映画『妻への家路(原題: 帰来/Coming Home)』。
一途な夫婦の姿が感動的。泣けた、泣けた…。画像: シネフィル映画短評始まります。第一回チャン・イーモウ監督『妻の家路』。


『紅いコーリャン』『秋菊の物語』などのチャン・イーモウ監督とコン・リーが再びタッグを組み、文化大革命後の中国を舞台に、夫婦の切ない愛を描く人間ドラマ。

20年ぶりに解放された夫が、夫を待ち過ぎて記憶障害となった妻に、自分を思い出してもらおうと奮闘する様子を映す。
ひたすら夫を待つ妻をコン・リーが、妻に寄り添う夫を『HERO』『インファナル・アフェアIII 終極無間』などの、チェン・ダオミンが演じる。

一途な夫婦の姿が感動的。
もうね、冒頭から切なさタップリでやるせなさしかない。
泣けた、泣けた…。夫婦それぞれが一途だからこそ、余計に切なくて…。

夫の、ただ寄り添うことしかできない哀しさ…、それを受け入れた強さ…、その愛情の強さに胸が苦しくなる。
静かで繊細なタッチで、切ない映像を重ね、夫婦の過去を描かなくても妻の背負ってきたものや、それぞれの愛情がよくわかる演出。

そのあたり監督の手腕が冴え渡るが、主演2人の淡々とした中に深い感情を表す、丁寧で繊細な演技は、魂を揺さぶるほどだ。

圧倒的な存在感のコン・リーは、気品を纏いつつも不安げな眼差しで、チェン・ダオミンは悲哀の中にユーモアをにじませる。
娘を演じた新人チャン・ホエウェンも瑞々しくて素晴らしい。
役者、特に女優の魅力を引き出すのが上手だよね、チャン・イーモウ監督。

ラストは胸を締め付けられるが、是非とも大切な方と観て欲しい感動作。

シネフィル編集部 あまぴぃ

配給 GAGA
2015年3月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他 全国順次公開


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