カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した『桜桃の味』などでも知られるアッバス・キアロスタミ監督(Abbas KIAROSTAM)が、7月4日、亡くなられました。76歳でした。
病名は癌で治療先のパリで亡くなったという。
シネフィルでも、数日前アカデミー賞の会員に推薦されていることを報じたばかりだった。

日本とも、縁が深く小津安二郎に捧げた『5 five〜小津安二郎に捧げる〜(Five Dedicated to Azu)』などの監督作や、実際日本で撮影された『ライク・サムワン・イン・ラブ』などもある。

1973年には初の長編『Tadjrebeh』を製作した。
以後、「ジグザグ道三部作」と呼ばれる『友だちのうちはどこ?』(1987年)や『そして人生はつづく』(1992年)、『オリーブの林をぬけて』(1994年)といった作品を製作。現代イラン映画を代表する監督となる。1997年には『桜桃の味』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。1999年の『風が吹くまま』はヴェネツィア国際映画祭審査員賞特別大賞を受賞した。
2010年にはジュリエット・ビノシュを起用した『トスカーナの贋作』をフランスとイタリアで、2012年には『ライク・サムワン・イン・ラブ』を日本で製作した。
2016年7月4日、がん治療で訪れていたパリで逝去。76歳没。
(wikipedia)

画像: http://cinetri.jp/news/theend_cast/

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主な監督作品

1970年「パンと裏通り」
キアロスタミの初監督映画です。10分の短編で、小さな男の子が一塊のパンを抱えて家路に就くと腹を空かせた犬に遭遇してしまい、彼と彼のパンに危険が及ぶという物語になっています。

1974年「トラベラー」
イランの小さな町の困り者で不道徳な10歳の少年が、サッカーイラン代表の試合を見たいがために、友人や隣人を騙していくという物語です。

1987年「友だちのうちはどこ?」
間違えて友人のノートを持って帰ってきてしまった少年が、ノートを届けるために友達の家を探して歩き回るというストーリー。主演のババク・アハマッドプールはこの映画が初出演だったそうです。

1989年「ホームワーク」
子供たちがなぜ宿題をしないのかというテーマで、イランの教育制度とそれによる個性の喪失を表現したドキュメンタリーです。

1990年「クローズ・アップ」
自分を映画監督だと偽ってある家族を騙したという実際の詐欺事件を元に、事件の当事者を使ってそれを再現したセミ・ドキュメンタリー映画です。

1992年「そして人生はつづく」
“ジグザグ道3部作”の2作目。イラン北部を襲った大地震の後、「友だちのうちはどこ?」のロケ地コケールを訪れてその出演者たちを探すというストーリーです。

1994年「オリーブの林をぬけて」
映画作りの最中にひとりの青年が相手役の女の子に恋をし、告白しようと試みるというラブストーリーです。“ジグザグ道3部作”の3作目で、これも実際に撮影中に起きたことを元にしています。

カンヌ国際映画祭パルム・ドール『桜桃の味』予告

1997年「桜桃の味」
人生に絶望し自殺を決意した男が、ひとりの老人に出会ったことで生きることの本当を意味を知るという物語です。
第50回カンヌ国際映画祭において今村昌平監督の『うなぎ』と共に作品賞に相当するパルム・ドールを受賞した作品。

画像: Taste of cherry - Trailer - HQ youtu.be

Taste of cherry - Trailer - HQ

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『風が吹くまま』予告 ベネチア国際映画祭審査員大賞を受賞作

1999年「風が吹くまま」
珍しい儀式を行う葬式の取材のため、イラン北部の山村にやってきたテレビディレクターが、奇妙な日々を体験するというストーリーです。

画像: The Wind Will Carry Us - Trailer youtu.be

The Wind Will Carry Us - Trailer

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2001年「ABCアフリカ」
キアロスタミ監督が国連の依頼で製作したドキュメンタリーです。悲劇の中でも力強く生きるアフリカの子供たちや母親の姿を描いています。

2002年「10話」
疾走する車の中で繰り広げられる、女性ドライバーと同乗者の会話だけで綴られるヒューマンドラマです。キアロスタミ初の女性視点の映画です。

2003年「5 five ~小津安二郎に捧げる~」
小津安二郎を敬愛するキアロスタミが、小津作品への尊敬と愛を独自のスタイルでくみ上げた作品。わずが5カットしかないことからこのタイトルが付けられました。

2005年「明日へのチケット」
ローマへ向かう特急列車に乗り合わせた人々の交流をケン・ローチ、エルマンノ・オルミ、キアロスタミの3人が描いたオムニバス作品です。

2007年「それぞれのシネマ」
カンヌ国際映画祭の60回目を記念して製作されたオムニバス作品。世界の名匠たちが「あなたにとって映画館とは」をテーマに3分間の短編映画を撮影しました。

代表作のひとつジュリエット・ビノシュが主演の『トスカーナの贋作』予告

2010年「トスカーナの贋作」
ひょんなことから偽の夫婦を演じることになった男女の虚実混交の恋愛模様を描いた作品。主演のジュリエット・ビノシュはこの作品でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞しました。

画像: 映画『トスカーナの贋作』予告編 youtu.be

映画『トスカーナの贋作』予告編

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日本で撮影された『ライク・サムワン・イン・ラブ』予告

2012年「ライク・サムワン・イン・ラブ」
キアロスタミが日本を舞台に日本人スタッフとキャストで製作した映画です。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、大きな話題を呼びました。
84歳、かりそめの恋を夢みた 友だちのうちはどこ?
キアロスタミが日本で見出した、もうひとつの愛 

画像: 映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』予告編 youtu.be

映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』予告編

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2010年来日時の「トスカーナの贋作」東京フィルメックスでのQ&A

画像: 11/23「トスカーナの贋作」QA Abbas Kiarostami youtu.be

11/23「トスカーナの贋作」QA Abbas Kiarostami

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参照元

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