生まれつき耳の聞こえない今村彩子監督が、アスペルガー症候群の友人・まあちゃんとの関係に悩み、友達でいる方法を考えるために、自分たちに向けてカメラを回したドキュメンタリー映画『友達やめた。』が、9月19日(土)より新宿K's cinemaほか、全国順次公開となります。

見えない障害といわれる発達障害当事者の困りごとにフォーカスを当てるのではなく、「自分と異なるバックグラウンドをもつ人とどうすればうまく共存できるのか」という本質的な問題について、理
想論だけではなく感情の部分にまでしっかりと向きあった本作は、<わたし=今村監督>と<まあちゃん>、ふたりだけの小さな世界の物語でありながら、誰しもが経験したことのある人間関係のすれ
違いや心のモヤモヤを描き、人間の面倒くささとややこしさ、その尊さと愛おしさを嫌味なく感じさせつつ、クスリと笑える、ハートウォーミングな作品となっています。

©2020 Studio AYA

コミュニケーションの壁に苦しむ自身の姿を、エイヤ!と晒した『Start Line』から4年、生まれつき耳のきこえない映画監督今村彩子が、新たな葛藤と向きあう。人と人ってほんとうに分かり
あえるの?

友達って何? 普通ってどういうこと?

わたしたちを縛るやっかいな“常識”を捨て、もっと自由に軽やかに、心と心を重ねあう。ヒリヒリして、イラッときて…
でも何だかほっこりする、まあちゃんとわたし、ふたりの“違い”から生まれたものがたり。

©2020 Studio AYA

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公開に先立ち、予告編が解禁されるとともに、
監督と出演者のまあちゃんがコメントを発表!

■監督 今村彩子(いまむら・あやこ)
これまで私は「耳がきこえない」という少数派として、物事を捉え考えて生きてきた。でも、アスペルガー症候群のまあちゃんから見ると私は「一般の脳みそ」を持った人間、多数派となる。私は“多数派”に立った経験がほとんどない。
まあちゃんと親しくなるにつれ、行動で戸惑うことも出てきた。
その度、私は悩み、葛藤するようになった。

そこで、私はまあちゃんを「撮る」ことにした。どうしたらまあちゃんと仲良くやっていけるのかを考えるために。撮ったものを画面で見て、更に編集することで客観的に見つめられると思ったのだ。
「友達やめた。」は、こうして生まれた。

「いい○○(友達、家族、パートナーetc…)でありたい」と考える人は多いと思う。
でも、自分の役割を果たさなければと、頑張りすぎてはいないだろうか。実際、私は「いい友達でいなきゃ」と、たくさんのことを飲み込み、我慢を続けて爆発した…。この映画が「○○でなければいけない」と自分で自分を縛りつけている縄をほどき、あなたが気にかけているあの人との人間関係を見直すきっかけになったら、こんなに嬉しいことはない。

©2020 Studio AYA

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■出演者 まあちゃん
初めて監督に会ったのは、12年前のこと。お互いあいさつ程度で、話した記憶はない。わたしは監督が映画を作っている人だということを知っていたが、「食っていけてるんだろうかこの人は?」
と思っていた。

意気投合してひんぱんに会うようになり、ちょいちょい「まあちゃんを撮りたい」と言い出すようになった。わたしに何のネタがあるのか?と、ほとんど聞き流していた。冗談で言ってるのだろうと思
っていた。それぐらいの空気はわたしにだって読める。

わたしの知り合いの中で「いただきますを言わないから」「飲み物を勝手に飲んだから」「お菓子を勝手に取ったから」「ピシッと叩いたから」といって本気で怒るのは、監督だけだ。なぜそんなに怒
るのか、わたしには正直わからない。いまでもわからない。

人はしょせんわかり合えない。それは圧倒的事実だ。
大事なのは、わかりたいという気持ち、わかろうとする努力なのだと思う。

『友達やめた。』の予告編

『友達やめた。』の予告編

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空気を読みすぎて疲れてしまい、人と器用につき合うことができない、アスペルガー症候群アスペの、まあちゃん。理解があるような顔で、内心悶々としたものをかかえる、映画監督のわたし。些細なことで、ふたりの仲がギクシャクするたび、これって、彼女がアスペだから?それとも、わたし自身の問題なの?わかり合おうとしなくちゃ…いい人でいなくちゃ…ああ、でも!まあちゃんと友達でいるために、わたしは自分たちに向けてカメラを回しはじめた…はずが、たどりついた答えは、友達やめた?!

監督・撮影・編集:今村彩子
構成:山田進一
音楽:やとみまたはち
音響効果:野田香純
整音:澤田弘基
CG編集:瀧下智也
イラスト:小笠原円
宣伝デザイン:中野香
配給協力・宣伝:リガード
配給:Studio AYA

2020年/日本/84分/カラー/DCP/ドキュメンタリー
©2020 Studio AYA

2020年9月19日(土)より新宿K's cinemaほか、全国順次公開