故黒澤明監督が残した未映像化の脚本が中国で映画化されることが2日までに明らかになった。

北京で開かれた記者会見で、華誼兄弟(フアイ・ブラザーズ・メディア)と映画会社・北京聯合工夫影業の両社により製作され、2020年に公開することがプロデューサーのWang Zhonglei氏とChen Kuo-Fu氏から発表された。

画像: 故 黒澤明監督

故 黒澤明監督

残された脚本とは「黒き死の仮面」。今作は『デルス・ウザーラ』の公開後、製作元のモス・フィルムから脚本をもう一本書いてほしいと依頼を受けた黒澤が、『赤ひげ』『影武者』『乱』でも組んだ井手雅人と共に執筆し完成させたもの。
黒澤監督が19世紀の『モルグ街の殺人』『アッシャー家の崩壊』『黒猫』などの幻想的な推理小説や恐怖小説で知られる米国の作家で詩人のエドガー・アラン・ポーによる短編『赤き死の仮面』を元に舞台を中世のロシアに移し、原作では架空の病気であった赤き死を、実際に中世のヨーロッパに蔓延した黒死病(ペスト)に置き換えた脚本で「幻の作品」として知られている。

黒澤は映画の中の舞踏会の部分の演出を、『サテリコン』『フェリーニのローマ』といった退廃的な美意識の境地に達していたイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督に頼み、本人も了承を得、前向きだったという逸話が残っているほどに進んでいた作品。(この二人が組んでいたら映画史に残る作品になったのであろうが--)
この企画が頓挫した理由としては、当時の政府の判断もあるのだろうが、やはり一番の問題はその製作費だったと言われている。

しかし、中国の判断では今作に対しては、商業的な成功はまだ未知数だが、黒澤明監督の遺産(脚本)に対する敬意の意味からも実現化すると発表した。また、まだ、監督は未定だが、若い監督を起用する考えだというー

This article is a sponsored article by
''.