カナレット (通称) 《ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸》 1730 年頃 油彩・キャンヴァス

2015/9/9(水)より12/7(月)まで、Bunkamura ザ・ミュージアムにおいて、「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」が開催されています。

ウィーン美術史美術館には、オーストリア・ハプスブルク家のコレクションに始まる、膨大な数の美術作品が所蔵されています。その優れたコレクションの中には、ヨーロッパ美術の歴史において最初に自立的な風景画を生みだすことになった、17世紀のオランダやフランドルの美術作品をはじめとして、ヨーロッパ各国の魅力的な風景画作品が、数多く含まれています。

本展では、ウィーン美術史美術館の所蔵する絵画作品のなかから、「風景」に焦点をあてて選んだ70点の作品により、「聖書」や「神話」の物語の舞台として描かれ、季節の営みや牧歌の主題などと結びつきながら、次第に独立したジャンルとして確立されていく、ヨーロッパにおける風景表現の歩みを、その誕生から展開に至るまで展観していきます。

展覧会の見どころ

その1. ウィーン美術史美術館が誇る質の高いコレクションが一堂に!

音楽の都ウィーンに19世紀末の都市改造計画の一環として、約20年の年月をかけて建設されたウィーン美術史美術館。その建設に際しては、金銭的・時間的制約は一切設けられず、 ルネサンスやバロックなどの様々な様式を織り交ぜた、まさに贅の限りを尽くした美の館が誕生しました。


ウィーン美術史美術館が誇る、600年にわたりウィーンに君臨したオーストリア・ハプスブルク家の栄光の歴史を反映する、数十万点におよぶ膨大なコレクションには、歴代の皇帝の趣味嗜好に基づき、鋭い審美眼によって選び抜かれた7,000点もの名画が含まれ、ドイツ、フランドル、オランダなどの北方絵画の傑作やイタリア・ルネサンスの珠玉の作品が一堂に会しています。


ハプスブルク家の豊かなコレクションのなかには、同家が統治していたネーデルラント地方の、15世紀後半から17世紀にかけての「風景画」の黎明期といえる作品も数多く含まれていました。また光と色彩の見事な調和の中で、自然と人間との親密な関係を謳い上げたヴェネツィア派の画家ティツィアーノやフェラーラ出身のドッソ・ドッシの秀作も必見です!

画像: ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《タンバリンを演奏する子ども》 1510-15 年頃 油彩・キャンヴァス

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《タンバリンを演奏する子ども》 1510-15 年頃 油彩・キャンヴァス

画像: ドッソ・ドッシ (通称) 《聖ヒエロニムス》 1517-19 年頃 油彩・キャンヴァス

ドッソ・ドッシ (通称) 《聖ヒエロニムス》 1517-19 年頃 油彩・キャンヴァス

その2. 個性豊かな作品で綴る「風景画の誕生」の物語!

聖なる物語の背景に登場する風景は次第に画面のなかで存在感を増し、様々な主題と結びついて展開していきます。風景を主役にしたユニークな視点により厳選された、「風景画」という概念を覆すような個性あふれる作品群をお楽しみいただけます。

15世紀末から16世紀にかけてネーデルラントで活躍した奇才の画家、ヒエロニムス・ボスの流れをくむ、奇想あふれる楽園図も登場します。

画像: ヒエロニムス・ボスの模倣者 《楽園図》 1540-50 年頃 油彩・板

ヒエロニムス・ボスの模倣者 《楽園図》 1540-50 年頃 油彩・板

アーチ状の開口部の前に立つ2人の人物。
聖なる出来事に背を向けて背景に広がる眺望を見渡す彼らは、私たちに「風景を見る」楽しさを教えてくれています。                           ⬇️

画像: 南ネーデルラントの画家 《東方三博士の礼拝》 1520 年頃 油彩・板

南ネーデルラントの画家 《東方三博士の礼拝》 1520 年頃 油彩・板

その3. カレンダー・ペインティングの間が登場!

会場には一年12ヶ月や季節の営みを描いた月暦画をぐるりと配したカレンダー・ペインティングの間が登場。風景の中を旅するように巡りながら、様々な時の流れをお楽しみいただけます。

画像: レアンドロ・バッサーノ (通称) 《5月》 1580-85 年頃 油彩・キャンヴァス

レアンドロ・バッサーノ (通称) 《5月》 1580-85 年頃 油彩・キャンヴァス

風景は17世紀になると聖書や神話の物語の舞台としてではなく、独立した主題として広まり、次第に専門分野へと分かれていきます。
そして17世紀半ばのオランダの画家たちは、身近な風景をそれぞれの感性によって、誇りを持って描き出しました。

画像: アールト・ファン・デル・ネール 《月明かりの下の船のある川の風景》 1665-70 年頃 油彩・キャンヴァス

アールト・ファン・デル・ネール 《月明かりの下の船のある川の風景》 1665-70 年頃 油彩・キャンヴァス

画像: アダム・ペイナーケル 《ティヴォリ付近の風景》 1648 年頃 油彩・板

アダム・ペイナーケル 《ティヴォリ付近の風景》 1648 年頃 油彩・板

旅の記念の風景画:ヴェドゥ―タ(都市景観図)

ヴェドゥ―タとは、都市の風景や建造物などを透視図法を用いて描きだした景観図。
カナレットは18世紀のヴェネツィアを代表する画家で、グランド・ツアーでイタリアを訪れたイギリスの上流階級の人々の間で、人気を博しました。

画像: カナレット (通称) 《ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸》 1730 年頃 油彩・キャンヴァス

カナレット (通称) 《ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸》 1730 年頃 油彩・キャンヴァス

ウィーン美術史美術館 Kunsthistorisches Museum

美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)は、オーストリア・ウィーンにある美術館です。美術史博物館(びじゅつしはくぶつかん)とも呼ばれます。古代から19世紀に至るヨーロッパ各地の美術品を収蔵しています。自然史博物館と対になる施設として建てられ、1891年に開館しました。

美術館はフランツ・ヨーゼフ1世の命により、1872年から建設が始まりました。建物はネオ・ルネサンス様式です。建物は主に3フロアから構成され、中間階(1階)に絵画が展示されています。
1階の下に位置する0.5階では、古代エジプト・古代ギリシア・古代ローマの彫刻等が展示され、上に位置する2階では貨幣コレクションが展示されるなど、博物館としての側面を持ち合わせています。-cinefil art review

齋藤繁一@シネフィル編集部

画像: ウィーン美術史美術館 外観

ウィーン美術史美術館 外観

画像: ウィーン美術史美術館 エントランス

ウィーン美術史美術館 エントランス

展覧会概要

・開催期間 2015/9/9(水)-12/7(月)
・開館時間 10:00-19:00(入館は18:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
・入館料

画像: 展覧会概要

◎団体は20名様以上。電話でのご予約をお願いいたします(申込み先:Bunkamura Tel. 03-3477-9413)
◎学生券をお求めの場合は、学生証のご提示をお願いいたします。(小学生は除く)
◎障害者手帳のご提示で割引料金あり。詳細は窓口でお尋ねください。

・会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
・主催 Bunkamura、TBS、読売新聞社


[企画協力] ウィーン美術史美術館
This exhibition is organized in collaboration with the Kunsthistorisches Museum Wien.
[特別協賛] キヤノン
[協賛] 花王
[特別協力] 大塚国際美術館
[協力] ルフトハンザ カーゴ AG、オーストリア航空、ヤマトロジスティクス
[後援] オーストリア大使館、オーストリア政府観光局、ウィーン在日代表部、J-WAVE 81.3FM
・お問合せ ハローダイヤル 03-5777-8600

・公式サイト
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien/index.html

「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」cinefilチケットプレゼント!

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」チケットプレゼント係宛てに、メイルでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、チケットをお送りいたします。
チケットは非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いしております。


☆応募先メイルアドレス  info@miramiru.tokyo
応募締め切りは2015年11月2日 月曜日

記載内容
☆1、氏名 
☆2、年齢
☆3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
☆4、ご連絡先メイルアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名(複数回答可)
6、読んでみたい執筆者(複数回答可)
7、連載で、面白いと思われるもの(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるもの(複数回答可)
9、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。

また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

This article is a sponsored article by
''.