世界遺産として名高いサグラダ・ファミリアの建築家アントニ・ガウディをはじめ、天才画家、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリなど名だたる芸術家を生み出したスペイン・バルセロナ。
今回は、スペイン、カタルーニャ自治州の州都であり、地中海に面した美しい港湾都市であるバルセロナの芸術を紹介致します。
                                             
「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」が、長崎県美術館、姫路市立美術館、札幌芸術の森美術館において好評を博し、11月15日(金)より2020年1月9日(日)まで「Daiichi-TV開局40周年記念 奇蹟の芸術都市バルセロナ展 」が静岡市美術館にて開催されています。
                                     
バルセロナ万博開催(1888年)でも知られる同市は、悠久の「歴史」と19世紀の産業革命によって経済面、文化面で発展した「近代性」の両面を併せ持った国際都市です。
本展では、バルセロナの近代化を促進させた都市計画の誕生(1859年)からスペイン内戦(1936-39年)に至る約80年間に生み出された芸術文化を辿ります。
                                     
カタルーニャが育んだ偉大な建築家ガウディをはじめ、サンティアゴ・ルシニョル、ラモン・カザス、パブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリなどの巨匠の絵画を中心に彫刻、家具、装飾品、図面など様々なジャンルの作品約150 点が集結しました。
バルセロナに開花した芸術の花々を是非とも、ご鑑賞ください。
それではシネフィル上でも展覧会の構成にそって、いくつかの作品を見ていきましょう。

都市の拡張とバルセロナ万博

カタルーニャの州都バルセロナは、19世紀中頃以降、産業革命に伴う人口増加などの解決策として、旧市街の市壁取り壊しにより市域を拡張させ、近代都市として大きく発展します。
1888年には、バルセロナ万博が開催され、国際都市となりました。

画像: G. L. ルイス《1888年バルセロナ万博のポスター》 1888年|クロマトグラフ・リトグラフ・紙 カタルーニャ図書館|© Biblioteca de Catalunya

G. L. ルイス《1888年バルセロナ万博のポスター》 1888年|クロマトグラフ・リトグラフ・紙 カタルーニャ図書館|© Biblioteca de Catalunya

1882年3月に公開され、好評を博したこの作品には、毛皮のマフに手を入れ、冬の寒さに耐えるバルセロナの富裕層の少女が描かれています。                         
当時「フェブラ・ドール(黄金熱)」と呼ばれる急激な経済成長を経験したバルセロナですが、
1882年1月に始まったパリ株式市場の大暴落によってバブル経済が崩壊してしまいます。
少女の不安げな表情はその後の不安な時代を暗示しているのかもしれません。

画像: フランセスク・マスリエラ《1882 年の冬》 1882年|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)

フランセスク・マスリエラ《1882 年の冬》 1882年|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)

コスモポリスの光と影

バルセロナのグラシア通りに面した一区画(通称:「不和の街区」)には、近代カタルーニャを代表する3人の建築家、ドゥメナク・イ・ムンタネー、アントニ・ガウディ、プッチ・イ・カダファルクの設計した建築物が立ち並び、華麗なる美の競演が見られます。

画像: アントニ・ガウディ(デザイン)カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》 1904-06年頃 トネリコ材、カタルーニャ美術館 © Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

アントニ・ガウディ(デザイン)カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》 1904-06年頃 トネリコ材、カタルーニャ美術館 © Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

                                             上品なドレスに身を包んだ女性像や、富裕層の都市生活は、ルマー・リベラや、マスリエラ兄弟らに代表される当時の多くの画家たちによって描かれました。
《夜会のあとで》は、バルセロナに住んだ上流階級やブルジョワジーの華やかで豊かな暮らしぶりが感じられる作品です。
部屋の描写には、エキゾチックな家具、調度品も見られ、ヨーロッパで、ジャポニスムなどの異国趣味が流行したことがわかります。

画像: ルマー・リベラ《夜会のあとで》 1894年頃|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d'Art de Catalunya, Barcelona (2019)

ルマー・リベラ《夜会のあとで》 1894年頃|油彩・カンヴァス|カタルーニャ美術館 © Museu Nacional d'Art de Catalunya, Barcelona (2019)

パリへの憧憬とムダルニズム

ピカソらの先人である画家、ラモン・カザスとサンティアゴ・ルシニョルは、パリと故郷バルセロナとの短期滞在を繰り返し、芸術の中心であったパリの美術を吸収しながら、独自の芸術を探求し、カタルーニャの芸術家たちのリーダーとなりました。
ルシニョルは、バルセロナ近郊の小村シッジャスにアトリエ兼ギャラリーを開館し、美術、演劇、音楽を発表する「ムダルニズマ祭」を主宰しました。
また、ムダルニズマの画家たちはエル・グレコを近代絵画の先駆者と見なし、特にルシニョルはエル・グレコの再評価活動に尽力し、ブルジョワの華やかな面を伝える作品だけでなく、退廃的な面をテーマにした作品も描きました。

画像: サンティアゴ・ルシニョル《青い中庭》1892年頃 ムンサラット美術館

サンティアゴ・ルシニョル《青い中庭》1892年頃 ムンサラット美術館

©Museu de Montserrat

また、ムダルニズマの画家たちが、パリの芸術を取り入れ、新しい芸術を模索する一方で、
バルセロナでは、ジュアン・リモーナや、その弟のジュゼップ・リモーナが設立した「サン・リュック美術協会」の芸術家たちによるキリスト教の信仰に基づく絵画や彫刻も制作されていました。

「四匹の猫」

1897年、カザスや、ルシニョルを筆頭に、ミケル・ウトリリョ、ぺラ・ルメウの計4人が中心となり、バルセロナ旧市街にカフェ・レストラン「四匹の猫」が開かれます。
パリ、モンマルトルのカフェ「黒い猫」に強く影響を受けたこの店では、様々な展覧会や、影絵芝居、人形劇、コンサートなどのイベントが開催されました。

画像: ラモン・カザス《影絵芝居のポスター》 1897年 リトグラフ/紙 マルク・マルティ・コレクション © Marc Martí collection

ラモン・カザス《影絵芝居のポスター》 1897年 リトグラフ/紙 マルク・マルティ・コレクション
© Marc Martí collection

ノウサンティズマ ― 地中海へのまなざし

ノウサンティズマとは、カタルーニャにおけるナショナリズムに根源を持ち、ローカルかつ地中海文明に根差した芸術表現を追求した芸術家たちの活動です。
パリから影響を受け、積極的に受け入れたㇺダルニズマ芸術を批判するものでした。
シャビエ・ヌゲースは、ノウサンティズマの中心的画家で、絵画に加え、版画やグラフィックデザインにも取り組み、デザインにおいては、ポスターや挿絵だけでなく、ガラス食器や施釉タイルも手がけました。

画像: シャビエ・ヌゲース、フランセスク・ケー 《レストラン「カン・クリャレタス」のタイル壁画 (サルダーナ)》|1923年|施釉タイル バルセロナ・デザイン美術館 © Barcelona Design Museum

シャビエ・ヌゲース、フランセスク・ケー 《レストラン「カン・クリャレタス」のタイル壁画 (サルダーナ)》|1923年|施釉タイル バルセロナ・デザイン美術館 © Barcelona Design Museum

前衛美術の勃興そして内戦へ

キュビスムやシュルレアリスムに影響を受けた若きジュアン・ミロとサルバドール・ダリの仕事をはじめ、新たな都市空間の実現に力を注いだ新鋭の建築家たち、さらにカタルーニャの芸術文化の活性化を目指した芸術愛好家たちの活動が紹介されています。
内戦によって一旦は断たれてしまう彼らの夢をご覧ください。
               

バルセロナが生み出した偉大な建築家や画家たちの感動的な芸術作品が一堂に会しています。
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」で育まれた、独特の芸術を是非、この機会にご堪能ください。
時空を超えて、スペイン、バルセロナに旅してみましょう。
                                   

展覧会概要

展覧会名:Daiichi-TV開局40周年記念 奇蹟の芸術都市バルセロナ展
 
会場:静岡市美術館
会期:2019年11月15日(金)~2020年1月19日(日)
休館日:毎週月曜日
※2019年12月30日(月)~2020年1月1(水・祝)休館
※新年は1/2(木)より開館 ※2020年1月13日(月)は開館、翌14日(火)休館
開館時間:午前10時〜夜7時(展示室への入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1200円 / 大学・高校生・70歳以上800円 / 中学生以下無料
アクセス:JR静岡駅徒歩3分

主催:静岡市、静岡市美術館、指定管理者(公財)静岡市文化振興財団、Daiichi-TV
特別協力:カタルーニャ美術館、カウ・ファラット美術館後
援:静岡市教育委員会、静岡県教育委員会、スペイン大使館、カタルーニャ州政府、カタルーニャ州政府貿易投資事務所、在バルセロナ日本国総領事館、インスティトゥト・セルバンテス東京、日本・カタルーニャ友好親善
協会協賛:マリエラクラソンズジャパン、株式会社ライブアートブックス
特別協賛:セキスイハイム東海
助成:ラモン・リュイ財団、シッジャス文化財団
協力:日本航空
企画協力:神戸新聞社、キュレイターズ

奇蹟の芸術都市バルセロナ展@静岡 cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、奇蹟の芸術都市バルセロナ展@静岡 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、「奇蹟の芸術都市バルセロナ展」(静岡市美術館)の招待券をお送りいたします。
この招待券は非売品です。転売、オークションへの出品などを固く禁じます。

応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
応募締め切り    2019年12月16日(月)24:00

1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい(複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

This article is a sponsored article by
''.