現在、原美術館で開催中の蜷川実花展。目を引くレビューを見つけた。

今や日本で最も有名な写真家と言っても過言ではない気がする蜷川実花の個展「蜷川実花:Self-image」が、東京品川の原美術館で、5月10日まで開催中だ。
蜷川実花の写真といえば、まっさきに浮かぶのが、花や金魚、かわいい雑貨や風景、俳優、アイドルなどを撮った極彩色のもの。だが、この個展では、モノクロのセルフポートレートという、彼女への先入観を大きく覆す写真が数多く展示されている。それらは本人いわく「生身に近い、何も武装していない」写真たち。

画像: www.excite.co.jp

www.excite.co.jp

1階の手前の部屋の中で、蜷川の映像と渋谷慶一郎による音楽とのインスタレーションが行われている。次の部屋では、いよいよ写真。青い空、海、咲き誇る花々、というエネルギッシュな写真──本人のブログのタイトル「人生、気合いっす!」という言葉のような世界とは反対側の、毒や闇、死の気配のようなものを撮った「noir」シリーズが展示されている。前者が愛や正義のために闘う魔法少女の世界であれば、後者はお姫様を追いつめる魔女の世界という感じ。

未発表作を含む150点の展示。そんな圧倒的な作品群に、あわせ蜷川実花の凄さを改めて痛感したのは、会場に届いた花の数だった。と筆者は書いている

お父上である蜷川幸雄の花がどーん。それから村上隆、小泉今日子とあって、そのほか、秋元康と前田敦子と大島優子と並び、鈴木おさむをなぜかはさんでの篠田麻里子や、椎名林檎、KEITA MARUYAMA、向井理、市川染五郎、フラワーアーティスト東信、いろいろな出版社などなど。蜷川幸雄の花はジャングルの巨大な花のようで唯一無二のかっこよさだった。花には各自、送り主のキャラクターも加味してあるようだ。この花のアプローチは蜷川実花展に至るまでの贅沢なオープニングアクトのようで、建物の中にはいるまでひとしきり楽しめた。実際は帰りにじっくり見たのだが。
オープニングは1月24日からだというのに既に桜もある中、ひときわ目立っていたのが斎藤工の贈った花。彼は蜷川の撮影による写真集も出しているので花を贈るのは当然の行為だろうが、ただ、極彩色な他の花々の中で唯一真っ白(しかも大輪)だったのだ。これが蜷川実花のモノクロのセルフポートレートのイメージをさりげなく表しているようにも見えて、もしそんな大役を担っているとしたら、今の斎藤工のブレイク状態を物語っているようだと妄想、ひとしきり感慨にふけってしまった。もちろんあくまで妄想である。つまり、作家の内面世界から、そんなふうにたくさんの妄想が沸いてくる圧倒的な展示なのだ。花はもうないと思うけれど。それにしても斎藤工、やるな。(木俣冬)

一見、展覧会と関係のないように見えるこの現象。しかし、写真家をベースにしながらも時には、映画を撮ったり、今回のようにアートなインスタレーションを試みたり多才な蜷川実花の現在の存在感をすなおに示している。
そして、斎藤工の現在のブレイクを象徴する理由をも垣間みれる。視点のあるレビューだ。
参照元
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20150318/E1426612766911.html

This article is a sponsored article by
''.