コッポラ監督の一言が---。

もう一人の恩人はコッポラ監督です。仕事をいただいていた洋画配給会社から『地獄の黙示録』(昭和54年)を撮影中の監督のガイド兼通訳を依頼されたんです。泥沼化していたベトナム戦争を描く超話題作だったんですが、新人の私が字幕翻訳者に抜擢(ばってき)されました。後になって知りましたが、監督が「彼女は撮影現場でずっと私の話を聞いていたから、字幕をやらせてみてはどうか」と言ってくださったそうです。これを境に仕事が舞い込むようになりました。

画像: http://www.sankei.com/entertainments/news/150505/ent1505050006-n1.html

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日本語が貧しくなっている---

映画会社からは「字幕の漢字をひらがなにしろ」と言われるんですよ。例えば「拉致(らち)」。「ら致」じゃ重みがない。素晴らしい言葉は漢字だからこそ素晴らしいんです。「安堵(あんど)」が難しいから「安心」に変えてくれと言われたこともありました。でも2つは似て非なるもの。その違いが無視されたんです。「日本語が貧しくなっている」と痛感しましたね。

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