リリーのすべて

まず、公開中の「リリーのすべて」。日本プレミアには主演のエディ・レッドメインが来日したのも話題になりましたね。レッドメインは昨年の「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士を演じアカデミー賞主演男優賞を受賞し、今年は「リリーのすべて」でも主演男優賞にノミネートされていました。

画像: 『リリーのすべて』本予告90秒 youtu.be

『リリーのすべて』本予告90秒

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他にも本作は、助演女優賞・衣装賞・美術賞にもノミネートされ、人気急上昇中のスゥーデン人女優アリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞を受賞しています。日本未公開ながら、アカデミー賞では視覚効果賞を獲得し評価の高いSF「エクス マキナ」にも主演し、「コードネーム アンクル」で日本でもファンが増ている、期待の女優さんです。

  監督は「英国王のスピーチ」「レ・ミゼラブル」を手掛けたトム・フーパー実在した人物をモデルに書かれた小説の映画化です。時代と地域的にもトランスジェンダーの人々が生きにくい状況のなかで、男性の体を持ちながら女性のアイデンティティーを持ったリリーが、妻のゲルダの協力を得て、当時まだ方法も確立していなかった性別適合手術を、世界で初めて受けた、という事実を、リリーとゲルダ、それぞれの人生と愛情の挑戦というかたちで映画に移し替えています。
 
 実に繊細な演技で、内に秘めたリリーの存在が日増しに大きくなることに悩むアイナーと、女性としての人生を始めたリリーの喜びを演じたレッドメインも素晴らしいと思います。アイナーを愛し、苦悩しながらリリーも愛そうとするゲルダの、大きく育って行く愛の表現を、細やかにそして大胆に演じたヴィキャンデルは女優賞にふさわしい名演だと思いました。

 1920年代のコペンハーゲンやパリ、ドレスデンなどを再現した美術や、アイナーの中からリリーを開放するきっかけになるドレスを始めとする20年代ファッションを再現するとともに役柄やその変化を表した衣装も、素晴らしいものです。そして、このような視覚的な美しさや、場所の空気感、登場人物たちの心情を表現する撮影や照明も見事なものだったと付け加えておきましょう。
 
『リリーのすべて』はムービックス埼玉、東宝シネマズ新宿など各シネマコンプレックス等で公開中です。

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