現在、全国で絶賛上映中の『ある町の高い煙突』。

町を守るために対立から、
"和"をもって紛争を収めていった100年前の真実の物語

この物語は、現在のJXTGグループ、日立製作所、日産自動車など春光グループの源流となる日立鉱山(現・JX金属)におけるCSRの原点となる物語。

煙害を出してしまった企業側とそこに住む村人が、最初は対立しながらも互いに向き合う協力することで、問題を解決に導き、なおかつその後の街の発展のための礎を生み出していく、現在の日立市でも語り継がれている実話を、昭和の文豪として知られる新田次郎が小説として発表した原作を『天心』『サクラ花─桜花最期の特攻─』の松村克弥監督が映画化。

映画は、実在の煙害の被害者となる地域に住む関右馬允(関根三郎役)を井手麻渡が演じ、日立鉱山側の補償交渉にあたった角弥太郎(加屋淳平役)を渡辺大が演じている。

画像1: (C)2019 Kムーブ

(C)2019 Kムーブ 

この度、シネフィルでは実在した角弥太郎氏(加屋淳平役)を演じた渡辺大氏に独占インタビューを行いました。

『ある町の高い煙突』渡辺大さんインタビュー

映画は日立市を中心に撮られていますが、日立での撮影はいかがだったでしょう

日立は、ほぼほぼ、初めてだったんです。電車で行って、駅ではガラス張りの建物で、海が見えて--駅前も非常に近代的ですし、かと思えば、僕らが行ったロケの場所は、山が生茂っていて原風景がすごく残っていて、いろんな景色を持っていて、海と山の両方が近くにあって素敵なところだと思いました。
降りた時の駅のチャイムでで気づいたんですが、名曲の「いつでも夢を」がこの土地から生まれていて、いい歌だなと思っていたんですが、実際にこの映画の最後は、この曲のオーケストラで終わっていますし、本当に“日立 愛”に溢れた作品だと思いましたし、僕もこの土地にすごく愛情を持ちましたね。

画像: 渡辺大さん photo by Shion Saito

渡辺大さん
photo by Shion Saito

この物語をやることとなって、まずはどう思いましたか?時代的に100年以上の話の前ですが、そのあたりはいかがだったのでしょうか?

どうしても企業と地域住民の対立というのは、現代でもそうですが、いろんなところであると思うんです。そうした中で、共通の利益を追求して、共存共栄してくための道を、立場の違う人たちが探していく。ある意味、究極の理想を現実に残した人たちのお話なので、決して派手なお話でではないですが、今の人たちに通ずる話だと思って参加しました。
時代的にもちょうど、西洋文化が入り込んできて近代と混じり合った時代で面白いですよね!好きです。

(C)2019 Kムーブ 

実在の人物を加屋淳平役(角弥太郎)には、どのように演じようと思ったのでしょうか?

実在の人物であるので、撮影に入る前に、実際の角弥太郎さんの写真やら、資料を見させていただき、そこから実際に剣道などを嗜み、筋のある一本気な人ではないかと自分なりに思い、演技では、武道をやってらしたということで、その所作であったり、動き方であったりも取り入れて演じさせてもらいました。
また、冷静に合理的に物事を進め、いい人だけれども、ちょっと揺れる部分があるというというところを、ポイント、ポイントで表せたらと思い、こういう人でも、こういうところに揺れるところがあるんだなってところでなんか人間性を少し出すことで観る人が加屋淳平を好きになるかなと思いながら演じました。

企業側と地域住民と板挟みになっている中で、真摯に向き合い問題を解決させていく姿は、やはり簡単なことではないと思いますが、吉川晃司さんさんが演じている久原房之助氏(当時 日立鉱山社長)に対しても、煙害の問題が解決しなければ「会社を潰す」とまで言い切り、またそれに応える久原さんの難題に取り組む姿にも、当時の経営側、経営者の意識の中にも自分たちの会社に対する誇りを感じます。今でいうCSRの原点となるお話であるということは、納得がいきます。

画像1: photo by Shion Saito

photo by Shion Saito

役者として、影響された方はありますか?もしくは尊敬とする役者さんとか?

やっぱり、仲代達矢さんとか、クリント・イーストウッドさんとか80過ぎて、あのエネルギーを持っているというのは、役者としてすごく、尊敬します。一生役者でいられることを体現しているような人たちですから迫力というかー、80歳を過ぎても なお"折れない爪"というか---。
仲代さんとは今作では、一緒の場面はなかったんですが、別の作品でご一緒させていただき、実際にエネルギーを直に感じることができ、本当に「身に付けたいなあ」と思います。

画像2: photo by Shion Saito

photo by Shion Saito

この映画について、感じたこと

今の時代ってすごく答えがシンプルで早くて、世に出るというのが、今の流れなのかなと思うんですが、そんなに簡単に人間、人生ってものに答えが出るものかなって部分もあると思うんです。この映画の煙突を作るにあたってもいろんな人の紆余曲折があって、失敗があって、何回も挑戦してってことが描かれていますが、そんな遠回りでも無駄じゃないし、そういうことに対しても現実的ではなく、理想を少し持って、生きるという人生をみんなが少し持つと、いいのかな。第三者、違う人たちとどう共生していくかということを探す。他者を思いやれる社会というふうに、みんなが思って。

今は、どうしても自分の周りからやっていこうというところがあるんですが、この二人のように、自分のことだけでなくて、そして生きている現世だけでなくて、この煙突を立てたことで百年を忘れられないというように、肉体とかだけでなくて、人生だったり魂だったりそういう精神的なものを詰めていくっていう気持ちというのは、目に見えやすいがいっぱいある中で、今大事なんじゃないかなと僕は思うんです。

画像3: (C)2019 Kムーブ

(C)2019 Kムーブ 

これから、ご覧になる方へ一言

百年忘れられていない話を百年経った今、こうやって映画になって出すことができ、いい世界ですけど、まだ知られていない話ってたくさんあると思うんです。ですが、人づてに伝播していくものなのかと僕は思っています。
映画を観て頂ければ分かると思うのですが、単純な企業との共生の話だけではなく、人間としてどう生きていくか、どう人のことを思いあって共生していくかということを色々考えさせられる作品になっていると思います。
是非、劇場でご覧ください!

画像3: photo by Shion Saito

photo by Shion Saito

100年前の感動実話を映画化!『ある町の高い煙突』予告

画像: 100年前の感動実話を映画化!『ある町の高い煙突』予告 youtu.be

100年前の感動実話を映画化!『ある町の高い煙突』予告

youtu.be

[STORY]
1910年、日立鉱山から煙害が発生。隣村の茨城県久慈郡入四間の権力者である兵馬は、事態を重く見て鉱山会社へ掛け合うが、補償をする代わりに煙害を我慢するよう一方的に言われてしまう。そんな兵馬は孫の三郎に、30年前に村長として採掘権を許可したのは自分だと告げ、その5日後にこの世を去る。遺された三郎は祖父の遺志を継ぎ、進学も外交官になる夢も諦め、煙害と闘うと決意する。
JXTGグループ、日立製作所、日産自動車など春光グループの源流である日立鉱山(現・JX金属)におけるCSRの原点となった物語。

『ある町の高い煙突』
監督・脚本:松村克弥
出演:井手麻渡/渡辺大/小島梨里杏/吉川晃司/仲代達矢/大和田伸也/小林綾子/渡辺裕之/六平直政/伊嵜充則/石井正則/螢雪次朗/斎藤洋介/遠山景織子/篠原篤/城之内正明/大和田健介/たくみ稜
配給:エレファントハウス、Kムーブ

全国ロードショー中!

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