『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』(7月23日、Bnkamuraル・シネマ他、全国ロードショー)は、フラメンコに革命を起こし、その超絶的な速弾きと類まれなるテクニックで、ジャンルを超えて世界中の音楽ファンを魅了し続けた偉大なるギタリスト、パコ・デ・ルシアのドキュメンタリーです。

7歳でギターを手にしてから最後のアルバムとなった“Canción Andaluza”まで、60年間の軌跡を辿る。わずか12歳でプロのフラメンコ・ギタリストとしてデビューしたパコ。
その才能はフラメンコにとどまらず、ジャズ/フュージョンへと活躍の場を広げ、1979年、アル・ディ・メオラ(※)、ジョン・マクラフリンとの3人でアコースティック・ギターのみで敢行したツアーから、続く81年に発表したアルバムによって、スーパー・ギター・トリオの愛称で親しまれ、世界中で人気を博すまでとなる。世界を舞台に挑戦し続けたパコの“音楽探求“の旅は、フラメンコを伝統芸術から世界的なものへと変貌させていく―。
※一時期ラリー・コリエルに交替したが、後にディ・メオラが復帰

息子である監督が映し出す、天才の知られざる素顔

本作は、パコの実子クーロ・サンチェス監督が、演奏家としての父親の、強靭なエネルギーと果敢なプロジェクトの軌跡を追った、渾身のドキュメンタリー作品である。
主要なコメント収録は2010~2014年に行われ、冒頭および終幕の場面は、マジョルカ島のパコの自宅で撮影された。孤独を好み、自他ともに認める完璧主義者だったギタリストの、ストイックなまでの楽屋の表情や、張りつめたリハーサルシーンは、限られた身内にしか立ち入れない領域に違いない。監督と共同脚本を務めたカシルダ・サンチェス、プロデューサーのルシア・サンチェス・バレラもまた、パコの娘たち。家族写真がふんだんにちりばめられている点も、この作品の魅力のひとつ。これまで誰にも見せたことがなかった、パコの芸術と向き合う姿勢や音楽に対する深遠な哲学、孤独を重んじる人生観が、余すところなく映し出されている。

心躍る演奏シーンと音楽界のレジェンドたちの貴重なインタビューの数々

国内外で集められた歴史的映像の数々、挿入されるライヴ・シーンもあまりに貴重だ。
少年時代のテレビ出演をはじめ、若き日の驚愕テクニックによるソロ、パコの魂を揺さぶったカマロンとのデュオ、大ヒット「二筋の川」を紹介するテレビ番組の意外な場面、スーパー・ギター・トリオの公演、パコ・セクステット時代、最晩年のステージ・シーンまで……。
加えて、有名な証言者たちの登場も見逃せない。カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン、チック・コリアのほか、スペイン語圏ポップスのスーパースターであるアレハンドロ・サンス、サルサの大御所でラテンアメリカの英雄ルベン・ブラデス。フラメンコギターの先達サビーカスに、リカルド・モドレーゴ。実兄ペペ・デ・ルシア、セクステット時代のメンバー、ホルヘ・パルド(フルート&サックス奏者)と、カルレス・ベナベン(ベーシスト)。最後のツアーメンバーだったポティ・トルヒージョ(カホン奏者)に、舞踊手ファルー。ラスト録音にも参加した、フラメンコの歌姫エストレージャ・モレンテ、等々。独白とレジェンドたちの証言、パコの音楽が巧みにからみ合い、あたかも壮大な組曲のように構成されている。

世界を股にかけたスーパー・ギタリストの、頑ななまでの完璧主義ぶりと狂気に近い音楽探究への執念、その生き様に刻まれた栄光と挫折。音楽界のレジェンドたちのインタビューと、その圧倒的なテクニックによって生み出される、官能的で華麗なる旋律が奏でる名演奏シーンに心躍る、至福の音楽体験!

特別映像解禁

画像: 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』スペシャル映像 youtu.be

『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』スペシャル映像

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パコの実の息子クーロ・サンチェス(本作の監督、32歳)にインタビューしました。
偉大な父を撮った心情が明らかになりました。


クーロ・サンチェス監督 インタビュー

Qギタリスト パコではなく、父パコはどのようなひとでしたか。

Aヒッピーのように、自由にさせてくれる。哲学を持った人だった。

Q家庭では、どのような存在でしたか。

A毎年夏にメキシコ南部に行っていました。そこにはジャングルもあり。もっといっしょにすごしたかったですが。つねに人をひきつけるカリスマがありました。

Q妻(監督にとっての母親)や子供にどのように接していましたか。

A優しかった。1年に2か月くらいしか、家にいませんが。威張ってなくて、幼少期は楽しく過ごした記憶があります。

Q監督はギターは弾いていないとのこと、音楽活動、楽器はやりますか?もし音楽とは無縁としたらその理由は?

Aギターは5歳で辞めました。

Qパコから最も影響を受けたことはどのような点ですか。

A仕事への敬意をもつこと。芸術家として生きていくなら、お金でなく芸術への熱意のために取り組みなさい、と。

Q急逝してしまい、パコに聞けなかったことはありますか。

A晩年、成熟した姿を撮りたかった。メキシコで録音したり、とか。夢を語ってほしかった。

Qこの映画で一番好きなシーンは?

Aぺぺとアメリカにいくシーン。14-16歳、アーティストとしてはじめて、見知らぬ土地にいき、キャリアを築いていく時期。

Q監督の一番好きなパコの楽曲は?

A「ティオ・サバス」、サビーカスに捧げた曲です。

Q監督は、こんごもし子供ができたら、パコのことをどのように伝えたいですか?

A自由であること、表現するために。子供のキャリアを、子供が自由に選ぶことをさせる。

Q これだけは伝えたかったことは?

A 彼の孤独です。クリエイトにおける緊張を表現したかった。貧しいミュージシャンが貧困に打ち勝っていくまでの姿を描きたかった。
それから、彼の人間としての魅力、彼のユーモア精神を知ってもらいなと思っていました。

プロフィール:パコ・デ・ルシア
1947年12月21日、スペインのアンダルシア地方の町アルヘシーラスで生まれる。幼いころから父と兄ラモンからギターを教わる。13歳の時、兄とともにホセ・グレコ舞踏団に加わり、北米・中南米を巡演。そこで数多くのギタリストと出会う。1967年、19歳で初のソロアルバム「天才」をレコーディング。72年3月初来日。翌年録音された「二筋の川」の大ヒットで国際的な名声を得る。1977年、フラメンコ分野で活躍していたパコに転機が訪れる。チック・コリア、カルロス・サンタナなどジャズ・ミュージシャンとも共演。1979年、アル・ディ・メオラ(※一時期ラリー・コリエルに交替したが、後にディ・メオラが復帰。)、ジョン・マクラフリンとの3人でアコースティック・ギターのみで敢行したツアー、続く81年に発表したアルバムによって、スーパー・ギター・トリオの愛称で親しまれ、その知名度を確固たるものとした。
2014年2月26日、滞在先のメキシコで心臓発作により急死。

画像: 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』TRAILER youtu.be

『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』TRAILER

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監督:クーロ・サンチェス 
出演:パコ・デ・ルシア、チック・コリア、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン
原題:PACO DE LUCIA A JOURNEY / 2014年 / スペイン映画 / 90分 / ビスタ / カラー&モノクロ / DCP / 5.1chサラウンド /
日本語字幕:原田りえ /
配給:RESPECT(レスぺ)/
宣伝協力:Lem /
後援:スペイン大使館 / セルバンテス文館センター東京/ 一般社団法人 日本フラメンコ協会/ 公益財団法人 日本スペイン協会  2015年 
© Ziggurat Film

7月23日、Bunkamuraル・シネマ他、全国ロードショー!

付録 アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンとの3人の競演映像

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