アーサー・C・ダントーはアートを「うつつの夢(wakefuldream)」と定義する。
アートによって誰もが、どこでも夢を見ることが可能と言う。通常、夢を見る時はベッドの上で目を閉じた状態をさすが、「うつつの夢」とは目覚めた状態で見ることの出来る夢であり、アートはこうした意味において目を閉じることなく「見る夢」である。
アートには命がある。通常、作品は1週間か2週間、あるいは1ケ月で展示を終えることが多い。美術館にコレクションされるか、誰かにコレクションされなければこれらの作品の殆どはアーティストのスタジオか倉庫で眠りにつき、時間とともに輝きを失い忘れられていく。アーティストたちが丹精を込めて、カンヴァスに、石に、木材に、金属に語りかけて、数ヶ月の時間を費やした作品(命)がギャラリーで輝くのも実はほんの数十時間しかない。こうした意味においてもアートは「うつつの夢(wakeful dream)」であるのかもしれない。アートが限られた時間の中で見る夢であるからこそ、見えてくるものもあるのだろう。まずはギャラリーに足を運んで、限られた時間の中で「うつつの夢(wakeful dream)」を体験することも「一夏の夢」にもなるだろう。
今年も「新世代への視点2019」と銘打って、東京の銀座、京橋、自由が丘に位置する10の現代アートのギャラリーが結束し、若いアーティストたちの展覧会を個展形式で開催しています。
2019年7月22日(月)- 8月3日(土)
Date: 22nd (mon.) July – 3rd (sat.) August 2019
主催:東京現代美術画廊会議
ギャラリーなつか・コバヤシ画廊・ギャラリイK・ギャルリー東京ユマニテ・藍画廊
ギャラリーQ・ギャラリー58 ・ガルリ ソル・gallery21yo-j
FUMA Contemporary Tokyo|文京アート
Organizer:
Gallery Natsuka・Gallery Kobayashi・GalleryK・Galerie Tokyo Humanité
ai Gallery・Gallery Q・Gallery58・GALERIE SOL・gallery21yo-j
FUMA Contemporary Tokyo
アーサー・C・ダントー : Arthur Coleman Danto (1924-2013)
「アートとは何か 芸術の存在論と目的論」(人文書院)著者
哲学者、美術批評家、コロンビア大学名誉教授