ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の集大成的超大作『ベルリン・アレクサンダー広場』。その国内上映権が終了することを受け、「日本最終上映」を7/13(土)よりアップリンク吉祥寺にて開催することを緊急決定致しました。

1979,80年に西ドイツで制作された本作は、2000年に日本劇場初公開。デジタルリマスター版が2013年にロードショーされました。ほか、ファスビンダー監督の作品としては、2013年『ローラ』『マルタ』『マリア・ブラウンの結婚』、2016年『あやつり糸の世界』、2018年『13回の新月のある年に』『第三世代』と近年日本での劇場公開が続き、その時代を超えるアクチュアルな主題や唯一無二の描写で、着実にファンを増やしています。
『ベルリン・アレクサンダー広場』は、ファスビンダーの映画作家としての一つの達成であり、最重要作・最高傑作と言える作品です。

死にたくなければどう生きるか2019

1920年代末ドイツのベルリン。二つの世界戦争に挟まれた不穏な時代。
第一次大戦敗戦の痛手で社会は不安定を極め、失業者は日々増加し、犯罪が横行していた。またナチスと共産主義者の対立も激しさを増していた。
その半面ベルリンはヨーロッパ有数の大都市として爛熟した文化が花開いた。そんな激動の時代を一人の“普通”の男、フランツ・ビーバーコップが辿る受難に満ちた物語。

ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが、ジョイス『ユリシーズ』、ムージル『特性のない男』に並ぶ20世紀前衛文学の傑作を映画化。批評家スーザン・ソンタグや、フランシス・フォード・コッポラ、マイケル・マン、トッド・ヘインズ、タル・ベーラなど数々の映画作家を魅了する比類なき人間ドラマとなった。

最終話の強烈なイメージの連続は、ルカ・グァダニーノ『サスぺリア』(2018)にも明らかな影響を与えている。物語の背景は、失業率の高まり、犯罪の増加、ファシズムの台頭、
戦間期の混迷と不穏な空気に満ちた大都市ベルリン。その姿は、21世紀の世界、私たちが暮らす「都市空間」の現在を見通すかのような、予言的かつ黙示録的な光景として立ち現れるだろう。
見る人のビジョンを揺るがす、全14話・15時間。未来に向けて、日本最終上映。

画像: © 2006 – Bavaria Media GmbH LICENSED BY Global Screen GmbH 2012, ALL RIGHTS RESERVED

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『ベルリン・アレクサンダー広場』
(原題:Berlin Alexanderplatz)

(1979、1980年/ドイツ・イタリア/カラー/全14話構成のTV映画/上映時間14時間57分)

第1話[プロローグ] 処罰が始まる(82分)
第2話 死にたくなければどう生きるか(59分)
第3話 脳天の一撃は心をも傷つける(59分)
第4話 静寂の奥底にいる一握りの人間たち(59分)
第5話 神様の力を持った刈り手(59分)
第6話 愛、それはいつも高くつく(58分)
第7話 覚えておけ―誓いは切断可能(58分)
第8話 太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす(58分)
第9話 多数派と少数派の間の永遠の隔たり(58分)
第10話 孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる(59分)
第11話 知は力 早起きは三文の得(59分)
第12話 蛇の心の中にいる蛇(59分)
第13話 外側と内側、そして秘密に対する不安の秘密 (59分)
第14話[エピローグ]ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップの夢についての私の夢(112分)

■スタッフ

原作:アルフレート・デーブリーン

監督・脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー

撮影:クサーヴァー・シュヴァルツェンベルガー

音楽:ペーア・ラーベン

■キャスト

フランツ・ビーバーコップ:ギュンター・ランプレヒト

エヴァ:ハンナ・シグラ

リナ:エリーザベト・トリッセナー

ミーツェ:バーバラ・ズコヴァ

ラインホルト:ゴットフリート・ヨーンほか

© 2006 – Bavaria Media GmbH LICENSED BY Global Screen GmbH 2012, ALL RIGHTS RESERVED

日本語字幕 字幕翻訳:渋谷哲也・粂田 文

宣伝デザイン:成瀬 慧

配給:株式会社アイ・ヴィー・シー

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