師匠の山本晋也監督に、ともに所属する日本映画監督協会と、開催中の東京国際映画祭が共催するイベントで、ひさしぶりにお目にかかりました。

山本晋也監督は日本映画史の、その傍流ではあるけれども、そこに燦然と輝く喜劇王である、そう言えるでしょう。
人間ドラマとしてじっくり観せる正統的なコメディーも、破壊的でアナーキーなスラップスティック・コメディーも、いずれも得意とし、その非凡な喜劇センスを長年にわたって厖大な作品群の中で遺憾なく発揮してきました。

ギャグ漫画の大家の赤塚不二夫さんやその盟友のタモリさん、放送作家の高平哲郎さん、テレビの名演出家・久世光彦さんといった、人生における笑いや可笑しみに人一倍敏感で こだわるプロたちが心酔し 影響を受けたのも うなづけます。

かつて助監督についていたころ撮影現場で間近に拝見した、ご自分でも抑えきれないほどの、その才能のほとばしり、即興的なアイデアの噴出は、すさまじいものでした。
そのシャープな喜劇センスは、いまも充分通用するものです。いや、この時代、いまこそ必要とされていると言ってもいいでしょう。

山本晋也の新作が観たい! 長年のその想いを師匠に率直にぶつけてみたところ、映画づくりへの尽きぬご意欲のお気持ちを存分にお聞きすることができました。あと二、三年のうちには、晋也映画の新作を拝見するという、わくわくするようなときが訪れるかもしれませんね。

私たちの映画世代が山本晋也映画に熱狂するきっかけとなった、あの伝説の、旧・文芸坐(文芸地下)における大特集上映の際の名宣伝コピーをお借りして、この稿の〆めくくりとさせていただきます。
君は晋也を見たか!

旦 雄二 DAN Yuji
CMディレクターを経て映画監督
武蔵野美術大学卒
〇映画『少年』『友よ、また逢おう』
〇CM『出光』『DHC』『ラーメンアイス』『富士通』『NEC』『大阪ガス』『河合塾』『カレーアイス』『飯田のいい家』『sanaru 佐鳴学院』『タケダ 武田薬品』『ソルマック』『ミニストップ』
〇ドキュメンタリー『寺山修司は生きている』『烈 〜津軽三味線師・高橋竹山』
〇ゲーム『バーチャルカメラマン』『バーチャフォトスタジオ』
〇アイドル・プロジェクト『レモンエンジェル』
〇脚本『安藤組外伝 群狼の系譜』細野辰興監督版
など、ほか多数
〇城戸賞、ACC賞、HVC特別賞
〇日本映画監督協会 会員


(写真は 10月29日 TOHOシネマズ新宿にて)

This article is a sponsored article by
''.