京都文化博物館フィルムシアターでは、映画にみる戦国時代と題して、貴重なフィルムを
日替わりで上映しています。
6月11日と14日は『大魔神』(1966)。

島津香蘭@シネフィル編集部

大映京都撮影所スタッフの職人技の結晶“日本最初の本格的特撮時代劇”『大魔神』(1966)@京都文化博物館フィルムシアター

特撮監督の黒田義之、美術の内藤昭、撮影の森田富士郎は大魔神のスケール感の演出、特撮画面と通常画面の繋がりに細心の注意をはらう。

大魔神の着ぐるみに人が入って撮影する時、スケール感を出すために撮影は高速で行うが、当時のキャメラは2.5倍の速度が安定していたことから、大魔神の背丈は人の2.5倍に設定された。

大映京都撮影所スタッフの職人的こだわりが結晶した特撮時代劇。

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

‪#‎ミニシアター‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

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京都文化博物館フィルムシアター、映画にみる戦国時代。『大魔神』(1966)。

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映画にみる戦国時代。『大魔神』(1966)

『大魔神』
1966(昭和41)年大映京都作品/84分・カラー
製作:永田雅一 監督:安田公義 特撮監督:黒田義之 企画:奥田久司 脚本:吉田哲郎 撮影:森田富士郎 録音:林土太郎 照明:美間博 美術:内藤昭 音楽:伊福部昭 特殊合成:田中貞造 擬斗:楠本栄一 音響効果:倉嶋暢

出演:高田美和(花房小笹)、青山良彦(同忠文)、藤巻潤(猿丸小源太)、五味龍太郎(大舘左馬之助)、島田竜三(花房忠清)、遠藤辰雄(犬上軍十郎)、杉山昌三九(梶原有助)、橋本力(元木半蔵)、伊達三郎(中馬逸平)、月宮於登女(信夫)、香山恵子(悠乃)、尾上栄五郎(吾作)、木村玄(茂助)、二宮秀樹(忠文の少年時代)、出口静宏(竹坊)、伴勇太郎(小郡主水)、黒木英男(原田孫十郎)

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戦国時代、丹波の山里に恐ろしい魔神伝説があった。魔神は武神像により山奥の岩壁に封じ込まれていた。魔神封じの祭の夜、悪家老が反乱を起こし、善良な城主夫妻の命を奪った。

救出された遺児は武神像の傍らで巫女に育てられた。その間、勢力を増した悪家老は、領民に重税を課し、武神像を破壊すると言い放ち、像の額にノミが打ち込まれた。
その瞬間、激しい雷鳴とともに大地が裂け、武神像から巨大な魔神が姿を現した・・・。

「これ動かんやろか」、、、。
大映京都撮影所スタッフの、職人的こだわりが結晶した、特撮時代劇

「これ動かんやろか」、本作は美術全集の埴輪の写真から始まった。

それまで巨大なモンスターが登場する映画には、『ゴジラ』や『大怪獣ガメラ』など、いずれも東京の撮影所で企画されたSF作品であった。
時代劇を得意とした京都撮影所のスタッフは、民話の掘り起こしを行い、“日本最初の本格的特撮時代劇”として本作を企画する。

特撮監督の黒田義之、美術の内藤昭、撮影の森田富士郎は大魔神のスケール感の演出、特撮画面と通常画面の繋がりに細心の注意をはらう。

大魔神の着ぐるみに人が入って撮影する時、スケール感を出すために撮影は高速で行うが、当時のキャメラは2.5倍の速度が安定していたことから、大魔神の背丈は人の2.5倍に設定された。

また大魔神が入るショットでは、必ず人の目線から撮影、見上げるような構図で威圧感、スケール感を演出する。着ぐるみとミニチュアセットでの高速撮影には、距離感を出すために、常にスモークが使われた。
特撮だけでなく通常画面の撮影も森田が行い、特撮と本編のトーンを近づけるべく、晴天ではなく曇天を中心に撮影された。

眼は表情演出の大きなポイントであることから、着ぐるみには本編でも元木半蔵役で出演している橋本力が入り、魔神の威圧的な形相を見事に演技している。

大映京都撮影所スタッフの、職人的こだわりが結晶した、特撮時代劇。

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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