京都文化博物館フィルムシアターで開催中の[脚本家・依田義賢の世界]。
9月27日は『わたしの名は情婦』(1949)が上映された。
実話に基づいて、依田義賢が脚本化。
戦前の旧体制下で、猛威をふるった言論統制、検閲が緩やかになった反動もあり、プライバシーを踏みにじっても、一般の低俗な好奇心を煽って雑誌を売ろうという輩が続出していた。

依田は、情婦という社会的に弱い立場の女が、社会の代表のようなマスコミに苛まれ、傷つきながらも、反省した一人の男性記者とのロマンスの中で癒される過程を描く。

‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

画像: (C)『わたしの名は情婦』(1949)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

(C)『わたしの名は情婦』(1949)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive-cinefil

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

京都文化博物館フィルムシアター、脚本家・依田義賢の世界。

京都文化博物館フィルムシアターで開催中の[脚本家・依田義賢の世界]。
9月27日は『わたしの名は情婦』(1949)が上映された。
実話に基づいて、依田義賢が脚本化。
戦前の旧体制下で、猛威をふるった言論統制、検閲が緩やかになった反動もあり、プライバシーを踏みにじっても、一般の低俗な好奇心を煽って雑誌を売ろうという輩が続出していた。


依田は、情婦という社会的に弱い立場の女が、社会の代表のようなマスコミに苛まれ、傷つきながらも、反省した一人の男性記者とのロマンスの中で癒される過程を描く。
‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/

『わたしの名は情婦』
1949(昭和24)年大映京都作品/87分・モノクロ
企画:辻久一 脚本:依田義賢 監督:森一生


『わたしの名は情婦』
1949(昭和24)年大映京都作品/87分・モノクロ
企画:辻久一 脚本:依田義賢 監督:森一生 撮影:石本秀雄 音楽:深井史郎 美術:中村能久


出演:水戸光子(安原妙子)、二本柳寛(中野広太)、菅井一郎(谷川実)、沢村貞子(妻・規子)、阿部九州男(桑木章二郎)、上田寛(玉村実)、南春恵(幸子)、
荒木忍(三村)、原聖四郎(大槻)、上代勇吉(熊谷)、岩田正(高田喜久男)、園御幸(後藤よし枝)、南部章三(平川)、寺島雄作(村上)、東良之助(安原為吉)、小林叶江(まき)、久原亥之典(為男)、小松みどり(増見富子)、常盤操子(下宿屋のおかみ))


麻薬強盗とは知らず高田を愛した妙子は、彼の逮捕とともにスキャンダルの渦中に放り込まれる。新聞記者の中野は、自分のスクープから妙子が身を落としていくことに責任を感じ、彼女を人里離れた実家へ連れていった。美しい自然と中野の優しさに、やすらぎを取り戻す妙子だが・・・。


本作は、当時実際にあった事件実話に基づいて依田義賢が脚本化する。終戦後の混乱期に“闇市”とともに、低俗な記事を中心とした“カストリ雑誌”(3合呑むと潰れる密造酒=カストリ酒が語源で、3号で廃刊する粗悪誌を指す)が広まった。

戦前の旧体制下で猛威をふるった言論統制、検閲が緩やかになった反動もあり、プライバシーを踏みにじっても、一般の低俗な好奇心を煽って雑誌を売ろうという輩が続出した。

本作で依田は、情婦という社会的に弱い立場の女が、社会の代表のようなマスコミに苛まれ、傷つきながらも、反省した一人の男性記者とのロマンスの中で癒される過程を描く。

監督は伊藤大輔監督に師事し、第一映画、新興キネマ、そして大映と時代劇を主に作ってきた森一生。
主演の水戸光子は、情婦=日陰者として世間に対する引け目と、自分の情夫が犯罪を犯したという社会的な罪悪感を背負い、マスコミと世間の好奇の眼に曝され、生きる場所を失う情婦という汚れ役を熱演し、演技派としての評価を確立した。

画像: 『わたしの名は情婦』 1949(昭和24)年大映京都作品/87分・モノクロ 企画:辻久一 脚本:依田義賢 監督:森一生

京都木屋町で生まれ、京都を拠点にして活躍し、140作品以上のシナリオを手がけた依田義賢(1909~1991)。
『浪華悲歌』以来、20年近くに渡って溝口健二作品の脚本を担当し、その全盛期を支えた。
「溝口あっての依田」とされる一方、「依田あっての溝口」とも評価される。

一方、伊藤大輔、内田吐夢、今井正ら、巨匠の作品から娯楽映画や左翼系映画にまで、幅広く最高品質の脚本を提供している。
今回の特集では、映像学会関西支部での、依田義賢回顧特集にあわせ、溝口以前からその後まで、幅広いジャンルで上質な脚本を練り上げた、依田義賢の実績をふりかえる。

フィルム上映スケジュール

9月27日(日)13:30~・17:00~
わたしの名は情婦
『わたしの名は情婦』
1949年大映京都作品(モノクロ・87分)/監督:森一生/
出演:水戸光子、二本柳寛、菅井一郎


9月29日(火)13:30~・18:30~
10月2日(金)13:30~・18:30~
おぼろ駕籠
『おぼろ駕篭』
1951年松竹太秦作品(モノクロ・95分)/監督:伊藤大輔/
出演:阪東妻三郎、田中絹代、山田五十鈴、佐田啓二


9月30日(水)13:30~・18:30~
10月3日(土)13:30~・17:00~
西鶴一代女
『西鶴一代女』
1952年新東宝=児井プロ作品(モノクロ・137分)/監督:溝口健二/
出演:田中絹代、山根寿子、三船敏郎


〒604-8183 京都市中京区三条高倉
TEL.075-222-0888 


京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive


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