日本・カザフスタン合作映画『オルジャスの白い馬』が、2020年1月18日(土)に新宿シネマカリテほか全国順次公開となります。

主演を務めるのは、若手実力派俳優である森山未來と、『アイカ(原題)』で2018年カンヌ国際映画祭最優秀主演女優賞に輝いたサマル・イェスリャーモワ。アジアを代表する若手国際派俳優ふたりによるダブル主演となる。森山にとって初の海外主演作となる本作で、全編カザフ語で演じ乗馬もこなす熱演を披露、愛する人に真実を語れない不器用な男を演じている。
監督・脚本は、日本人監督とカザフスタン人監督が共同で担当した。カザフスタンの大草原を舞台に、突然父を亡くしてしまった少年オルジャスと、その前に突然現れた不器用だが正義感の強い男カイラートとのふれあいを描くヒューマンドラマだ。

画像: ©『オルジャスと白い馬』製作委員会

©『オルジャスと白い馬』製作委員会

アジア最大級の映画祭である第24回釜山国際映画祭が10月3日(現地時間)に開幕。
初めての海外主演作で自身として初めての海外映画祭への参加となった森山未來をはじめ、もうひとりの主演で同映画祭の審査員としても参加するイェスリャーモワや両監督が、映画祭開幕に先立ち本作のメディア向け記者会見に臨み、続けて行われた華やかなレッドカーペットに登場しました。

本作は映画祭のオープニングを飾りましたが、日本が製作に関わった作品がオープニング作品に選出されたのは2003年の第8回以来16年ぶりの快挙。映画上映前の舞台挨拶には、4名に加えてプロデューサーの3人も登壇。前日2日は台風18号の影響で映画祭の前夜祭が中止になるトラブルに見舞われましたが、開幕日3日は打って変わっての秋晴れに恵まれ、上映会場となった4000人収容を誇る野外スクリーンは満席の大盛況となりました。

下記、記者会見の報告レポートです。

<記者会見>
日時:10月3日(木)15:00~16:00(現地時間)
場所:BUSAN CINEMA CENTER CINEMA1(韓国・釜山 海雲台区)
登壇者:森山未來、サマル・イェスリャーモワ、竹葉リサ(監督)、エルラン・ヌルムハンベトフ(監督)
<レッドカーペット>
日時:同日17時頃~19時半頃(現地時間)
場所:BUSAN CINEMA CENTER 野外会場
登壇者:同上、キム・ユリア(プロデューサー)

記者会見には韓国プレスのみならず海外からのプレスも多く駆け付け、およそ1時間にわたり活発な質疑応答が繰り広げられた。

森山は、冒頭に「森山未来と申します。今回釜山映画祭に、この作品で来させてもらえたことは本当に光栄で感謝しています。カザフスタンで過ごした2~3週間、僕にとって本当に宝物のような時間でした。それがこういう形で評価をしていただいて、釜山の皆さまにまず見てもらえるということを嬉しく思います。楽しんでもらえたら光栄です」と挨拶。

森山未來

韓国人記者から、『怒り』で演じた“悪”とは打って変わって反対の役割を演じた今回の役柄について、キャラクター分析や作品への解釈について質問が投げかけられると、森山は、「『怒り』の時は李監督と言葉を交わして役柄の解釈を深めていきました。今回も同様に、エルラン監督とリサ監督とどんどんどんどん会話を交わしながら、カイラートという人がどういう人間なのかを掘り下げていきました。映画の中では時代設定やそれぞれの人物がどういう背景を持っているのか、ほぼ説明はされていません。それによって登場人物それぞれの表情やミニマルな動き、ぽろっとこぼす言葉といったひとつひとつの小さな所作、言葉がすごく鮮明に聞こえるようになっていき、カザフスタンの背景に横たわる力強く温かい大地が、前面に押し出されてくるような映像作品になったと思います。」と回答した。

森山は本作で全編にわたりカザフ語で話しているが、そのことについて「本当に全く知らないカザフ語をいちから勉強し、ほぼ書かれているセリフを丸覚えするしかありませんでした。だからアドリブも何もできないし、ほぼ身動きの取れない状態でした。でもそのシンプルさとかミニマルな感じが、逆に作品全体を見通しての感覚として、叙事詩というのか何か神話みたいなものを見ていたような感覚になれたんです。それがすごく心地がよかったことを覚えています。だから、僕がカイラートをどう解釈していたかということは、そんなに大した問題ではないんです。」と振り返った。

そのほか、ヌルムハンベトフ監督は、日本とカザフスタン合作である本作がどちらの国でより良い結果を出せると思うかという質問に対して、「ある特定の観客層を対象にすることは考えていません。全体的な音、動き、全体的な現象が、誰ということに関係なく誰かにとって響くものと信じています。」と期待を寄せた。

竹葉監督は、森山が演じている愛する人に真実を語ることができない不器用な男カイラートについて、「カイラートは名は体を表しているキャラクターなんです。カザフ語で“カイラット”は<強い男>という意味です。撮影現場では、エルラン達カザフのスタッフが撮影中にいろんなことを思いつきどんどん盛り込んでいく中で、台本は跡形がなくなるほどに変わっていきました。でも、森山さんはそれに対しても、大地と一体になりたいのかしらというくらい、自分の出役が終わった後もずっと自然と対話していたように感じられました。私は、森山さんは日本一の俳優だと思っています」と答えた。

『アイカ(原題)』や本作を通じて国際的な女優へと成長したイェスリャーモワは、自身の好む演技スタイルについて聞かれると「演技のスタイルについては、監督の嗜好によって少しずつ変わってきます。自分のスタイルを投影することもありますが、大切なのは、監督が持っているアイデアをどのように表現して実現するかだと思っています。」と答えた。

画像: 左から2人目からエルラン・ヌルムハンベトフ監督、キム・ユリア、サマル・イェスリャーモワ、森山未來、竹葉リサ監督

左から2人目からエルラン・ヌルムハンベトフ監督、キム・ユリア、サマル・イェスリャーモワ、森山未來、竹葉リサ監督

画像: 左からサマル・イェスリャーモワ、エルラン・ヌルムハンベトフ監督、竹葉リサ監督、森山未來

左からサマル・イェスリャーモワ、エルラン・ヌルムハンベトフ監督、竹葉リサ監督、森山未來

【STORY】 
少年の心に吹き込んだ、疾風のような出会い。
夏の牧草地、草の匂いが混じった乾いた風、馬のいななく声。広大な空に抱かれた草原の小さな家に、少年オルジャスは家族とともに住んでいる。ある日、馬飼いの父親が、市場に行ったきり戻らない。雷鳴が轟く夕刻に警察が母を呼び出す。不穏な空気とともに一家の日常は急展開を迎える。時を同じくして、一人の男が家を訪ねてくる…。

2019/日本・カザフスタン/カザフ語・ロシア語/81分/カラー/DCP/Dolby SRD(5.1ch)/シネスコ/英題:Horse Thieves

監督・脚本:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ

プロデューサー:市山尚三、木ノ内輝、キム・ユリア 
撮影監督:アジズ・ジャンバキエフ 音楽:アクマラル・ジカエバ 編集:ヌルスルタン・ヌスカベコフ、リク・ケイアン 音響:アンドレイ・ヴラズネフ 美術:サーシャ・ゲイ

出演:森山未來、サマル・イェスリャーモワ、マディ・メナイダロフ、ドゥリガ・アクモルダ

配給:エイベックス・ピクチャーズ 
配給協力・宣伝:プレイタイム
©『オルジャスの白い馬』製作委員会

2020年1月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー

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