映画『ラスト・タンゴ(原題: Un tango mas)』

『ミュージック・クバーナ』でそれぞれ製作総指揮と監督を務めたヴィム・ヴェンダースとヘルマン・クラルが再び組んだドキュメンタリ。

アルゼンチンタンゴを世界的に広めたダンスペア、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスの軌跡をタンゴの調べに乗せて表現する。
それぞれ14歳と17歳の時に出会い、その後50年近くにわたってペアを組んだマリアとフアン。何度も別れを繰り返しながらも必ずまた手を取り合ってきた2人だったが、やがてフアンはマリアの元を本当に去ってしまう。

現在80代になった2人が若きダンサーや振付師を聞き手に、2人の愛と葛藤の軌跡や互いへの思いを明かしていく。そしてその中でも特にドラマチックな場面を若きダンサーたちが美しいタンゴの振付で再現する。
『タンゴ・レッスン』のパブロ・ヴェロンらが共演。80歳を超えてなお光り輝く男女ペアの圧巻のダンスと複雑な心模様に引き付けられる。

いやぁ、カッコイイ、この2人。胸が熱くなったよ。2人のダンスの美しさや映像の美しさにウットリ…。特に印象的だったのは、街灯の下、雨上がりの石橋(?)歩道(?)で『雨に唄えば』に合わせて2人が踊るシーン(このポスター)の美しさといったらもう!!

ドキュメンタリではあるけれど、回想シーンは現役のダンサーが演じていたり、空撮があったりして楽しく作られているんだよね。その回想部分というか、2人のこれまでを振り返るドラマ部分がすごくいいね。
マリアはすごいね(ボクはこんな女はイヤだけれど…)。ネガティブな感情もむき出しに、嫉妬、怒り、孤独…もう洗いざらい出ててさ。強過ぎるでしょ!? そしてどんなに憎しみ合おうともダンスの相性は抜群というところがまた悔しいというか、悲しいというかね。それもアルゼンチンタンゴなんだろうね。
なんだかこういうドキュメンタリを観ていると“一瞬”“一瞬”が繋がって歴史(というと大袈裟??)になるんだなあとつくづく思い知らされる。今を大事に生きなきゃなあ。なんちって。ボクもタンゴ踊れるようになりたいゾ。名曲に彩られたダンスシーンの数々は本当に美しい。蒸し暑い夜にこそ、ロマンティックなアルゼンチンタンゴと圧巻のダンスパフォーマンスに酔いしれたい。

シネフィル編集部 あまぴぃ

画像: 映画「ラスト・タンゴ」予告編 youtu.be

映画「ラスト・タンゴ」予告編

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