『ヘヴンズ ストーリー』公開5周年記念&
新作『菊とギロチン』始動記念 特集上映決定!
「アナーキーじゃぱん史あるいはアナーキーな純情?
-瀬々敬久監督1982-2001特集-」

かつては「ピンク四天王」と呼ばれ、ある時はTV局製作の大作を撮ったり。
そして『ヘヴンズ ストーリー』という壮大な自主映画ではベルリン映画祭2冠。
2016年は、東宝配給の前後編メジャー大作「64 ロクヨン」の公開も来年に控える。
瀬々敬久監督の特集上映が開催される。

今回の特集上映では、瀬々敬久のオモテ映画史ではわからないその作品群に迫り、ピンク映画時代も、それでしか持ち得ないアナーキーな視点で“じゃぱん”を描いた瀬々監督。
また、今回を逃すといつまた見られるか判らない、まさに貴重な、京都大学時代の8mm作品『少年版私募情 国東 京都 日田』(82)が上映されるのも話題。日記映画の傑作であり、めったに上映できない伝説の8mm映画。その他35mmニュープリントで上映する傑作含め、より本質に迫るため制作時の原題で上映。

新作『菊とギロチン』は、大正時代末期が舞台。関東大震災後の混沌の中、様々な大衆文化が花開くと同時に軍事国家への道をひた走る日本で、当時農村を中心に活況を呈していた「女相撲」の力士たちと、格差のない理想世界を夢見る若きアナーキストたちの出会いを軸に、庶民たちの荒々しくも猥雑なパワーを、ロマンスあり、活劇あり、社会風刺ありで描く骨太エンターテインメント。
ナント三大陸映画祭はじめ国内映画賞も多数制した『サウダーヂ』で知られる空族の相澤虎之助が共同脚本に参加することも決まっている。

画像: 『ヘヴンズ ストーリー』公開5周年記念& 新作『菊とギロチン』始動記念 特集上映決定! 「アナーキーじゃぱん史あるいはアナーキーな純情? -瀬々敬久監督1982-2001特集-」

上映作品

●少年版私慕情 国東 京都 日田
◆12/12(土)19:30&12/15(火)19:40
1982|80分|8mm|マルチプロジェクト上映
22歳、京大時代の自主作品。映写機を複数使う上映形式で、知られざる日記映画の傑作とも。出奔した母のイメージを探すロード・ムービーでもある。フェリーの波頭に瀬々自らのぎこちないナレーションが重なるだけで詩情に泣ける。この頃から、瀬々の風景は特別だった。

●羽田へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている
(公開題:「課外授業 暴行」)
◆12/16(水)21:15
1989|63分|製作:国映|配給:新東宝映画|出演:中島小夜子、松永久仁彦、清野歴史
記念すべき商業映画初監督作。“羽田”という60-70年代に特別だった場所を舞台に、無国籍な人間模様を描く青春活劇。三人の不良高校生、ジョニー、レキシ、モモは在日韓国人のキンギョと彼と偽装結婚したじゃぱゆきのヤンと知り合い、ヤクザと対決する羽目になるが…。

●昭和群盗伝2 月の砂漠
(公開題:「破廉恥舌戯テクニック」)
◆12/18(金)19:30
1990|62分|製作:国映|配給:新東宝映画 出演:下元史朗、川奈忍、伊藤清美
初老の探偵が建設大臣から、かつてマラソンランナー円谷幸吉の再来と言われた男を捜すよう依頼される。その男は、ある女のヒモのような暮らしをしていたが…。3.11の20年も前に福島原発メルトダウン事故とその背後に隠された陰謀を描いた驚くべき映画。

●わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です
(公開題:「禁男の園 ザ・制服レズ」)
◆12/12(土)21:15&12/14(月)21:15&12/16(水)19:30
1992|61分|製作:国映|配給:新東宝映画 出演:岸加奈子、蒲田市子、林由美香
傑作と名高い本作が35mmニュープリントで登場!教師の由紀と関係のあった生徒・真理が消息を絶つ。彼女は爆弾魔の健と同棲していた。宮澤賢治にインスパイアされ、賢治の「春と修羅」と「東アジア反日武装戦線」の結合を夢想して作ったという。なんと切なく美しい!

●現代群盗伝
(公開題:「未亡人 喪服の悶え」)
◆12/18(金)21:15
1993|62分|製作:国映|配給:新東宝映画 出演:佐野和宏、石原ゆり、葉月蛍
瀬々版「河内山宗俊」!ゼネコン汚職と戦うエロ坊主!?明治時代に起きた民衆蜂起「秩父事件」の秩父困民党を現代のピンク映画に導入するという離れ技に驚かされる。秩父のロケーションの中に立ち上がる民衆の姿に泣ける。葉月蛍の愛らしさも見逃せない。

●迦楼羅の夢
(公開題:「高級ソープテクニック4 悶絶秘戯」)
◆12/15(火)21:15
1994|62分|製作:国映|配給:新東宝映画 出演:伊藤猛、栗原早記、下元史朗
郁夫は団地に住む美重子をレイプして服役し、出所後に彼女と瓜二つのソープ嬢に出会うが…。瀬々、井土、青山3人の共同脚本で、伊勢の斎宮をヒントにソープ嬢を考えるという神話的スケールで中上健次的な世界観を描こうとした。郁夫役の伊藤猛の狂気と再生の鮮烈。

●End of The World
(公開題:「すけべてんこもり」)
◆12/17(木)19:30
1995|65分|製作・配給:国映 出演:河名麻衣、川瀬陽太、泉由紀子
逃亡中の若い男女。女が里子に出した息子を取り返そうと島にやってくるが…。火山噴火前の三宅島でロケを敢行。溶岩で埋もれた大地が宇宙のごとき異世界。瀬々作品常連の川瀬陽太はこれで初出演。ラスト、キャメラに向かって問いかける川瀬の突き抜けた存在感が見事。

●雷魚 RAIGYO
(公開題:「黒い下着の女 雷魚」)
◆12/17(木)21:15
1997|75分|製作・配給:国映、新東宝映画 出演:佐倉萌、伊藤猛、鈴木卓爾
90年代におきた実際の事件がモチーフ。人妻の紀子は、テレクラで知り合った男を惨殺。警察に拘束されるが、ガソリンスタンドの店員・和昭の嘘の証言に助けられる。2人を結びつける悲しい過去とは…。水郷での撮影が素晴らしく、水辺の電話ボックスだけでも震える。

●汚れた女(マリア)
◆12/13(日)19:30
1998|79分|製作:国映|配給:新東宝映画 出演:吉野晶、諏訪太郎、工藤翔子
タクシー運転手の夫は行方不明になった妻を捜し、妻と同じ美容院で働く文子と雪深い温泉地へ。だが、実は文子は男の妻を殺し、死体をバラバラにし遺棄していた。本作も90年代にあった事件がモチーフだが、『雷魚』とは異なる「犯罪と日常」が21世紀を予兆させた。

●神様あんたただの役立たずじゃねえか
(公開題:アナーキー・イン じゃぱんすけ 見られてイク女)
◆12/13(日)21:15
1999|68分|製作・配給:国映、新東宝映画 出演:佐々木ユメカ、佐野和宏、佐藤幹雄
傷心のミヅキは見ず知らずの赤ん坊を誘拐。8年後、タツトシはミヅキに会い同棲するが、ミヅキは事故で命を落とす。10年後、成長したヨシキは自分が誘拐された子と知り、ある日狂言誘拐を企てる。81年、89年、99年という3話構成。アナーキーに転がる世紀末クロニクル。

●Tokyo×Erotica
◆12/14(月)19:30
2001|77分|製作・配給:国映、新東宝映画 出演:佐々木ユメカ、石川裕一、佐々木麻由子
90年代半ば、ケンジは毒ガステロで死亡。97年、その恋人ハルカは売春の相手に殺される。2002年、死んだケンジとハルカは再び出会い、新しい物語が始まる。地下鉄サリン、東電OL殺人などの事件を題材に、世紀末と新世紀を跳躍し遡り、再生を感じさせる重層的な作品。
*『少年版私慕情~』を除き、すべてR-18指定。

全国で、上映がまたスタートする『ヘヴンズストーリー』

映画『ヘヴンズ ストーリー』予告編

youtu.be

■『ヘヴンズ ストーリー』年末恒例アンコール上映@新宿・K’s cinema
上映館&期間:新宿ケイズシネマにて、2015年12月12日~12月18日

12/12(土)初日舞台挨拶:瀬々監督ほか豪華キャスト登壇
上映後ゲストを迎えての瀬々監督トークショー、各日のゲスト→○12/13(日)鍋島淳裕(『ヘヴンズ〜』撮影)*予定
○12/14(月)古賀重樹(日本経済新聞文化部編集委員)○12/15(火)赤松陽構造(映画タイトルデザイン)○12/16(水)ローランド・ドメーニグ(日本映画研究)○12/17(木)安川午朗(『ヘヴンズ〜』音楽)○12/18(金)山崎樹一郎(『新しき民』監督)

■『ヘヴンズ ストーリー』公開5周年&新作『菊とギロチン』始動記念
特集上映@新宿・K’s cinema
12/12~18
「アナーキーじゃぱん史あるいはアナーキーな純情?瀬々監督監督1982-2001」

連日19:30&21:15 *19:30の回は連日監督舞台挨拶有り。
主な上映作品:『少年版私募情 国東 京都 日田』(82)、『羽田へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』(89/公開題『課外授業暴行』)ほか
*作品ラインナップ&タイムテーブルは公式ブログ http://ameblo.jp/heavens-storyにて 

■『ヘヴンズ ストーリー』公開5周年&新作『菊とギロチン』始動記念『ヘヴンズ〜』全国上映ツアー

@京大西部講堂 11月29日(日)15:00 ゲスト: 山崎ハコ、瀬々監督 
@大阪・第七藝術劇場 2016年1月 ほか全国順次上映

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