AI、すなわち人工知能が、社会基盤のベースになった近未来を舞台に、AI研究者から突如テロリストと断定された桐生、脱出不能の気密室に閉じ込められた彼の娘---絶体絶命の危機に陥った父娘は助かるのか。AIに管理された社会は果たして人間に幸福をもたらすのか。さまざまな要素を盛り込み、時間との競争も加わって、危機連発のサスペンス超大作に仕上がっている。

画像1: (c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

 医療AIの共同研究者にして妻でもあった望が病魔に侵され、彼女を自分たちが研究しているAIを応用した治療法で治したいと念願していながら、役所の認可が下りず、ついに妻は亡くなってしまい、悔しい思いをした天才AI開発者の桐生浩介。その後、彼の研究は実を結び、認可も下り、AIは“のぞみ”と名付けられ、病気の予防、発見、治療といった医療のあらゆる分野で使われるようになり、人間社会の重要なライフラインとなる。後を妻の弟である西村悟に託して、彼と幼い娘心はシンガポールに移住する。西村悟はAI関連の会社HOPEを経営し、大規模な企業に育て上げていた。
 2030年、桐生浩介が表彰されることになり、心を伴って帰国。最新テクノロジーの粋を集めたセンターの中枢AIが収められた部屋に案内される。そこは部屋というか、広大なスペースの中にまるで偶像のように安置された“のぞみ”が安置され、人間の眼のようなカメラアイで視認するとともに、膨大なデータがどんどんと搬入され、蓄積されていく。 だが、突然“のぞみ”が暴走して、医療機器が誤作動を引き起こしたり、人が突然死したりする。“のぞみ”が生きる価値のない人間を選別し、無用な人物と判断したら、命を絶っているらしいのだ。警察庁サイバー犯罪対策課の桜庭理事官は、この事態をサイバーテロ、開発者の桐生浩介をそのテロリストと断定。捜査AI百眼を駆使して逃げ出した桐生の位置を割り出し、課員を総動員して後を追わせる。一方、心はAI中枢部が収められた部屋に閉じ込められてしまう。AIを守るために自動的に気温がさがるが、外の人間は電源を切ることも、強化ガラスのドアを開けることもできず、心の命に係わる事態に。警視庁捜査一課のベテラン刑事合田と新米刑事奥瀬は、サイバー犯罪対策課から邪魔者扱いされながら、桐生犯人説に疑問を抱いて、独自の捜査を始める。

画像2: (c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

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 のぞみと百眼というふたつのAIの対比、AIの機能を駆使した追跡、それを逆手にとっての逃走、昔ながらの地道な捜査を実行する刑事……と、後半部分ではサスペンス要素が強まり、登場人物のキャラクターも巧みに描き分けられ、ハラハラドキドキの場面が展開されていく。未来社会のありかたへの警鐘ともとれる作品。

画像5: (c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会

監督・脚本は「ジョーカーゲーム」「22年目の告白—私が殺人犯です—」「ギャングース」と、サスペンスが得意な入江悠。自主映画からスタートしているので、予算や規模感的にもやりたくてもできないジャンルである、近未来SFをやりたいということで製作がスタートしたとのこと。
桐生浩介役に大沢たかお、妻望役に松嶋菜々子、義弟西村役に賀来賢人、桜庭役に岩田剛典、合田役に三浦友和、奥瀬役に広瀬アリスが扮している。

北島明弘
長崎県佐世保市生まれ。大学ではジャーナリズムを専攻し、1974年から十五年間、映画雑誌「キネマ旬報」や映画書籍の編集に携わる。以後、さまざまな雑誌や書籍に執筆。
著書に「世界SF映画全史」(愛育社)、「世界ミステリー映画大全」(愛育社)、「アメリカ映画100年帝国」(近代映画社)、訳書に「フレッド・ジンネマン自伝」(キネマ旬報社)などがある。

映画『AI崩壊』本予告

画像: 映画『AI崩壊』本予告 2020年1月31日(金)公開 youtu.be

映画『AI崩壊』本予告 2020年1月31日(金)公開

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【STORY】
 2030年。人々の生活を支える医療AI「のぞみ」の開発者である桐生浩介(大沢たかお)は、その功績が認められ娘と共に久々に日本に帰国する。英雄のような扱いを受ける桐生だったが、突如のぞみが暴走を開始――人間の生きる価値を合理的に選別し、殺戮を始める。警察庁の天才捜査官・桜庭(岩田剛典)は、AIを暴走させたテロリストを開発者である桐生と断定。日本中に張り巡らされたAI監視網で、逃亡者・桐生を追い詰める。桐生が開発したAIを管理していたのは、桐生の亡き妻でありAI共同開発者の望(松嶋菜々子)の弟、西村(賀来賢人)。事件の鍵を握る西村も奔走する一方で、所轄のベテラン刑事・合田(三浦友和)と捜査一課の新米刑事・奥瀬(広瀬アリス)は足を使った捜査で桐生に迫る。日本中がパニックに陥る中、桐生の決死の逃亡の果てに待っているものとは?一体、なぜAIは暴走したのか?止まらないAI社会の崩壊は、衝撃の結末へ――。

監督:脚本:入江悠(『22年目の告白―私が殺人犯ですー』)
出演:大沢たかお 賀来賢人 広瀬アリス/岩田剛典/髙嶋政宏 芦名星 玉城ティナ 余 貴美子/松嶋菜々子 三浦友和
主題歌「僕らを待つ場所」AI(EMI Records / UNIVERSAL MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2019映画「AI崩壊」製作委員会

2020年1月31日(金) 全国公開

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