぞれの「顔」を極端なクロースアップで映し出し、顔に刻まれる皺やまなざしから、彼らが生きてきた人生や、時間そのものを見つめる。ツァイ監督直々のオファーよって、坂本龍一氏が音楽を担当。 坂本氏は「このように幸福な映画音楽プロジェクトは人生で度々あるものではない」とコメントを寄せている。 生み出す作品が常に世界を驚かせてきたツァイ監督の“新境地”ともいえる本作へ、各界の著名人からコメントが到着。本作が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した際の金馬奨で審査員を務めていた俳優の永瀬正敏氏は「とてつもなく、シンプルなのにそれぞれの過ごしてきた時間・環境・人となりがとてつもなく、強烈に、伝わってくる。世界中でツァイ・ミンリャン監督にしか作れなかった作品。」とコメントを寄せている。また、写真家・小説家の藤代冥砂氏は、「この映画を見なければ、私は他人の顔というものを知らずにいただろう。こんなに動く顔をじっと見つめたことはなかった。造形、皺、質感。それらは一時も停滞せずに、まるで動く地図のようだった。」と、本作のテーマとなっている「顔」そのものについてコメントを寄せている。 併せてメイキング写真も解禁。台北中山堂を舞台に、こだわり抜かれたライティングで撮影された様子が伺える。

画像1: (c) 2018 HOMEGREEN FILMS TAIWAN PUBLIC TELEVISION SERVICE FOUNDATION ALL RIGHTS RESERVED

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各界からのコメント

とてつもなく、シンプルなのにそれぞれの過ごしてきた時間・環境・人となりがとてつもなく、強烈に、伝わってくる。
世界中でツァイ・ミンリャン監督にしか作れなかった作品。
ー永瀬正敏(俳優)

この映画を見なければ、私は他人の顔というものを知らずにいただろう。こんなに動く顔をじっと見つめた ことはなかった。造形、皺、質感。それらは一時も停滞せずに、まるで動く地図のようだった。人は誰もが 各々の地図を持っている。複雑な地図、単純な地図、私たちは常に地図を書き換えながら、生きている。
ー藤代冥砂(写真家・小説家)

人の顔をじっと凝視するというタブーに挑戦するのは新鮮な体験でした。
舌ペロペロおばさん、ハーモニカおじさんなど個性的な顔から目が離せません。 業や人生や性質が露わになる顔を人に見せるのが怖くなってきました。
ー辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

最初は「いったい僕は何を鑑賞しているんだろうか」という気分になったが、冒頭に登場する女性がふいに 笑みを浮かべ、過剰さの全くない音楽が絶妙なタイミングで鳴り出したあたりで一気に画面に引き込まれ、 見終わってみたらとてつもない非日常の感覚がなぜか残る不思議な作品だった。
ーユザーン(タブラ奏者)

ラストの建築空間のロングショットで、ようやく深く息を吸うことができた。建物に光が射したり翳ったり する様子は美しく、浄化を感じたし、そこには「私」の感情が入る余地があった。逆にいえばそれまでの時 間、他者の顔を見続けた「私」が、どれだけ精神を張りつめていたかということだ。人間の顔とはなんと多 くの意味を隠しもち、こちらの想像を超越したものなのか。ユダヤ人としてドイツ軍に収容され、親族のほ とんどを亡くした経験をもつ哲学者レヴィナスは、人間の顔こそが「汝殺すなかれ」と、他者に倫理を要請 してくると言った。他に開かれてある「顔」が有している、深い不可触性に打たれた。あいかわらずツァイ・ ミンリャンは人を戦慄させる監督だ。
ー中村佑子(映画監督)

人の顔に現れている歴史の厚み、情報の密度の濃さは、こんなにも長い時間、味わっていられるのか! できそうでできない、未知の体験を与えてくれる映画。 歳月を経た顔の豊かさ美しさをまざまざと見せてくれる、アンチ・アンチエイジング映画。
ー岡田利規(演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰)

ひたすら続く顔のみの映像と向かい合いながら、何を見てるのか分からなくなる。自分の顔を眺めているよ うな、自分があちら側にいて見られているような錯乱がおきる。これは、問いなのだろう。監督から一三人 への。一三人から私たちへの。私から私への。とにかく、初めての映像体験だった。
ー 東直子(歌人、作家)

風化した石を思わせる匿名の顔たちに堆積した時間。その顔たちが「カット」の声がかからない決まり悪さ に耐えつつ、キャメラの無遠慮な視線に反応したりしなかったりする時間。顔をめぐるさまざまな時差を包 み込むのは、最後に映し出される台北中山堂だ。自身の人生の時間が畳み込まれているというこの建物もま た、蔡明亮は「顔」として撮る。
ー遠山純生(映画評論家)

監督:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)
製作総指揮:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)、ジェシー・シー(施悦文)
製作:クロード・ワン(王雲霖)
音楽:坂本龍一
撮影:イアン・クー(古桓誼) / 編集:チャン・チョンユェン(張鍾元)
出演:リー・カンション(李康生)ほか
原題:你的臉 (英題:Your Face) / 2018 年 / 76 分 / DCP / カラー / 中国語 / 字幕:神谷直希
提供:トランスフォーマー
配給:ザジフィルムズ、トランスフォーマー
協力:東京フィルメックス
後援:台北駐日経済文化代表処
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4/25(土)より シアター・イメージフォーラム 他 全国順次公開!

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