【ロマンポルノとは?】

「日活ロマンポルノ」は、日活が1971年に打ち出した当時の映倫
規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る、
上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的
自由に映画を作ることができたため、チャンスを与えられた若手監督
たちは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、作品への情熱と、
助監督として培ってきた技術と経験で、さまざまな「性」の表現に立ち
向い、男性向けに作られながらも、女性とその生き様を深く美しく描く
ことを極めていきました。
製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を継続して公開し
続けた結果、映画史において最もセンセーショナルな作品レーベルとして、
現在も国内外で高く評価されています。

ロマンポルノは、海外のポルノ映画に由来する「ポルノ」という言葉が
一人歩きし、さらに当時では斬新すぎた性表現によって、製作当時から
「芸術か猥褻か」の点で社会的な関心事として、今もなお様々なメディア
で取り上げられています。海外ポルノが、実行為である本番・無修正が
基本であるのに対して、日活ロマンポルノは、すべて演技であり、
実行為・本番ではありません。あくまでも劇場公開用のフィクション
映画として映倫審査をうけたR18+指定の作品です。
先日には、神代辰巳監督の二作品『恋人たちは濡れた』
『四畳半襖の裏張り』が映倫による再審査をうけR15+と指定されました。

【ROMAN PORNO REBOOT PROJECTの始動にあたって】

2012年、日活創立100周年記念と銘うったロマンポルノ特集上映は、
映画作品として新しい価値を訴求し、古いイメージを払拭することを
目指し実施しました。そして、これをきっかけに、若い世代や女性層
など、これまでロマンポルノに触れる機会がなかった新しい観客を開拓
できました。最近では、俳優・女優をはじめとして、若い世代の方々が、
ロマンポルノ作品に対する興奮と興味を公言し、伝えてくれています。
製作開始当時、ロマンポルノは男性向けのエンターテインメントでした。

「an・an」が最初にSEX特集を行ったのが1989年。
ロマンポルノが終焉したのが1988年。
女性誌が性を堂々と語ることが解禁されるのには、ロマンポルノ閉幕の
翌年までまたなければなりませんでした。
2015年の現在では、an・anだけでなく、さまざまな女性誌において、
性に関する特集が組まれています。読者からの赤裸々な悩み相談などを
みても、現代社会において、SEXは恋愛とともに日常的に語られる話題
のひとつとなっています。いま、ロマンポルノが再評価される理由として、
人間の本質を描くためには性を描くことが不可欠であること、男女の葛藤
や喜びを赤裸々に表現し、さらにその時代の風俗やファッションや文化の
流行を敏感に作品に取り込んでいたこと、社会性が強いテーマも扱って
いたことなどがあげられます。
その再評価の機運にのり、まず新作製作プロジェクトにおいて、第一線の
映画監督たちへ、現代の性と男と女のドラマを描く表現の場を提供します。
さらに、旧作ロマンポルノのマスターピース作品群の上映を行い、ロマン
ポルノの”早すぎた映像表現”を 鑑賞する土壌を世代、地域ともに広げて
いきます。
この2つが、ロマンポルノリブートプロジェクトの主な目的となります。

【 新作製作 powered by BSスカパー!企画概要】

2016年、ロマンポルノが生誕45周年を迎えるにあたり、プロジェクト
第一弾として、2016年一般劇場での公開を目指し、これまでロマン
ポルノ作品を監督していない、第一線の監督たちによる完全オリジナル
の新作ロマンポルノを、BSスカパー!をパートナーとして2015年初夏
より製作開始いたします。
1971年当時の製作条件を、一部現在のフォーマットに置き換えますが、
一定のルールの中で撮影するというロマンポルノの特質を引き継ぎます。
同じ条件を課された監督たちが、どのような性愛の表現に挑戦するのか、
そこからどんな女優・俳優たちが生まれてくるのか。
新たな映像表現を獲得するための“挑戦と遊戯” の場として、日活は
ロマンポルノをリブートし、新作の製作を開始いたします。
さらに、新作の劇場公開に併せて、BSスカパー!
(BS241)にてR15+版の放映を行う企画も予定しています。

【今、なぜ新作を製作するのか。】

日活は、1971年に、男性に向けて”裸の物語”の製作を開始。
センセーショナルな表現で性という人間の根源を描き、社会現象
となりました。それは計らずも映画の新しい表現への挑戦の場となり、
男女の新しい価値観も生み出しました。
2015年の現在、人間の根源である性ついて、男性・女性ともに考え、
語られる時代になっています。
しかし、それを堂々と表現することは、未だタブー視されています。
日本のマスメディアが放送内容に関して自主規制を厳しくする一方で、
猥褻な画像や映像はインターネット上に溢れています。公の場での
表現が規制された時、それを補ってきたのが映画でした。パソコンや
スマホから容易に入手できる猥褻な情報に”ロマン”は皆無です。

このように性の表現が二極化する中で、日活は再び<裸を題材にした
人間の本質的なドラマ=”裸の物語”>をつくることに挑戦します。
男性も女性も等しく楽しむことができるエンターテイメントとして、
新しいロマンを生み出します。

新作に関する続報は、2015年末に発表予定!乞うご期待ください。

画像: 再審査でR15+指定となった「恋人たちは濡れた」(1973) (C)日活 http://eiga.com/news/20150501/4/

再審査でR15+指定となった「恋人たちは濡れた」(1973)
(C)日活

http://eiga.com/news/20150501/4/

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