第20回東京フィルメックス」受賞結果発表!

このたび、11月30日(土)に授賞式が行われ、各賞の結果が発表されました。
グランプリにあたる最優秀作品賞は、ペマツェテン監督『気球』。
ペマツェテン監督は、これまでも『オールド・ドッグ』(第12回)、『タルロ』(第16回)と2度東京フィルメックスのグランプリに輝いているが、常に意欲的・挑戦的な作品を作り続けており、「この新作は彼の作品の中でも映画表現の新しいレベルに達している。
オープニングの遊びの視点から侯孝賢(ホウ・シャオシェン)へのオマージュとなる美しいクロージング・シーンまで、本作品はチベットの特殊な難問を幅広い、洗練された観点で描いている」ことから、栄えあるグランプリに決定!
審査員特別賞には、鮮烈なデビュー作となった、グー・シャオガン監督『春江水暖(しゅんこうすいだん)』。
絵巻物を鑑賞しているかのような横移動のカメラワークが強い印象を残す本作、「この勇敢で野心的な初監督作品は家族の物語と地方文化を正確にそして見事な文体で究めていて、初監督作品としては驚くべき出来栄えです」と審査員も称えた。
また、スペシャルメンションには、ニアン・カヴィッチ監督『昨夜、あなたが微笑んでいた』と、広瀬奈々子監督『つつんで、ひらいて』が選ばれた。そして、“最も観客から支持を集めた”観客賞には、中川龍太郎監督『静かな雨』が輝いた。

画像: 授賞式

授賞式

「第20回東京フィルメックス」授賞式
日時:11月30日(土) 18:10~18:50
場所:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン)

登壇者(敬称略):
国際審査員【トニー・レインズ(審査員長)、操上和美、ベーナズ・ジャファリ】
学生審査員【北川未来(みく)、木村翔(しょう)武(ぶ)】/
田中誠一(シマフィルム)/市山尚三(映画祭ディレクター)
※国際審査員の他2名、サマル・イエスリャーモワと深田晃司は都合により欠席

グランプリ
ペマツェテン(Pema Tseden) 監督
●『気球』中国 / 2019 / 102 分

画像: グランプリ ペマツェテン (Pema Tseden) 監督 ●『気球』 中国 / 2019 / 102 分

受賞理由:
東京フィルメックスは過去にこの監督の傑作を評価していますが、この新作は彼の作品の中でも映画表現の新しいレベルに達しています。オープニングの遊びの視点から侯孝賢へのオマージュとなる美しいクロージング・シーンまで、本作品はチベットの特殊な難問を幅広い、洗練された観点で描いています。つまり仏教的信心と国の政策と個人の心理的要因のぶつかり合いを通して今日のチベット人の生活について多くを語っています。2019年のフィルメックス最優秀作品賞はペマツェテン監 督の「気球」です。

ペマツェテン監督『気球』Q&A

画像: 11/26 『気球』Q&A youtu.be

11/26 『気球』Q&A

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審査員特別賞
グー・シャオガン(GU Xiaogang)監督
●『春江水暖』 中国他 / 2019/ 154 分

画像: 審査員特別賞 グー・シャオガン (GU Xiaogang) 監督 ●『春江水暖』 中国他 / 2019/ 154 分

受賞理由:
この勇敢で野心的な初監督作品は家族の物語と地方文化を正確にそして見事な文体で究めています。中国の古代のそして近代の伝統文化もそのストーリーテリングや映像で描写されそれでいて同時に現代の中国の映画文化の現代的な表現となっています。グー・シャオガンの初監督作品としては驚くべき出来栄えです。

グー・シャオガン監督『春江水暖』Q&A

画像: 11/24 『春江水暖』Q&A youtu.be

11/24 『春江水暖』Q&A

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スペシャルメンション
二アン・カヴィッチ(NEANG Kavich)監督
●『昨夜、あなたが微笑んでいた』 カンボジア、フランス / 2019 / 77 分
広瀬奈々子(HIROSE Nanako)監督 
●『つつんで、ひらいて』日本 / 2019 / 94 分

『昨夜、あなたが微笑んでいた』Last Night I Saw You Smiling

画像1: スペシャルメンション 二アン・カヴィッチ (NEANG Kavich) 監督 ●『昨夜、あなたが微笑んでいた』 カンボジア、フランス / 2019 / 77 分 広瀬奈々子 (HIROSE Nanako) 監督 ●『つつんで、ひらいて』 日本 / 2019 / 94 分

授与理由:
そこにある記憶を慈しむようにカメラと対峙させたこの映画は、決して過去を見つめる映画ではありませんでした。日本企業の買収によって数百の世帯が立ち退きを余儀なくされたホワイト・ビルディング。都市の発展や国や私企業の利益のために破壊される生活。それはやはり暴力なのです。そしてそれは今も再開発の進むあらゆる場所で起きているはずです。その現実をこの映画は静かに私たちに差し出してきました。

『つつんで、ひらいて』book-paper-scissors

画像2: スペシャルメンション 二アン・カヴィッチ (NEANG Kavich) 監督 ●『昨夜、あなたが微笑んでいた』 カンボジア、フランス / 2019 / 77 分 広瀬奈々子 (HIROSE Nanako) 監督 ●『つつんで、ひらいて』 日本 / 2019 / 94 分

授与理由:
はじめに言葉ありき。言葉は神と共にあり、言葉は神であった本作品は古来から今日に至るまで人類の永遠の友である本の地位に対し称賛と敬意を示しています。 未来の人びとも本の紙を触ったり、匂いを嗅いだり、見たり感じたりし続けることができますよう。本は高貴な友です。 私たちがそれを受け継ぐことができますように。

観客賞
中川龍太郎監督 (NAKAGAWA Ryutaro)
●『静かな雨』日本 / 2019 / 99分

画像: 観客賞 中川龍太郎監督 (NAKAGAWA Ryutaro) ●『静かな雨』 日本 / 2019 / 99分

■学生審査員賞
『昨夜、あなたが微笑んでいた』
監督:ニアン・カヴィッチ(NEANG Kavich)

授賞式後の審査委員長トニー・レインズ コメント

審査員長のトニー・レインズは、「10作品、本当に多様性に富んでいた。それらに1つ共通点があるとすれば、市山ディレクターの選択眼が特殊なものだということ。自分も多くの映画祭で審査員を務めてきたが、これほどまでにすべての作品が、終始一貫して同じレベルを作品が持っている、そういう映画祭というのは稀。(審査員も)多種多様で、それぞれ国も違いますし、今回は日本から2人、イランから1人、カザフスタンから1人、英国から(トニー・レインズ自身)1人、かなりいいいミックスだったと思う。多様だからこそ同意できるかナーバスになっていたけれど、幸せな報告をここにすることができるのは、『気球』は100%同意出来た、ということ。今回審査員として素晴らしい体験をさせていただいただけでなく、とても調和の取れた、幸せな体験だったと言える」と、充実した内容だったことがうかがえる言葉で、今年のフィルメックスを振り返った。

また授賞式では、今年特別協賛として本映画祭に参加したシマフィルムと東京フィルメックスによる新しい企画「ニュー・ディレクターズ・アワード」の創設が、シマフィルムの田中誠一から発表された。

ニュー・ディレクターズ・アワードについて
シマフィルムと東京フィルメックスが共同で行い、来年始動予定。
内容は、脚本を公募して、審査して賞を出し、場合によっては制作に移るというもの。
詳細についてはまた後日改めて発表していく予定。

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