英国が誇る豪華俳優陣が大集結!
巨匠J・G・バラードの名作SF小説を完全映画化

SF界の巨匠J・G・バラードの名作「ハイ-ライズ」が、近年、イギリス内外で評価を高めているベン・ウィートリー監督によって、映像化されることになった。
本作は97年にデヴィッド・クローネンバーグ監督によって映画化された「クラッシュ」、「コンクリート・アイランド」に連なる“テクノロジー三部作”の中の一作で、上層階に行くにつれ住民が富裕層になっていく40階建ての高層マンションで巻き起こる、現代社会におけるヒエラルキーの崩壊を描いている。

画像1: © RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

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キャストには、マーベル映画『アベンジャーズ』『マイティ・ソー』シリーズのロキ役で大ブレイクしたトム・ヒドルストンが主演を務める他、『ホビット』シリーズや『ワイルド・スピード EURO MISSION』で人気を博すルーク・エヴァンス、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のジェレミー・アイアンズ、『アメリカン・スナイパー』のシエナ・ミラーなど英国を代表する人気スターが揃い、退廃的で官能的、ミステリアスで不条理、そして、どうしようもなく美しく上質なドラマに仕上がった。

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© RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

原作者 J・G・バラード(1930-2009)とは---

イギリスを代表するSFニューウェーブ・ムーブメントの中心的存在で、20世紀で最も重要な作家の一人である。
幼少時代を中国・上海で過ごし、青年期はイギリス・シェパートンで医学を学んだ後、作家としてのキャリアをスタートさせた。彼の作品特有の、性欲・疎外感・テクノロジーのディストピア的ミックスにより、すぐにバラードはポストモダニズム文学の重要人物となった。主な作品は「沈んだ世界」(62)、「結晶世界」(66)、「残虐行為展覧会」(70)、「クラッシュ」(70)、「コンクリート・アイランド」(74)、「ハイ‐ライズ」(75)、「太陽の帝国」(84)、「コカイン・ナイト」(96)、「スーパー・カンヌ」(00)。バラード作品の文学的特殊性は“バラーディアン”という形容詞がコリンズ英語辞書に定義されるほどであり、意味は、“J・G・バラードの小説や物語で描写される状況に似ている、あるいはそれを連想させる。特に、技術的、社会的、あるいは環境開発のディストピア的近代性、荒んだ人工的な風景、そして心理的効果”とされる。
バラードの半自伝的な小説「太陽の帝国」は、1984年にクリスチャン・ベール主演でスティーヴン・スピルバーグ監督により映画化されている。物議をかもした作品「クラッシュ」(96)は監督デヴィッド・クローネンバーグ、製作ジェレミー・トーマス、そしてジェームズ・スペイダーとホリー・ハンターの共演で映画化され、1996年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され審査員特別賞を受賞した。

画像3: © RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

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コメント

■監督から ― ベン・ウィートリー

本作『ハイ・ライズ』は、1975年に書かれたJ・G・バラードによるモダンクラシック小説の敬意に満ちた解釈で、私のこれまでの映画制作の中で最高の作品です。私は『Down Terrace』(09)と『キル・リスト』(11)における感情の高まりと、『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』(12)のコメディー要素、そして『A Field in England』(13)のパターンを融合させようと試みました。大胆な滑稽さと爽快な衝撃を皆さんに提供できればと思っています。
非常に幅広い演技を見せてくれた全てのキャストに感謝します。特に、ロバート・ラングに気品と知性、感情の脆さをもたらすために、洋服を含めた全てを諦めてくれたトム・ヒドルストンに。そのおかげで、私は“バラーディアン”調を取り入れることに挑戦できたのです。

ベン・ウィートリー(監督)
1972年、エセックスのビレリッケイに生まれる。北ロンドンのハバーストック・スクールに通い、そこで脚本家のエイミー・ジャンプと出会った。初めは短編映画の監督やアニメーターとして、ウィートリーはインターネット上でカルトファンを獲得していった。チャンネル4で放映されたTVシリーズ「Modern Toss」(08)の実写セクションの監督を務めたほか、BBCのTVシリーズ「Time Trumpet」(06)、「Shuffle」(07)、「The Wrong Door」(08)、「Ideal」(09)なども手掛けた。2009年、長編デビュー作である『Down Terrace』をホームタウンであるブライトンにて8日間で撮影し、同作はファンタスティック・フェストとレインダンス映画祭でそれぞれ賞を獲得した。2011年にはスリラー映画『キル・リスト』を公開。4作品にわたって共に脚本や編集を手掛けることとなるエイミー・ジャンプとの映画製作の第一作目であり、富川国際ファンタスティック映画祭、エンパイア賞、英国インディペンデント映画賞でそれぞれ受賞。長編3作目となった『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』(12)ではキャストにアリス・ロウとスティーヴ・オーラム、脚本にエイミー・ジャンプを迎えた。2012年のカンヌ国際映画祭・監督週間に出品され、イブニング・スタンダード英国映画賞ではベスト・コメディー賞を受賞。次作のサイケデリック史劇スリラー『A Field in England』(13)は12日間でモノクロ撮影を敢行。イギリスで初めて映画館・VOD・DVD・地上デジタル同時リリースという革命的な配給戦略を取った作品となった。同作はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。ウィートリーはまた、2013年のフィルム4・フライトフェスト・ヴァラエティ賞を獲得。2014年、自身が子どもの頃からファンだったTVシリーズ「ドクター・フー」のシーズン8、1~2話を担当。待機作に、初のアメリカ映画『Freakshift』、HBOによるSFのTVシリーズ「Silk Road」がある。現在は、マーティン・スコセッシ製作総指揮の『Free Fire』や、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの名作『恐怖の報酬』(53)のリメイクなどの製作に取り組んでいる。

■脚本家から ― エイミー・ジャンプ

70年代後半のロンドンに生まれ育ったことについて考えるとき、私は不安しか思い出せません。瓦礫と錆びた鉄とくだらない物だらけのストリート。パブから、車から、階段から、誰かのベッドから溢れ出てくる、酔って叫ぶ親たち。大人たちの乱雑な楽しみを眺め、どこで全てが終わるのかと不思議に思っていました。バラードの哲学や、形式的な意図のより良い理解者はたくさんいますが、私は、あの建物の中で道に迷うということがどういうことなのかを知っています。消滅した暖房のダクトに反響するこだまのいくつかは私のものです。
もちろん本作はJ・G・バラードにより創られた物語です。したがって、短期間ですがそこに住む機会を与えてくれたバラード氏、ご家族、そしてトーマス氏にささやかな謝辞を述べたいです。

エイミー・ジャンプ(脚本)
『キル・リスト』(11)、 『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』(12)、『A Field in England』(13)など独特の英国スリラーであるベン・ウィートリー監督作を手掛け、3作品とも共同で編集も務めている。『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』では英国インディペンデント映画賞の脚本賞を受賞したほか、多くの映画祭でノミネートを果たす。ピーター・ストリックランド監督作『The Duke of Burgundy』(14)では製作総指揮を務めており、ベン・ウィートリーの最新作『Freakshift』では脚本を、同じくウィートリーの新作『Free Fire』(16)では共同脚本・共同編集を務めている。

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そして、製作は、あの”戦メリ”や『ラスト・エンペラー』『裸のランチ』など世界の名監督と作品を生み続けてきたジェレミー・トーマス

ジェレミー・トーマス(製作)
17歳で映画業界のキャリアをスタートさせ、ケン・ローチをはじめとする著名な映画監督らと編集助手として仕事をともにする。1974年、フィリップ・モーラ監督の『デニス・ホッパーのマッド・ドッグ・モーガン/賞金首』(76)で初めて製作を務めた後、レコーデッド・ピクチャー・カンパニーを創設。以来、イエジー・スコリモフスキ監督作『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(78)、ニコラス・ローグ監督作『ザ・ジェラシー』(79)、大島渚監督作『戦場のメリークリスマス』(83)など、多くの際立った映画を製作している。1986年、『ラストエンペラー』(87)ではベルナルド・ベルトルッチ監督と仕事をし、同作はアカデミー賞®で作品賞を含む9部門で受賞を果たした。その後もトーマスはインディペンデント映画のプロデューサーとして、デヴィッド・クローネンバーグ監督作『裸のランチ』(91)、『クラッシュ』(96)、『危険なメソッド』(11)、北野武監督作『BROTHER』(00)、ジョナサン・グレイザー監督作『セクシー・ビースト』(00)、デヴィッド・マッケンジー監督作『猟人日記』(03)、リチャード・リンクレイター監督作『ファーストフード・ネイション』(06)、三池崇史監督作『十三人の刺客』(10)、オスカーノミネートも果たしたヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリ監督作『コン・ティキ』(12)、ジム・ジャームッシュ監督作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)、マッテオ・ガローネ監督作『Tale of Tales』(15)など多様な作品を生み出してきた。他にも、スティーヴン・フリアーズ、イエジー・スコリモフスキ、フィリップ・ノイス、ヴィム・ヴェンダース、テリー・ギリアムなど名だたる監督たちと実績を残している。1993年から1997年までは英国映画協会の会長を務め、2000年に名誉会員となった。また、東京国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭、ベルリン国際映画祭、カンヌ映画祭において審査員長を務めており、映画をひたすら愛している。

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■ロケーション

『ハイ・ライズ』は70年代のロンドンを思わせる海辺の都市・バンガーのある北アイルランドのベルファストで撮影された。そのエリアには、ロンドンにはない雰囲気があった。
映画にとってカギとなったロケーションは、1970年にヒューゴ・シンプソンによりデザインされたバンガー・レジャーセンターだった。そのブルータリズム様式の建物は、スイミングプールやスカッシュコートなど、まさに『ハイ・ライズ』の時代に適応した空間を与えてくれるものだった。美術のマーク・ティルデスリーの作った、ラングやシャーロット、ワイルダー、タルボット、スティールら居住者のフラットのセットはここだった。マンションの通路やバルコニーもここで作られ、この建物は作品のベースを形作った。
ベルファスト・クエイのオールド・ステナ・ターミナルのおかげでティルデスリーのデザインはスケールを増し、ロイヤルの印象的なペントハウスや、20世紀のフランスの建築家、ル・コルビュジエの作品に着想を得たHigh-Riseの広大なロビーが作られた。
ロイヤルのペントハウスの屋上庭園は、1980年にウォード・ファミリーによりデザインされたバンガー城のウォールド・ガーデンで撮影された。
その他のロケーションは、ラングの哲学の学校となったクイーンズ大学のアシュビー・ビルや、ヘレン・ワイルダーが誘拐された階段となったキルルート・ビジネス・パークなどがある。

画像: https://www.facebook.com/HighRise.jp/

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解禁された日本版予告!

画像: 映画『ハイ・ライズ』(8/6公開)日本オリジナル予告編 youtu.be

映画『ハイ・ライズ』(8/6公開)日本オリジナル予告編

youtu.be

■ストーリー

ゴージャスなタワーマンションを舞台に繰り広げられる、セレブたちのカオティックなマウンティング戦争。
高名な建築家ロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)によって設計された高層マンション群“ハイ・ライズ”は、ロンドンからほど近い通勤圏内にありながら、喧騒から切り離された別世界。各戸はラグジュアリーな内装と抜群の眺望を誇り、敷地内にはスーパーマーケット、プール、医療施設、小学校、レストランなど、ありとあらゆる設備が整っている。

理想のライフスタイルを求めて、この場所に越してきた医師のラング(トム・ヒドルストン)は、毎晩のように隣人たちが開く派手なパーティに招かれて新生活を謳歌していた。ある日、ラングは低層階に住むワイルダー(ルーク・エヴァンス)から、フロアの間に階級が存在し、互いに牽制しあっている事実を知らされる。それは当初、小さな亀裂にすぎなかったが、ある晩起きた停電を境に住民たちの問題は顕在化し、マンションは突如として内部から崩壊を始める。

画像6: © RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

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<キャスト>
トム・ヒドルストン、ルーク・エヴァンス、ジェレミー・アイアンズ、シエナ・ミラー
エリザベス・モス、ジェームズ・ピュアフォイ、キーリー・ホーズ
  ピーター・フェルディナン、シエナ・ギルロイ、リース・シアースミス
エンゾ・シレンティ、オーガスタス・プリュー、ダン・スキナー
ステイシー・マーティン、トニー・ウェイ、レイラ・ミマック

画像: 解禁された日本版予告!

<スタッフ>
監督 ベン・ウィートリー
脚本 エイミー・ジャンプ
原作 J.G.バラード
製作 ジェレミー・トーマス
共同プロデューサー ニック・オハガン
          アレイネ・ケント
製作総指揮 ピーター・ワトソン
ソーステン・シューマッハ
リジー・フランケ
サム・ラベンダー
アンナ・ヒッグス
ガブリエラ・マルティネリ
クリストファー・サイモン
ジュヌヴィエーヴ・ルマル
撮影 ローリー・ローズ
美術 マーク・ティルデスリー
編集 エイミー・ジャンプ、ベン・ウィートリー
音楽 クリント・マンセル
衣装 オディール・ディックス=ミロー
ヘアメイク ワカナ・ヨシハラ
音響 マーティン・パーヴェイ
キャスティング ニナ・ゴールド、テオ・パーク

8月6日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開

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