2018年アカデミー賞外国語映画賞ジョージア代表
2019年全米撮影監督協会賞スポットライト賞
2017年東京国際映画祭コンペティション部門出品

画像1: (C) BAFIS and Tremora 2017

(C) BAFIS and Tremora 2017

「聖なる泉の少女」は、山々の魔法のような美しさ、そこで暮らす人々の異教の文化に捧げられた讃美の歌である。(ハリウッドリポーター)

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(C) BAFIS and Tremora 2017

――雪のふった早朝、まだうす暗く静まりかえった銀世界をわたしは眺めていた。沈黙のなか、あたりがしだいに明るくなり、遠くの方で木の梢から雪がおちる音が聴こえた。雪がおちた音さえも聴こえる静けさ‥‥この絶対の静寂を映像で表現できないものか。そのときから、わたしの映画作りが始まった。ーザザ・ハルヴァシ監督                                                                   

画像3: (C) BAFIS and Tremora 2017

(C) BAFIS and Tremora 2017

妙なる静けさが心にしみわたる――自然と人の神秘なる交感

ジョージア(グルジア)の南西部、トルコと国境を接するアチャラ地方の山深い小さな村が舞台である。村には人々の心身の傷を癒してきた聖なる泉があり、先祖代々、泉を守り、水による治療を司ってきた家族がいた。儀礼を行う父親は老い、三人の息子はジョージア正教(キリスト教)の神父、イスラム教徒、無神論の科学の教師になり、生きる道が異なった。
そして父親は一家の使命を、娘のツィスナメ(愛称ナメ)に継がせようとしていた。その宿命に思い悩むナメ。彼女は村を訪れた青年に淡い恋心を抱き、他の娘のように自由に生きることを憧れる。一方で川の上流に水力発電所が建設され、少しずつ山の水に影響を及ぼしていた。そして父とナメは泉の変化に気づく‥。

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霧に包まれた森と湖に描かれる、太古から語り継がれた物語

「聖なる泉の少女」は、この地方で昔から口承で伝わってきた物語を元にしている。――むかしむかし、泉の水で人々の傷を癒していた娘がいました。いつしか彼女は普通の人のように暮らしたいと願い、自らの力を厭うようになりました。そして、ある日、力の源だった泉の魚を解き放って、普通の人々の生活に帰っていきました――。

霧に包まれた森と湖、美しく幽玄な自然を映した詩的映像、その清冽で限りなく静謐な世界。そこに映し出される太古から語り継がれた物語――本作は、古代の信仰の世界をとおして、人と風土の内面的な絆の深さ、そこから生まれた神話的世界を描く。

そして泉の水による傷の治療、息を吹きかけて松明を灯す儀式など、自然と人の霊的な交感を描き、心の世界を置き去りにした今日の物質文明に対して異議を投げかけている。

本作は2017年東京国際映画祭で「泉の少女ナーメ」という邦題で正式上映された。

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(C) BAFIS and Tremora 2017

画像7: (C) BAFIS and Tremora 2017

(C) BAFIS and Tremora 2017

監督:ザザ・ハルヴァシ Zaza Khalvashi
1957年5月17日、ジョージアのアチャラ地方の都市バトゥミに生まれる。トビリシの映画演劇大学で、巨匠テンギズ・アブラゼ監督、レゾ・チヘイゼ監督に師事して1982年に卒業。1977年から2004年までジョージアフィルム撮影所で働く。1981年に短篇「時間」、1985年に短篇「エコー」を製作している。1990年に長編第1作「私が生きている場所」、1996年に長編第2作「ミゼレーレ(神よ、我を憐れみたまえ)」を発表する。2003年にテレビシリーズ「狼の輪舞」を制作した後、しばらく製作の現場から離れる。そして2015年に第3作「ソロモン」を製作して本作に至る。現在、彼はバトゥミ芸術大学で映画演出の教鞭をとるほか、映画、テレビで仕事を続けている。

"自然と人の神秘なる交感"『聖なる泉の少女 』予告

画像: "自然と人の神秘なる交感"『聖なる泉の少女 』予告 youtu.be

"自然と人の神秘なる交感"『聖なる泉の少女 』予告

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(ストーリー)
『聖なる泉の少女』は、ジョージア(グルジア)の南西部、トルコとの国境を接するアチャラ地方の山深い村が舞台である。
村には人々の心身の傷を癒してきた聖なる泉があり、先祖代々、泉を守り、水による治療を司ってきた家族がいた。儀礼を行う父親は老い、三人の息子はそれぞれ、キリスト教の一派であるジョージア正教の神父、イスラム教の聖職者、そして、無神論の科学者に、と生きる道が異なっていた。
そして父親は一家の使命を娘のツィナメ(愛称ナメ)に継がせようとしていた。その宿命に思い悩むナメ。彼女は村を訪れた青年に淡い恋心を抱き、他の娘のように自由に生きることに憧れる。
一方で川の上流に水力発電所が建設され、少しずつ、山の水に影響を及ぼしていた。
そして父とナメは泉の変化に気づくのだった…。

[スタッフ]
監督・脚本:ザザ・ハルヴァシ
撮影:ギオルギ・シュヴェリゼ
音響:ジョナス・マクスヴィティス
録音:ヴァノ・グヴァラゼ
編集:レヴァン・クハシュヴィリ
美術:アカキ・ジャシ
スチール:マムカ・チュヒクヴァゼ
プロデューサー:スルハン・トゥルマニゼ
エグゼクティヴ・プロデューサー:マムカ・トゥルマニゼ
共同プロデューサー:レヴァ・ノルヴィリエヌ

[キャスト]
ナメ:マリスカ・ディアサミゼ
父アリ:アレコ・アバシゼ
兄ギオルギ(司祭):エドナル・ボルクヴァゼ
兄ヌリ(イスラム教指導者):ラマズ・ボルクヴァゼ
兄ラド(教師):ロイン・スルマニゼ

ジョージア(グルジア)・リトアニア合作/2017年/91分/1:2.35/ジョージア語/原題:NAMME
配給:パンドラ
宣伝デザイン:プランニングOM/宣伝パブリシティ:スリーピン
協力:はらだたけひで
後援:在日ジョージア大使館

8月24日(土)〜岩波ホールにてロードショー、全国順次公開

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