「トンネルを抜けるとそこは雪国だった。」で始まる小説「雪国」で知られる川端康成はみなさまご存知のことでしょうが、今回は彼の愛した芸術作品のコレクションを紹介致します。
川端康成生誕120 年を記念し、姫路市立美術館、姫路文学館にて、「文豪 川端康成と美のコレクション展」が9月14 日から11月4日まで開催されています。
日本人初のノーベル文学賞受賞作家である川端康成(1899~1872)は、文豪としてはもちろん、美術愛好家としても、類まれなる存在でした。
「私は美術が好きで、新古にかかはりなくなるべく見る折をつくる。」
「最高の美にただただ感動するのが生きがいではないか。」
川端の言葉です。
川端の鋭い審美眼により集められた古今東西の美術作品は、彼の直筆資料や、写真、愛用品、同時代の文豪たちの書簡や書幅とともに、公益財団法人川端康成記念会の所蔵する膨大なコレクションとして遺されています。
本展では、この川端コレクション(一部東山魁夷旧蔵品を含む)より、美術館・文学館合わせて、およそ280点が紹介され、過去最大の川端コレクションとなっています。

世界文化遺産・姫路城のもと、姫路市制施行130周年を記念して、〈美術〉と〈文学〉というそれぞれの分野から、美術館、文学館が共同開催するという初の連携展となりました。
文学館は、2015-2016年に大規模なリニューアルをし、安藤忠雄氏によるモダンな建築デザインに生まれ変わりました。
作品の保全環境の改善により、文学館での国宝の展示が初めて可能になり、浦上玉堂の国宝《凍雲篩雪図》が鑑賞できます。
美術館は文学館とは対照的で、明治38年(1905)生まれのアンティークな煉瓦造りで、国の登録有形文化財となっています。
2館はともに姫路城の周辺、徒歩10 分圏内です。
爽やかな秋の風を感じ、姫路城を望む美しい景観の中、美術館、文学館までの散策を楽しんでみませんか。
文豪・川端の愛した芸術作品の数々を是非、この機会にご堪能ください。
                             
美術館では、池大雅と与謝蕪村によって描かれた国宝《十便十宜図》をはじめ、土偶、埴輪や、仏像などの古美術から、東山魁夷、古賀春江、草間彌生といった画家たちによる近現代日本絵画や、黒田辰秋、北大路魯山人らの工芸品や、ロダン、ピカソといった西洋美術に至るまで数々の芸術作品が一堂に会しています。
文学作品の装丁画をきっかけに親交の深かった日本画家・東山魁夷の作品は多く、コレクションの中でも存在感があります。
日本の美を追求した川端が、いかに日本の四季折々の美しい風景を愛し、東山作品を愛したたかが伺えます。
「人々は東山さんの風景画に、日本の自然を身にしみて感じ、日本人である自分の心情を見出して静かな安らぎに慰められる。」
川端の言葉です。
きっとみなさまの心にも響く芸術作品に出逢えるでしょう。
では、シネフィル上で、いくつかの作品をご紹介致します。

画像: ロダン《女の手》を見る川端康成  撮影:林忠彦

ロダン《女の手》を見る川端康成 撮影:林忠彦

川端はロダンの彫刻《女の手》を仕事机の上において愛でたそうです。
この写真は、熱心に作品を見つめる川端と《女の手》です。
長い時間、凝視し、作品と向き合っていたようです。

画像: 国宝 池大雅《十便図》より「釣便」 1771年|公益財団法人川端康成記念会蔵

国宝 池大雅《十便図》より「釣便」 1771年|公益財団法人川端康成記念会蔵

客人を呼んだので、釣りをして、釣った魚で料理をふるまおうという情景を描いています。
※《十便十宜図》の展示は、会期4-5日ごとにページ替えを行いますのでご注意ください。

画像: 国宝 与謝蕪村《十宜図》より「宜秋」 1771年|公益財団法人川端康成記念会蔵

国宝 与謝蕪村《十宜図》より「宜秋」 1771年|公益財団法人川端康成記念会蔵

名のとおり、秋の紅葉の中、豊かな自然の美しさを描いた作品です。
※《十便十宜図》の展示は、会期4-5日ごとにページ替えを行いますのでご注意ください。

画像: 古賀春江《そこに在る》 1933年|公益財団法人川端康成記念会蔵

古賀春江《そこに在る》 1933年|公益財団法人川端康成記念会蔵

川端の親しい友人で会った古賀春江とは、一緒に住んでいたこともあるそうです。
川端はシュルレアリスムの古賀の才能をいち早く見出し、彼の絵画を支援しました。

画像: 東山魁夷《京の春》(『古都』挿絵原画) 1973年|東山家蔵

東山魁夷《京の春》(『古都』挿絵原画) 1973年|東山家蔵

豪華本『古都』のために東山魁夷が手掛けた琳派風の装丁や挿絵は、川端文学の美的世界を体現したものでした。
これを機に川端と東山は深い交流が11年間続いたそうです。

「雪月花」という四季の移りの折々の美を現はす言葉は日本においては、山川草木、森羅万象、自然のすべてそして人間感情をも含めての美を現はす言葉とするのが伝統なのです。(川端康成)

画像: 東山魁夷《北山初雪》 1968年|公益財団法人川端康成記念会蔵

東山魁夷《北山初雪》 1968年|公益財団法人川端康成記念会蔵

「京洛四季」の「「北山初雪」、これを北山に住む林業家の幾人もが見て、このやうな感じの雪景は一年に一度か二度あるかなしか、しかもその時間は極めて短い、それをよく捉へたと声を合わせて、讃へた。 (川端康成)
                     
京都の北部、北山杉を描いたこの作品は、東山から川端に贈られたものでした。
「東山さんの風景画は日本の自然の美しい魂と見られ、東山さんは日本民族古今に貴寵の風景画家と仰がれるであらうと、私は信じる。」
川端の愛する美しい日本の自然を描いたのは、風景画家 東山魁夷だったのです。
先に旅立ってしまった東山の死を悼み、東山は次のように述べています。
「人は先生の死について語り、考えわずらっているが、私は先生の大いなる生のついて思いをめぐらせば、先生の死は、安らかな休息とのみ考えたい。」

文豪・川端康成の愛した美のコレクション。
特に東山魁夷作品に対する川端の想いには感動させられます。
爽やかな秋晴れの中、姫路城の美しい景観を散策し、川端康成の芸術世界をご堪能ください。

姫路文学館

展覧会概要

会期:2019年9月14日(土)〜2019年11月4日(月・振)
会場:姫路市立美術館・姫路文学館
住所:兵庫県姫路市本町68-25 (姫路市立美館)
   兵庫県姫路市山野井町84 (姫路文学館)                    
時間:10:00〜17:00(最終入場時間 16:30)
休館日:月曜日 
9月24日(火)、10月15日(火)
※ただし、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館
観覧料:一般 1,400円(1120円) 大高 600円(480円) 中小 300円(240円)
※( )内は20人以上の団体料金
TEL:079-222-2288(姫路市立美術館)
   079-293-8228 (姫路文学館)

講演会、ギャラリーツアーなどたくさん開催されますので、姫路文学館、姫路市立美術館のホームページをご覧ください。

画像: 姫路市立美術館

姫路市立美術館

生誕120年 文豪 川端康成と美のコレクション展@姫路cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、生誕120年 文豪 川端康成と美のコレクション展@姫路 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

☆応募先メールアドレス info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2019年9月30日24:00 月曜日

記載内容
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
  当選無効となります。
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 (複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
   また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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