京都文化博物館フィルムシアター、食べる映画特集。
11月22日は『お茶漬の味』(1952)が上映。
戦中に小津・野田コンビで書かれ検閲で却下された台本の改稿版。
時世にあわせて、パチンコ、競輪、トンカツ、ラーメン、タバコといった風俗描写を盛り込む。信州の田舎育ちの愚直なサラリーマンと東京の山の手育ちの社交的な才女の中年夫妻。
黙々と会社通いする夫、そんな夫を愚図扱いして憚らない妻。
日常に夫婦の信頼感、絆を感じることもない。
そんな日常の麻痺した人間関係とその底流に流れる夫婦の絆を優しい視線でユーモラスに描く。


※上映フィルムに約20分の欠損があります。
‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

画像: 京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive
京都文化博物館フィルムシアター、食べる映画特集。


11月19日と22日は『お茶漬の味』(1952)が上映されました。
戦中に小津・野田コンビで書かれ検閲で却下された台本の改稿版。
時世にあわせて、パチンコ、競輪、トンカツ、ラーメン、タバコといった風俗描写を盛り込む。信州の田舎育ちの愚直なサラリーマンと東京の山の手育ちの社交的な才女の中年夫妻。
黙々と会社通いする夫、そんな夫を愚図扱いして憚らない妻。
日常に夫婦の信頼感、絆を感じることもない。そんな日常の麻痺した人間関係とその底流に流れる夫婦の絆を優しい視線でユーモラスに描く。


※上映フィルムに約20分の欠損があります。
‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『お茶漬の味』
1952(昭和27)年松竹大船作品/96分・モノクロ
製作:山本武 脚本:野田高梧、小津安二郎 監督:小津安二郎 撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄


 録音:妹尾芳三郎 照明:高下逸男 現像:林龍次 編集:浜村義康 音楽:斎藤一郎


出演:佐分利信(佐竹茂吉)、木暮実千代(妻・妙子)、鶴田浩二(岡田登)、笠智衆(平山定郎)、淡島千景(雨宮アヤ)、津島恵子(山内節子)、三宅邦子(山内千鶴)、柳永二郎(山内直亮)、十朱久雄(雨宮東一郎)、望月優子(平山しげ)、設楽幸嗣(山内幸二)、

小園蓉子(女中・ふみ)、志賀直津子(西銀座の女)、石川欣一(大川社長/特別出演)、上原葉子(黒田高子/同)、美山悦子(女店員)、日夏紀子(同)、北原三枝(女給)、山本多美(女中・よね)、山田英子(給仕)、谷崎純(爺や)、長谷部朋香(見合いの相手)、藤丘昇一(事務員)、長尾敏之助(社長秘書)


山の手育ちの有閑マダム・妙子は、信州で育った夫・茂吉とは生活態度や趣味が合わない。鬱憤ばらしに妙子が友人と小旅行に出かけている間に急な海外出張が決まった茂吉は、そのまま出発した。夫のいない家に戻った妙子は、初めて虚しい思いを味わう。その夜おそく、茂吉が飛行機の故障で戻ってきた。自分の身勝手さを痛感した妙子はこれまでの身勝手さを泣きながら詫びた。そんな妻に夫は、夫婦というのはお茶漬みたいなものだと語るのだった・・・。


本作は従軍していた小津安二郎が除隊した後に野田高梧とともに書き上げたもので、戦中の検閲では却下された本を元にしている。
今回の映画化にあたって小津と野田は時世にあわせて設定を変更、パチンコ、競輪、トンカツ、ラーメン、タバコの朝日といった庶民的な風俗描写に加え、戦中版では夫との突然の離反の原因は戦地への応召という設定であったが、作品版では海外出張という設定に変更された。


信州の田舎育ちの愚直なサラリーマンと東京の山の手育ちの社交的な才女の中年夫妻。黙々と会社と家を行き来する夫と、そんな夫を愚図扱いして憚らない妻、毎日同じように流れる日常に夫婦の信頼感、絆を感じることもない。
そんなどこにでもありそうな中年夫妻の日常という、麻痺した人間関係とその底流に流れる夫婦の絆を小津監督独特の優しい視線でユーモラスに描く。
高子役で特別出演している上原葉子(小桜葉子)は上原謙の妻で、加山雄三の母にあたる女優である。


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