2014 年に完成しながら 5 年 の間劇場公開されることのなかった太田信吾監督の長編劇映画デビュー作であり、超問題作『解放区』が 10 月 18 日より テアトル新宿を皮切りに劇場公開されます。

“表現の自由”が熱く議論される令和元年の夏。 助成金返還、映倫 R18+指定
5 年間封印されてきた映画『解放区』があなたに問いかける
見せる見せない、見たい見たくないは、いったい“誰が”決めるのか!?

8月3日「あいちトレンナーレ」の企画『表現の不自由展・その後』の展示が中止に追い込まれた事件が波紋 を呼び大きな社会問題となっている。脅迫のFAXを送ったとみられる男が逮捕されたが、それだけで問題の解決に繋がるとは到底思えない。
特に、助成金を貰って、公共の施設でこの様な展示を行うこと自体がおかしいとい う意見が政治家を含む公職者、また一般の方々の間からも噴出している事は、政治(行政)が市民の思想・信条に 介入し、その自由を侵す危険性を孕んでおり、そういう風潮をも助長しかねない。
その果てにあるのは、想像するのも恐ろしい社会では――

映画『解放区』は、2014年に大阪での映像制作者の支援と、映像文化の発信を目的とした助成金を得られる企画の募集で助成対象となり、大阪アジアン映画祭での上映を目指して制作が開始された。しかし、完成した映画 は、大阪市(担当機関及び担当者)の意向に沿っている作品とはならず、内容の一部修正を求められる。太田信吾監督がそれを拒否したことにより、映画祭での上映は中止される事となった。
この一件は、当時ニュース番組等でも取り上げられる事態へと発展した。お互いの主張は平行線をたどり、最終的に太田監督は助成金を市に返還、 自らが納得できる作品の形での上映を目指す。
しかし、東京国際映画祭をはじめとした映画祭と数度の上映会にとどまり、現在にいたるまで劇場一般公開がかなわず、もはや<幻の映画>となりつつ月日が流れた。

画像1: ©2019「解放区」上映委員会

©2019「解放区」上映委員会

もちろん、助成金を巡る一件が上映にネガティブな作用を及ぼしたのは事実ではあるが、その全てではない。 では、なぜ映画祭や上映会での評価が高かったのに公開が見送られ続けたのか。
ひとつにはこの作品の持つ「危険な気配」がある。“なんかヤバいことしてない?”“これ近づかない方がいいんじゃないか”と観る者の防衛本能を呼び起こすのである。しかし、その“何”をヤバいと感じるのか、危なさの正体が“何”なのかが具体的な言葉で語られたことは少ない。皆、口を噤んだのである。そうして、この作品が埋もれている5年の間、世の映画を含む表現の状況は、より悪化の一途を辿ってはいないだろうか--?

2019年、期せずして、釜ヶ崎の「あいりん労働福祉センター」が閉鎖され、「あいちトレンナーレ事件」も起こった。それに引き寄せられるかのように映画『解放区』は、テアトル新宿を皮切りに10月18日(土)から劇場一般公開が始まる。

誰かにとって良い悪いではなくて、観てくれたひと自身が好き勝手自由に自分の言葉で語り、どう感じ考えたのかを問いかけてほしい。(もちろんひっそり胸にしまい込んでもらっても良いです)
この映画が上映される場が、あなたにとって“解放区”となることを願って---。

映倫審査の結果本作の区分は<R18+>に決定!
本編の修正はなし!

『解放区』待望のメインビジュアル完成!

待望のメインビジュアルは情熱的な赤と言うよりは不穏な雰囲気漂う赤 が印象的に使われたものとなりました。破かれたフェンスを前に佇むのは、 ドキュメンタリー作家“未満”の男、須山(太田信吾)。その背後には釜ヶ崎 の労働者たちの姿も確認出来る。キャッチコピー「そのフェンスの向こうに は“楽園”があった―」という希望に満ちた言葉とは対照的に不安定な印 象を与えるメインビジュアルが完成しました。

そのフェンスの向こうには“楽園”があった―

ドキュメンタリー作家“未満”の男が漂着した大阪・西成。
再開発に翻弄される街と、行き先を見失った主人公の不安定な魂がシンクロ した時、現実と虚構の境目が崩壊する―。

異才・太田信吾が切り開く新たなフィクションの可能性に打ち震えよ

画像2: ©2019「解放区」上映委員会

©2019「解放区」上映委員会

<劇場公開に向けた太田監督からのメッセージ>

映画「解放区」を大阪市西成区・釜ヶ崎で撮影して5年。様々な困難を経て、劇場公開が決まったことを嬉しく思います。今年は釜ヶ崎にとって節目の年です。ドヤ街の象徴でもあった通称「あいりんセンター」が建て替えのため仮移転になり、現在の建物は取り壊しになるのです。撮影当時、街のそこかしこに立っていた覚せい剤の売人達は、表通りから姿を消しました。ゲストハウスや介護・福祉施設に用途を変える簡易宿泊所も増え、「日雇い労働者の街」だった釜ヶ崎は大きな変動の時期にあります。この映画はそんな変わりゆく街・釜ヶ崎を記録・ 記憶した貴重な映画です。
みなさんとシェアできたら嬉しいです。劇場で、お待ちしております。
―太田信吾

画像3: ©2019「解放区」上映委員会

©2019「解放区」上映委員会

大阪西成区・釜ヶ崎。そこにはかつて日本最大の<ドヤ街>があった――
再開発に揺れる街に漂着した若者を迫真のリアリティで描く!

友人の自殺を直視したドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が国内外で反響を呼び、また俳優としても活躍の場を拡げる太田信吾が、再開発揺れる大阪は西成区・釜ヶ崎に漂着する若者をドキュメンタリーの手法を活かし、リアリティあふれる描写で活写した初の長編劇映画。
「貧困や病気、犯罪は、 個人の問題ではなく、社会システムを受容しているわたしたち一人ひとりに起因する」という監督の強い信念が、 地元の多くの人を動かし、撮影が困難と言われた場所でも撮影が実現。地域住民や商店主などの協力を得ながら 映画は完成した。

驚愕のラストに、あなたはもうただの傍観者ではいられないー

先輩ディレクターとの理不尽な上下関係、制作時の被写体との接し方に疑問を持ちながらも、小さな映像制作会社で働きながらドキュメンタリー作家になる事を夢見る須山(スヤマ)。
未だその途中にありながらも、夢を語り理解を示してくれる恋人もいる。
ある日、取材現場での先輩の姿勢に憤りを爆発させてしまう。職場を無くした彼は、自らの新たな居場所を探すかのように、かつて希望を見失った少年を撮影したことのある大阪・西成へと向かう。
しかし、1人で問題に向き合えない須山は、東京で取材した引きこもりの青年を呼びつけたり、行きずりの女性に愛を語ったりと切実さに欠ける取材を続ける。少年を探しながら街をさまよう日々。
やがて、自らの甘さがもたらした結果から、一 歩また一歩と後戻りできない道に迷い込んでいくのだった――

画像4: ©2019「解放区」上映委員会

©2019「解放区」上映委員会

エグゼクティブ・プロデューサー:カトリヒデトシ
プロデューサー:筒井龍平、伊達浩太朗
アソシエイトプロデューサー/ラインプロデューサー:川津彰信
監督・脚本・編集:太田信吾
撮影監督:岸健太朗|録音:落合諒磨|制作:金子祐史|
音楽: abirdwhale | Kakinoki Masato|助監督:島田雄史|
制作助手・小道具:坂田秋葉|録音助手:高橋壮太|制作応援:荒金蔵人
現地コーディネーター:鈴木日出海、朝倉太郎|撮影助手:鈴木宏侑

エンディングテーマ:ILL西成BLUES -GEEK REMIX- / SHINGO★西成
(作詞:SHINGO★西成/作曲:DJ TAIKI a.k.a. GEEK©)
2007 by Sony Music Publishing(Japan)Inc.

出演:太田信吾、本山大、山口遥、琥珀うた、佐藤亮、
岸健太朗、KURA、朝倉太郎、鈴木宏侑、籾山昌徳、
本山純子、青山雅史、ダンシング義隆&THE
ロックンロールフォーエバー、SHINGO★西成 ほか

製作:トリクスタ
制作プロダクション:トリクスタ、ハイドロブライト
宣伝:contrail|
デザイン:武田明徳(VOX)
『解放区』上映委員会(トリクスタ+キングレコード+スペースシャワーネットワーク)

2014年/日本/カラー/ビスタ/114分/DCP/英語字幕付き上映/R18+/英題:Fragile配給:SPACE SHOWER FILMS|
©2019「解放区」上映委員会

10/18(金)よりテアトル新宿にて上映!

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