シネフィルでも好評連載中の「小松拓也の中国電影事情」でもふれていたが、中国のエンタメ産業に対しての投資はスゴい。
アリババグループはコンテンツの投資にも積極的なようだが、実際映画興業の売り上げが米国を4年後には凌駕する勢いだという。

大手コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)傘下、台湾PwCが9日、メディア産業の展望レポートで発表した。中国映画市場は今年、初めて50億ドル(約6160億円)を突破すると予測。年平均成長率15.5%という数字をベースにし、2019年にはこれが88億6000万ドル(約1兆900億円)に達し、米国を揺るがす存在になるという。

画像: http://www.recordchina.co.jp/p110826-1.html

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世界の映画市場の年平均成長率は5.7%だが、中国市場の示す同15.5%からは、3倍の速さで急成長していることが分かる。近い将来、中国市場だけで10億ドル(約1230億円)の興行成績を上げる映画が生まれる可能性も高いという。

また、中国最大手の映画館チェーン、豪州の映画館チェーンを買収―中国紙というニュースも入ってきた。世界のエンターテイメント業界は中国の動きを注目!

Hoytsグループは、オーストラリア第2位の映画館チェーンで、映画の配給など、業務内容も多岐に及ぶ。中でも、DVDレンタルサービスは、オーストラリアで最大規模を誇る。

2012年5月、万達は、米国第2位の映画館チェーン・AMCエンターテインメント・ホールディングスを31億ドル(約3900億円)で買収した。それから1年半後、AMCはニューヨーク証券取引所に上場し、万達傘下の企業としては初の上場を果たした。AMCを買収した際、王董事長は、「20年までに世界の映画市場のシェア20%を占める」という目標を掲げていた。業界関係者は、「万達院線は、大型ショッピング・モール『万達広場』の全国展開が順調で、各指標が同業者を大きく上回っている。映画チェーンは、万達集団にとって、アセットライト化へのモデルチェンジにおいて重要な位置を占めており、国外進出は必然的」と分析している。

画像: 俳優 小松拓也の中国電影事情 第一回 空前の映画ブームで一年で5000も増えたスクリーン--- - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン

俳優 小松拓也の中国電影事情 第一回 空前の映画ブームで一年で5000も増えたスクリーン--- - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン

今の中国映画事情ってこんなに!
大卒の平均初任給が4万円前後と言われている中国。
その中で、約1500円~2000円する映画館のチケットは決して安いとは言えないし、一部の富裕層のみの嗜みだと日本人ならば考えてしまうだろう。
小松拓也 Wuxi Studiosにて
空前のブームの映画鑑賞!映画館は昨年だけで957館増加!
だが中国で映画鑑賞はよもや空前のブームであるし、映画館へ足を運べば学生などの若い男女のカップルが大勢デートで訪れている姿を簡単に目撃することも出来る。
2003年時に全国約16000前後だった劇場数はこの12年間で約19000にまでその数を増やし、特に特筆すべき点はこの12年間で約3000前後劇場数が増加した中で、そのうちの約3分の1を占める957もの劇場が2014年の1年間だけで新設されたということだ。
現在でもなお新たな映画館建設が全国至るところで進められており、この数年間の国内映画需要が軒並み高まっているという点だ。
昨年1年間だけで、新設されたスクリーン数ならば5077にも及ぶ。
日本全国でのスクリーン数が3364(2014年12月末時点)だというのだから、この数値がいかに凄いものかは容易に想像出来るだろう。
Wuxi Studiosスタジオの入口
国が支える、映画の撮影。
撮影所はディズニーランドとシーを合わせた3倍の広さ
映画需要が高まっているのはなにも映画館の劇場数に限られたことではない。
超大型の映画撮影所や映画村なども新たに増えているのだ。
そのうちの1つが私も映画村オープン式にゲストとして参加をしたことのある「無錫国家数字電影産業園」だ。
ここは2013年6月にオープンしたばかりの巨大な映画村で、敷地内の撮影所で撮影を行えるのはもちろんのこと、その他にCG制作や撮影の編集作業として今後大きな役割を担うスタジオとして期待されている新スポットだ。
このスタジオを使用して後期制作された作品には「キャプテンアメリカ2」や「ウィンターソルジャー」、「ミュータントタートルズ」などのハリウッド作品も含まれる。
中国国内には元々アジア最大級と言われている横店影視城をはじめ、長影世紀城や上海影視楽園など日本の撮影所とは比べ物にならないほどの広大な敷地とセットを擁した撮影所が数多く存在する。
横店影視城内には「秦王宮」や「清明上河図」「香港街」」など幾千年の歴史をまたぐ13のエリアがあり、総面積(資料によりばらつきがあるので正確な広さは不明)はディズニーランドとディズニーシーを合わせた面積の3倍ほどの広さとも言われている。
こういったハード面を存分に活かした映画やドラマの映像制作は年々その数を増やしているし、近年中国は国策として映画などの文化産業に力を入れていることもあり、国内の高まる映画需要に合わせて大作や海外との合作作品も増加の一途にある。
中国がアジアのハリウッドと呼ばれる日も、もしかしたらそう遠くはないのかもしれない。
中国でも活躍の小松拓也とは---
シネフィル連載陣にイケメン俳優も登場!小松拓也の『中国電影事情』スタートにあたって--- - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン
ウォン・カーウァイ監督の「恋する惑星」をみて、国際俳優を目指すーー
はじめまして。
今日は私のことを、皆さんに自己紹介させてください。
私、小松拓也は20年近い時間を台湾、香港、中国といった、いわゆる中華圏で活動し、関わり続けてきている日本の俳優です。
私が初めて日本を飛び出し、台湾へと北京語の語学留学に向かったのは、高校を卒業したばかりの1996年3月のことでした。
留学のきっかけになったのは、ウォン・カーウァイ監督の「恋する惑星」でした。
「恋する惑星」のなかで、自由自在に日本語や英語、中国語などの多言語を使いこなす金城武の芝居に影響を受け、自分自身も言葉を巧みに操りながら演技の出来る、国際俳優になりたいと思ったからです。
©小松拓也-cinefil.asia
事務所の先輩、ビビアン・スーの協力で台湾留学
留学先に中国本土ではなく、台湾を選んだのは、所属している日本のプロダクションの先輩に、台湾出身のビビアン・スーがいたからでした。
台湾留学当初は、彼女の実家にホームステイをさせてもらいながら、北京語の勉強に勤しみました。
そうして少しずつ北京語を覚える傍ら、ビビアンの紹介などで、台湾芸能界での人脈も広がり、やがてはローカルテレビの情報番組でリポーターを務めるようになります。
その影響もあり、台湾留学を終えて日本へ帰国した後も、台湾から映画のオファーが来るなど、台湾との仕事の関わりが続くようになります。
全曲北京語のCDアルバムを台湾でリリース
2003年には、全曲北京語のCDアルバムを台湾でリリースする機会に恵まれ、自身にとっても新境地となる音楽活動を開始することになり、人口2000万人強の台湾において2万枚のセールスを記録します。
そのCDアルバムのプロモーションは、同じ中国語圏の香港やシンガポールなどでも行われ、活動する国や範囲を更に広げるきっかけとなりました。
©小松拓也-cinefil.asia
上海の東方衛視テレビ「加油!好男儿」で、約8万人の応募者の中から、トップ20入りーー
2007年には、上海の東方衛視テレビが主催する「加油!好男儿」という、毎回3時間半にも渡って生放送された、国民的人気テレビオーディション番組に出演をし、約8万人の応募者の中から唯一の日本人参加者として、番組終盤のトップ20に入るという、外国人番組参加者の中での最高位を収めます。
また、それがきっかけで現地の多くのファンや知名度を獲得し、その後は上海に拠点を移しながら、芸能活動を始めることになりました。
主な活動内容は、テレビ番組や雑誌、イベント出演、CDリリースや映画、ドラマ出演、音楽番組のMCや数社の企業イメージキャラクターを務めるなど、広範囲に及ぶものでした。
©小松拓也-cinefil.asia
中国から、ふたたび日本へーー
そうして順風満帆に活動をしていた、中国での芸能活動でしたが、2012年9月に日本が尖閣諸島を国有化したことをきっかけに、全ての仕事がストップし、また決まっていた仕事も、全てキャンセルされることになってしまいました。
当時は日本人がテレビ出演するなどのメディアへの露出が禁じられるようになり、突然、中国国内での一切の活動が適わなくなってしまったのです。
それがきっかけで、翌年の2013年からは日本に帰国し、再び日本での芸能活動も始めるようになりました。
そして、今夏、2015年の夏、TBSで2夜連続放送される、物語の舞台がほとんど中国という戦後70周年スペシャルドラマに、中国人役として抜擢されたことは、私にとって大変意義深いことです。(タイトルなどは、情報解禁後にお知らせします)
このドラマをきっかけに、少しでも多くの日本の皆さんに歴史の再認識、戦争や争いごとの罪深さを感じ取ってもらえたらと望んでやみません。
2012年秋以降、日本人のテレビ出演などが非常に限定的に規制されていた中国でしたが、最近ではまた少しずつ、その交流が盛んになってきています。
中国の映画産業は今が絶頂期を迎え、総制作費100億円を超えるような、ハリウッドばりの超大作も近年では珍しくありませんし、ハリウッドをはじめ、他国との合作映画や外国人俳優を多く起用した作品も増えつつあります。
日本人俳優も、当たり前のように中国映画に出演するようになる。
そんな時代も、決して遠くないように感じます。
中華圏の芸能界と20年近くに渡って交流をし、その半分近くの時間を現地に居住し、生で触れ合ってきた私だからこそ、これから、このコラムで発信出来る情報があると考えています。
是非楽しみにしていてください。
小松拓也
cinefil.tokyo

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