世界遺産として名高いサグラダ・ファミリアの建築家アントニ・ガウディをはじめ、天才画家、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリなど名だたる芸術家を生み出したスペイン・バルセロナ。
今回は、スペイン、カタルーニャ自治州の州都であり、地中海に面した美しい港湾都市であるバルセロナの芸術を紹介致します。
                                             
「奇蹟の芸術都市 バルセロナ展」が、長野県美術館、姫路市立美術館において大好評を博し、9月14日(土)より11月4日(月・祝)まで「奇蹟の芸術都市 バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまで ー」が、札幌芸術の森美術館で開催されています。
                                     
バルセロナ万博開催(1888年)でも知られる同市は、悠久の「歴史」と19世紀の産業革命によって経済面、文化面で発展した「近代性」の両面を併せ持った国際都市です。
本展では、バルセロナの近代化を促進させた都市計画の誕生(1859年)からスペイン内戦(1936-39年)に至る約80年間に生み出された芸術文化を辿ります。
                                     
カタルーニャが育んだ偉大な建築家ガウディをはじめ、サンティアゴ・ルシニョル、ラモン・カザス、パブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリなどの巨匠の絵画を中心に彫刻、家具、装飾品、図面など様々なジャンルの作品約150 点が集結しました。
バルセロナに開花した芸術の花々を是非とも、ご鑑賞ください。
それではシネフィル上でも展覧会の構成にそって、いくつかの作品を見ていきましょう。

都市の拡張とバルセロナ万博

カタルーニャの州都バルセロナは、19世紀中頃以降、産業革命に伴う人口増加などの解決策として、旧市街の市壁取り壊しにより市域を拡張させ、近代都市として大きく発展します。
1888年には、バルセロナ万博が開催され、国際都市となりました。

1882年3月に公開され、好評を博したこの作品には、毛皮のマフに手を入れ、冬の寒さに耐えるバルセロナの富裕層の少女が描かれています。                         
当時「フェブラ・ドール(黄金熱)」と呼ばれる急激な経済成長を経験したバルセロナですが、
1882年1月に始まったパリ株式市場の大暴落によってバブル経済が崩壊してしまいます。
少女の不安げな表情はその後の不安な時代を暗示しているのかもしれません。

画像: フランセスク・マスリエラ《1882 年の冬》 1882年|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)

フランセスク・マスリエラ《1882 年の冬》 1882年|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)

コスモポリスの光と影

バルセロナのグラシア通りに面した一区画(通称:「不和の街区」)には、近代カタルーニャを代表する3人の建築家、ドゥメナク・イ・ムンタネー、アントニ・ガウディ、プッチ・イ・カダファルクの設計した建築物が立ち並び、華麗なる美の競演が見られます。

画像: アントニ・ガウディ(デザイン)カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》 1904-06年頃 トネリコ材、カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya,Barcelona (2019)

アントニ・ガウディ(デザイン)カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》 1904-06年頃 トネリコ材、カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya,Barcelona (2019)

                                             上品なドレスに身を包んだ女性像や、富裕層の都市生活は、ルマー・リベラや、マスリエラ兄弟らに代表される当時の多くの画家たちによって描かれました。
《夜会のあとで》は、バルセロナに住んだ上流階級やブルジョワジーの華やかで豊かな暮らしぶりが感じられる作品です。
部屋の描写には、エキゾチックな家具、調度品も見られ、ヨーロッパで、ジャポニズムなどの異国趣味が流行したことがわかります。

画像: ルマー・リベラ《夜会のあとで》 1894年頃|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d'Art de Catalunya, Barcelona (2019)

ルマー・リベラ《夜会のあとで》 1894年頃|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d'Art de Catalunya, Barcelona (2019)

パリへの憧憬とムダルニズム

ピカソらの先人である画家、ラモン・カザスとサンティアゴ・ルシニョルは、パリと故郷バルセロナとの短期滞在を繰り返し、芸術の中心であったパリの美術を吸収しながら、独自の芸術を探求し、カタルーニャの芸術家たちのリーダーとなりました。
ルシニョルは、バルセロナ近郊の小村シッジャスにアトリエ兼ギャラリーを開館し、美術、演劇、音楽を発表する「ムダルニズマ祭」を主宰しました。
また、ムダルニズマの画家たちはエル・グレコを近代絵画の先駆者と見なし、特にルシニョルはエル・グレコの再評価活動に尽力しました。
                                             
《モルヒネ中毒の女》のテーマとなった薬物モルヒネは、夢の神モルペウスにちなんで名付けられ、19世紀半ばごろから上流階級を中心に普及しました。
ルシニョル自身も肝臓の病で痛みを抑えるために使用していたようです。
ブルジョワの華やかな面を伝える作品だけでなく、退廃的な面をテーマとした作品も描かれていました。

画像: サンティアゴ・ルシニョル《モルヒネ中毒の女》 1894年 油彩/カンヴァス カウ・ファラット美術館

サンティアゴ・ルシニョル《モルヒネ中毒の女》 1894年 油彩/カンヴァス カウ・ファラット美術館

また、ムダルニズマの画家たちが、パリの芸術を取り入れ、新しい芸術を模索する一方で、
バルセロナでは、ジュアン・リモーナや、その弟のジュゼップ・リモーナが設立した「サン・リュック美術協会」の芸術家たちによるキリスト教の信仰に基づく絵画や彫刻も制作されていました。

「四匹の猫」

1897年、カザスや、ルシニョルを筆頭に、ミケル・ウトリリョ、ぺラ・ルメウの計4人が中心となり、バルセロナ旧市街にカフェ・レストラン「四匹の猫」が開かれます。
パリ、モンマルトルのカフェ「黒い猫」に強く影響を受けたこの店では、様々な展覧会や、影絵芝居、人形劇、コンサートなどのイベントが開催されました。

画像: ラモン・カザス《影絵芝居のポスター》 1897年 リトグラフ/紙 マルク・マルティ・コレクション © Marc Martí collection

ラモン・カザス《影絵芝居のポスター》 1897年 リトグラフ/紙 マルク・マルティ・コレクション
© Marc Martí collection

ノウサンティズマ ― 地中海へのまなざし

ノウサンティズマとは、カタルーニャにおけるナショナリズムに根源を持ち、ローカルかつ地中海文明に根差した芸術表現を追求した芸術家たちの活動です。
パリから影響を受け、積極的に受け入れたㇺダルニズマ芸術を批判するものでした。
シャビエ・ヌゲースは、ノウサンティズマの中心的画家で、絵画に加え、版画やグラフィックデザインにも取り組み、デザインにおいては、ポスターや挿絵だけでなく、ガラス食器や施釉タイルも手がけました。

前衛美術の勃興そして内戦へ

キュビスムやシュルレアリスムに影響を受けた若きジュアン・ミロとサルバドール・ダリの仕事をはじめ、新たな都市空間の実現に力を注いだ新鋭の建築家たち、さらにカタルーニャの芸術文化の活性化を目指した芸術愛好家たちの活動が紹介されています。
内戦によって一旦は断たれてしまう彼らの夢をご覧ください。
               

バルセロナが生み出した偉大な建築家や画家たちの感動的な芸術作品が一堂に会しています。
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」で育まれた、独特の芸術を是非、この機会にご堪能ください。
時空を超えて、スペイン、バルセロナに旅してみましょう。

展覧会概要

展覧会名:「奇蹟の芸術都市 バルセロナ展 ーガウディからピカソ、ミロ、ダリまでー」
会期:2019年9月14日(土)〜11月4日(月・祝) ※会期中無休
開館時間:9:45〜17:00(入館は16:30まで)
会場:札幌芸術の森美術館(札幌市南区芸術の森2丁目75番地)
札幌芸術の森美術館 HP(アクセス)
当日券/ 一般 1,300(1,200円)、高校・大学生 800(700)円、小・中学生 500(400)円      ※税込金額 
※小学生未満は無料  
※( )内は20名以上の団体と前売料金(前売券の販売は終了いたしました) 
※65歳以上の方は当日料金が1,200円(団体は960円)になります。年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者手帳をお持ちの方は、当日窓口でご提示いただくと本人および付き添いの方1名が無料になります。
 

主催:札幌芸術の森美術館(札幌市芸術文化財団)、STV札幌テレビ放送
特別協力:カタルーニャ美術館、カウ・ファラット美術館
協力:日本航空
協賛:マリエラ クラソンズジャパン、株式会社ライブアートブックス
後援:スペイン大使館、カタルーニャ州政府、カタルーニャ州政府貿易投資事務所、在バルセロナ日本国総領事館、インスティトゥト・セルバンテス東京、日本・カタルーニャ友好親善協会、北海道、札幌市、札幌市教育委員会、STVラジオ、北海道スペイン協会
助成:ラモン・リュイ財団、シッジャス文化財団
企画協力:神戸新聞社、キュレイターズ
お問い合わせ:札幌芸術の森美術館 TEL:011-591-009

特別ワークショップも開催されています。詳しくは下記、お問い合わせください。        ワークショップのお問い合わせ先:札幌芸術の森 クラフト工房(TEL:011-592-4122)

奇蹟の芸術都市 バルセロナ展@札幌 cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、奇蹟の芸術都市 バルセロナ展@札幌 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
この招待券は非売品です。転売、オークションへの出品などを固く禁じます。

応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
応募締め切り    2019年10月7日(月)24:00

1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
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8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい(複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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