映画にみる戦国時代。6月13日は黒澤明監督『蜘蛛巣城』(1957)の上映@京都文化博物館フィルムシアター

京都文化博物館フィルムシアター、映画にみる戦国時代。6月13日は『蜘蛛巣城』(1957)。
シェークスピア「マクベス」を下敷きに、舞台を戦国時代に移す。
マクベスの亡霊、魔女に代表される幽遠な神秘性は、日本古来の能の様式に置き換えられ、キャメラワークも特異で、顔の表情よりも、能ならではの全身の演技を見せるために、フルショットを多用する。

スペクタクルシーンの、壮大なスケール感とスピード感は、黒澤監督面目躍如、能の様式美と活劇の躍動美が交錯する類希な逸品。

こちらは、『蜘蛛巣城』(1957)撮影当時の、打合せ風景です。
貴重な写真ですねーー。

この映画の出演者には、三船敏郎(鷲津武時)、山田五十鈴(武時の妻・浅茅)、志村喬(武将・小田倉則保)、千秋実(武時の親友・三木義明)、三好栄子(老婆)、浪花千栄子(物の怪の老婆)木村功(幻の武者/特別出演)といった、すばらしい役者さんが揃っています。

写真の右下には、手書き文字が見えます。
「左から、黒沢監督、本木プロデューサー、志村、三船、山田、千秋」
と、さらっと描かれていますが、
すごすぎるメンバーに震撼します!

島津香蘭@シネフィル編集部

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

画像: (c)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

(c)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

画像1: 『蜘蛛巣城』(1957)。監督:黒澤明(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive ‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

『蜘蛛巣城』(1957)。監督:黒澤明(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

京都文化博物館フィルムシアター、映画にみる戦国時代。13日は『蜘蛛巣城』(1957)。

『蜘蛛巣城』(1957)。監督:黒澤明

『蜘蛛巣城』
1957(昭和32)年東宝作品/109分・モノクロ
製作:黒澤明、本木荘二郎 原作:シェイクスピア(『マクベス』より) 

監督:黒澤明 脚本:小国英雄、菊島隆三、橋本忍、黒澤明 撮影:中井朝一 美術:村木与四郎 音楽:佐藤勝 照明:岸田九一郎 録音:矢野口文雄 美術監修:江崎孝坪 監督助手:野長瀬三摩地

出演:三船敏郎(鷲津武時)、山田五十鈴(武時の妻・浅茅)、志村喬(武将・小田倉則保)、久保明(義明の子・義照)、太刀川洋一(国春の子・国丸)、千秋実(武時の親友・三木義明)、佐々木孝丸(城主・都築国春)、清水元(鷲津の郎党1)、高堂国典(部将1)、植田吉二郎(鷲津の親兵1)、三好栄子(老婆)、浪花千栄子(物の怪の老婆)木村功(幻の武者/特別出演)、宮口精二(同・2/同)、中村伸郎(同・3/同)、流鏑馬指導:金子家教(大日本弓馬会藩士)

画像2: 『蜘蛛巣城』(1957)。監督:黒澤明(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive ‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

『蜘蛛巣城』(1957)。監督:黒澤明(C)京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

‬ http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

勇猛な武将・武時と義明は、謀反の徒を討ち勲功をたてた。
帰城途中、蜘蛛手の森で道に迷った二人は不思議な妖婆と出会う。妖婆は、武時はやがて城主となるが、そのあとを次ぐのは義明の子だと予言した。

やがて、冷酷な妻・浅茅に唆された武時は、主君を暗殺、予言通り城主となったが、栄華の欲にとりつかれた妻に再び唆され、義明までも暗殺。主君と親友を殺した武時は、良心の呵責から半狂乱となり、城内には不安が漲った。不吉な大嵐の夜、浅茅は死産により重態に陥った。ちょうどその頃、武時は義明の遺児・義照の軍勢が城に押し寄せたのを知った・・・。

シェークスピアの「マクベス」を下敷きに、日本の戦国時代にシチュエーションを移し、小国英雄を中心に、橋本忍、菊島隆三、黒澤明が共同で脚本化する。

キャメラに中井朝一、美術に村木与四郎と黒澤組として錬磨されたスタッフに加え、美術監修に日本画壇から甲冑に造詣の深い、江崎考坪を迎え新たな時代劇を企てる。

原作マクベスの亡霊、魔女に代表される幽遠な神秘性は、日本古来の能の様式に置き換えられ、キャメラワークも特異で、盛り上がる場面でも顔の表情よりも、能ならではの全身の演技を見せるためにフルショットを多用する。

スペクタクルシーンの、壮大なスケール感とスピード感は、黒澤監督面目躍如の出来ばえで、能の様式美と活劇の躍動美が交錯する類希な逸品となっている。
特に妖妻・浅茅の演出での能へのこだわりは深く、衣装から、能面のような表情、そして所作振舞いにいたるまで様式美を追求、山田五十鈴はその期待に見事に応え、この演技で芸術選奨を受ける。
(キネマ旬報賞第5位)

京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

This article is a sponsored article by
''.