第67回カンヌ映画祭グランプリを受賞した『夏をゆく人々』が8月22日より公開される事となった。
1981年生まれの弱冠32歳の新鋭女性監督のアリーチェ・ロルヴァケルの長篇2作目にして半自伝的作品である。
本作によって、卓越した才能が世界に高く評価され、一躍、新世代の映画監督として世界で注目されている。シネフィルとしては、要チェック!

画像: アリーチェ・ロルバケル監督 Photo:Taro Okamoto http://eiga.com/news/20150821/10/

アリーチェ・ロルバケル監督
Photo:Taro Okamoto

http://eiga.com/news/20150821/10/

ストーリー

みずみずしい光を緑に放つ、イタリア・トスカーナ地方の人里離れた土地で、昔ながらの製法で養蜂園を営む一家。ジェルソミーナは4人姉妹の長女で、気難しい父ウルフガングの独自の教育と、寵愛を受けてきた。深奥なるその地で、家族は蜂と自然のリズムのなかで生活を営んできたが、ある夏の終わり、ひとりの少年を預かり、テレビ番組「不思議の国」に出演することにより、その生活が湖面を揺るがすようにさざめいていく。それとともに、ゆるやかだった森での家族の生活に、少しずつ人の手が入りこんでいく―。

美しいトスカーナの自然を背景に描いたこの作品は、彼女自身の半生から、家族とは、愛とは、現代社会とは、を自答し、夢と現実を織り交ぜながら、少女の目線での一夏の経験として描いた秀作!
彼女曰く--

「田舎や小さな町を思い浮かべる時、大抵の人が“純粋”で、時間を超えた、決して変わることのない、だからこそ、使い道のある場所だと思うことについての困難さ。内側から(あるいは傍観者として)みると、実情は違っていて、“純粋さ”とは彼らが生きていくため、自らを閉じこめた監獄に過ぎないのです」と本作製作のきっかけとなった考えを述べ、「人の手が入らない土地について、父親と娘たちとの愛の形について、不在の息子たちについて、自然と動物について、そしてテレビというメディアに代表される現代社会についての映画」と作品のテーマを語る。

日本で公開される事に対しては---

「この映画は、一つの文化と強く結びついた作品だと思うのだけれど、こうした作品が、別の言語を話す、別の背景をもった人々にも何かを語りかけられるのだと思うと、胸が熱くなります。ジェルソミーナの物語は、あの土地と分かち難く結びついて、土地に深く根ざした物語です。まさに木のイメージで、その木を遠くに住む人に見てもらえる、さらにその木に実った果実が、これほどまでに遠くの人々に届けられるのだということに対して、日本の皆さんにとても感謝しています」

画像: ストーリー

『夏をゆく人々』予告編

youtu.be

「夏をゆく人々」は8月22日から、岩波ホール他全国公開。

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