19日公開!『過ぐる日のやまねこ』
2012年、23歳で撮った『くじらのまち』がPFFアワード2012グランプリ&ジェムストーン賞をW受賞。その後ベルリン、釜山など各国の映画祭で上映され、才能を世界に知らしめた鶴岡監督。
園子温監督や石井裕也監督など、日本を代表する映画作家を次々発掘してきた“PFFスカラップ”最新作『過ぐる日のやまねこ』で、いよいよ劇場での映画デビューを果たしました。
そして、こんなエピソードも---監督のふるさと長野県上田の歴史ある映画館で4年ぶりに新作として上映にまつわるお話だ---。
最近も「青天の霹靂(へきれき)」が撮影されたが、浅草の演芸ホールの設定で使われたのが、大正6(1917)年創業の上田映劇だ。2階席のある威容を誇り、娯楽の殿堂として長く市民に愛されてきたが、平成23年4月を最後に映画のロードショー公開は行われていない。
「取り壊しの話もあったが、こういう建物は二度と造れませんからね」と館主の駒崎勉さん(56)。その後はイベントなどで維持してきたという。
この劇場で4年ぶりに新作が封切られる。「過ぐる日のやまねこ」は、ふらりと田舎町にやってきた時子(木下美咲)が高校生の陽平(泉澤祐希)と出会い、お互いの心の傷が少し癒やされていくという話で、緑あふれる上田の風景が詩情を彩る。19日から東京・渋谷のユーロスペースと同時に公開されるが、「喪失感からの希望を描いていて、上田映劇にぴったりだなと思う」と駒崎さんは話す。