映画『サンドラの週末(原題: Deux jours, une nuit)』

カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『ロゼッタ』『ある子供』などで知られるベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟による社会派ドラマ。
従業員のボーナス支給のため上司から解雇を言い渡された女性が自身の解雇撤回のため奮闘する姿を描き、数多くの映画祭で話題となった。

画像: 映画『サンドラの週末(原題: Deux jours, une nuit)』

主演は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』などのオスカー女優マリオン・コティヤール、ダルデンヌ兄弟作品常連のファブリツィオ・ロンジョーネやオリヴィエ・グルメらが共演。

うん、社会的弱者目線の労働者の連帯がテーマの希望の物語。
いやあ、原題にあるように“2日と1夜”の間の主人公の変化を追い掛けるだけのシンプルな構成、街をアチコチ歩き回るだけの小さな話なんだけれど、すごく引き込まれるんだよね。
主人公に寄り添うようにな手持ちカメラや長回しの撮影で心の揺れ動きに焦点をあてるというドキュメンタリ出身の監督らしいカメラワークによるところが大きいのかしらね?
資本主義に振り回されるボクらにとって希望や応援になってるからかしらね?
いや、そこに人生を垣間見てるからかしらね?
すっかり主人公に感情移入しちゃうんだ…。

リアリティたっぷりの日常の出来事なんだけれど、同僚たちの人間模様や生活を浮き彫りにして、彼らのスリリングな出来事なども織り交ぜながら素晴らしいドラマに仕立て上げる演出は見事だよね。それぞれ事情がありながらも一生懸命に生きていることを丁寧に描いてるんだよね。
ボクらは身近な問題として共感を覚えていく。そして誰が味方になるのか、結局最後はどうなるのか、そんなサスペンス要素も効いてて目が離せない。音楽も流れない…。

今回マリオン・コティヤールは華やかさや風格を消し去ってほぼスッピンで雑にまとめた髪とタンクトップで生活感剥き出しの切羽詰まった主人公を演じた。
かすかな表情の変化すら丁寧に演じてただただ素晴らしい。
ラストは、明確な希望や救いも描かれて意外に爽やかで心を打たれた…。
もし自分が主人公だったら? 同僚だったら? 夫だったら? と思わずにはいられない95分間。
苦しんだ分だけ成長できるんだと信じよう。ボクも先に進むんだ。
ラストの主人公の明るい笑顔のように。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『サンドラの週末』予告編

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5月23日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか­にて全国順次公開!

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