京都文化博物館フィルムシアターでは、9月3日まで、『戦後70年記念 戦争と映画』の特集上映が開催されています。

戦後70年を記念し、戦前の京都で学生が製作した反戦映画から、戦中の記録映画と戦意高揚映画、そして戦後の反戦映画まで幅広く特集上映されます。
映画が戦争をどのように捉え、どのように感動させ、どのように流されたか。
映画人の想いは、どのようにあったか。

『糞尿譚』で芥川賞を受賞した火野葦平は、軍部にその筆力を注目され、従軍作家としての日々を過ごしました。そうした自らの日中戦争従軍の体験から『麦と兵隊』、『土と兵隊』、『花と兵隊』の三部作を発表しています。

8月21日は『土と兵隊』(1939)。日中戦争従軍体験を持つ火野葦平原作の上映です。
ぜひ、ご覧いただければと思います。

島津香蘭@シネフィル編集部

8月21日は『土と兵隊』(1939)。日中戦争従軍体験を持つ火野葦平原作の上映。
100日以上にわたる中国ロケで、実際の軍隊生活をつぶさに観察した田坂監督は、果てしなく続く単調な行軍、歩くという行為の中に兵士の真の姿を見る。下を向いてそれぞれの歩調で歩みを続ける兵士の姿、観る者を兵士の苦渋と内面にまで引きずり込む独特のリアリズムが漂う。

『糞尿譚』で芥川賞を受賞した火野葦平は、自らの日中戦争従軍の体験から『麦と兵隊』、『土と兵隊』、『花と兵隊』の三部作を発表、それまでの英雄崇拝的な戦争文学の殻をやぶり、兵士の日常生活をつぶさに描きベストセラーとなった。
この原作を任されたのが、前年に『五人の斥候兵』で、キネマ旬報ベストテンの1位を獲得した田坂具隆監督である。
100日以上にわたる中国ロケで、実際の軍隊生活をつぶさに観察した田坂監督は、果てしなく続く単調な行軍、歩くという行為の中に兵士の真の姿を見る。
映画の中でも、背嚢を背負い、ライフル銃を担いで泥濘路を歩く兵士達のショットが延々と続く。
下を向いてそれぞれの歩調で歩みを続ける兵士の姿を幾重にも重ねることにより、観る者を兵士の苦渋と内面にまで引きずり込む表現に。独特のリアリズムが漂う。
田坂監督37歳、41本目の作品。

京都文化博物館フィルムシアター、戦争と映画−戦意高揚映画から反戦映画まで。

‪#‎ミニシアター‬

画像: 島津香蘭@シネフィル編集部

京都文化博物館フィルムシアター、戦争と映画−戦意高揚映画から反戦映画まで。

8月21日は『土と兵隊』(1939)。日中戦争従軍体験を持つ火野葦平原作。

8月21日は『土と兵隊』(1939)。日中戦争従軍体験を持つ火野葦平原作。

100日以上にわたる中国ロケで、実際の軍隊生活をつぶさに観察した田坂監督は、果てしなく続く単調な行軍、歩くという行為の中に兵士の真の姿を見る。下を向いてそれぞれの歩調で歩みを続ける兵士の姿、観る者を兵士の苦渋と内面にまで引きずり込む独特のリアリズムが漂う。 ‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/
『土と兵隊』
1939(昭和14)年日活多摩川作品/119分・モノクロ
原作:火野葦平 脚色:笠原良三、陶山鉄 監督:田坂具隆 撮影:伊佐山三郎、横田達之 助監督:市川哲夫、芦原正 
撮影補助:滝花金一、内藤滸 助撮影:鹿島正雄、糸田頼一 装置:柴田篤二 照明:金谷省吾 録音:平林龍雄、石丸九州児、三枝康徐 編集:福田理三郎、辻井正則 音楽:中川栄三 大道具:茂住喜一 小道具:中村和夫 背景:渡辺酒造三 衣裳:二本松繁、鴨下行雄


出演:東勇路(荒川部隊長)、山本礼三郎(清水大尉)、荒木重夫(山崎少尉)、小杉勇(玉井伍長)、井染四郎(上等兵・坂上)、菊池良一(同・戸成)、西春彦(同・中川)、土田義雄(同・白橋)、
長尾敏之助(一等兵・内藤)、加藤章(同・田村)、笠井三岐雄(同・早瀬)、谷雄二(同・高橋)、朝日昇(同・末永)、井上敏正(同・吉田)、南進一(同湊)、黒騎進(同・甲斐)、小坂信夫(同・古城)、秋見敬三(同・乗本)、松原輝夫(同・松原)、見明凡太郎(工兵中尉)、佐藤円治(今村准尉)、佐々木正時(田島軍曹)、伊沢一郎(伍長・小林)、米倉勇(同・枝松)、明日山研(同・中本)、池上良夫(同・上原)、高品直吉(谷村一等兵)


玉井伍長率いる第2分隊は、中国大陸に敵前上陸を果たし、嘉善城(江蘇省鎮江)攻略を目標に強行軍が続いた。行軍は困難を極め、落伍者や命を落とす者もあった。数々の苦難の果て、敵のトーチカ陣地を奪取し、ついに嘉善城を陥れる。だが、入城を目前にして更に前進せよという命が下る・・・。
『糞尿譚』で芥川賞を受賞した火野葦平は、自らの日中戦争従軍の体験から『麦と兵隊』、『土と兵隊』、『花と兵隊』の三部作を発表、それまでの英雄崇拝的な戦争文学の殻をやぶり、兵士の日常生活をつぶさに描きベストセラーとなった。

この原作を任されたのが、前年に『五人の斥候兵』でキネマ旬報ベストテンの1位を獲得した田坂具隆監督である。100日以上にわたる中国ロケで、実際の軍隊生活をつぶさに観察した田坂監督は、果てしなく続く単調な行軍、歩くという行為の中に兵士の真の姿を見る。

映画の中でも、背嚢を背負い、ライフル銃を担いで泥濘路を歩く兵士達のショットが延々と続く。
下を向いてそれぞれの歩調で歩みを続ける兵士の姿を幾重にも重ねることにより、観る者を兵士の苦渋と内面にまで引きずり込む表現に独特のリアリズムが漂う。
田坂監督37歳、41本目の作品。
上映スケジュール | 京都府京都文化博物館
フィルムシアターでは、毎月様々な切り口で特集企画を組み、映像文化を紹介します。
通常は開館日に合わせて1日2回、京都府が所蔵する日本の古典・名作映画の上映を行っており、最新の映写機・音響機器を導入した快適な環境で鑑賞いただけます。
BUNPAKU.OR.JP

戦争と映画−戦意高揚映画から反戦映画まで@京都文化博物館フィルムシアター
上映スケジュール

8月4日(火)13:30~・18:30~
15日(土)13:30~・17:00~
『日本のいちばん長い日』
1967年東宝作品(モノクロ・157分)/監督:岡本喜八/
出演:宮口精二、戸浦六宏、笠智衆、三船敏郎
8月5日(水)13:30~・18:30~
11日(火)13:30~・18:30~
原爆の子03s
『原爆の子』
1952年近代映協・劇団民芸作品(モノクロ・96分)/監督:新藤兼人/
出演:乙羽信子、滝沢修、北林谷栄
8月12日(水)13:30~・18:30~
14日(金)13:30~・18:30~
煙突屋ペロー1s▲煙突屋ペロー
『煙突屋ペロー』
1930年童映社作品(アニメーション・23分)/監督:田中喜次/
語り:常田富士男
『支那事変後方記録 上海』
1937年東宝作品(記録映画・モノクロ・77分)/監督:亀井文夫
8月13日(木)13:30~・18:30~
16日(日)13:30~・17:00~
戦ふ兵隊s
『戦ふ兵隊』
1939年東宝作品(記録映画・モノクロ・66分)/監督:亀井文夫
8月18日(火)13:30~・18:30~
21日(金)13:30~・18:30~
『土と兵隊』
1939年日活多摩川(モノクロ・119分)/監督:田坂具隆/
出演:小杉勇、井染四郎、菊地良一
8月19日(水)13:30~・18:30~
22日(土)17:00~のみ
ハワイ・マレー沖海戦01
『ハワイ・マレー沖海戦』
1942年東宝作品(モノクロ・115分)/監督:山本嘉次郎/
出演:伊東薫、英百合子、原節子
8月20日(木)13:30~・18:30~
23日(日)13:30~・17:00~
加藤隼戦闘隊01
『加藤隼戦闘隊』
1944年東宝作品(モノクロ・89分)/監督:山本嘉次郎/
出演:藤田進、黒川弥太郎、沼崎勲
8月25日(火)13:30~・18:30
28日(金)13:30~・18:30~
『きけわだつみの声-日本戦没学生の手記-』
1950年東横映画作品(モノクロ・107分)/監督:関川秀雄/
出演:伊豆肇、原保美、河野秋武
8月26日(水)13:30~・18:30~
29日(土)13:30~・17:00~
ひめゆりの塔3
『ひめゆりの塔』
1953年東映作品(モノクロ・127分)/監督:今井正/
出演:津島恵子、岡田英次、香川京子
8月27日(木)13:30~・18:30~
30日(日)13:30~・17:00~
私は貝になりたい1
『私は貝になりたい』
1959年東宝作品(モノクロ・113分)/監督:橋本忍/
出演:フランキー堺、新珠三千代、菅野彰雄、水野久美
9月1日(火)13:30~・18:30~
3日(木)13:30~・18:30~
『肉弾』
1968年肉弾をつくる会・ATG作品(モノクロ・116分)/監督:岡本喜八/
出演:寺田農、大谷直子、伊藤雄之助
9月2日(水)13:30~・18:30~
真空地帯s
『真空地帯』
1952年新星映画作品(モノクロ・129分)/監督:山本薩夫/
出演:木村功、利根はる恵、加藤嘉

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