5月28日ー6月2日 ドイツ、フランクフルト
100本以上の上映作品 / 特別企画 アウトローとアウトサイダー
塚本晋也氏「ニッポン名誉賞」受賞 / 新設ドキュメンタリー賞 / 100名以上のゲスト

今年も開催『ニッポン・コネクション』
ラインナップ発表!

フランクフルトで開催される第19回日本映画祭「ニッポン・コネクション」のプログラムが発表されました。

5月28日から6月2日まで、短編長編を合わせ100本以上の日本映画が上映されます。
上映作品はブロックバスターからアニメ、インディペンデント映画からドキュメンタリー作品まで、様々な作品が揃っています。また映画上映と並行し、ワークショップ、パフォーマンス、コンサート、講演など、50以上のプログラムを通して、日本の(映画)文化を幅広く体験していただくことができます。

画像: 今年も開催『ニッポン・コネクション』 ラインナップ発表!

今年の上映作品は「アウトローとアウトサイダー、映画を通してみる日本社会の境界域」を重点的に扱い、日本社会で居場所が見つかりにくい 人々を描き出します。

映画祭では数多くの上映作品がプレミア上映となります。
ニッポン・レトロ部門では、ドイツ映画博物館内映画館にて、今年は日本の女優、若尾文子氏が出演する1950年代、1960年代の作品が35ミリ、16ミリフィルムで回顧上映されます。

映画祭開催中には5つの賞が授与されます。
今年初めてベストドキュメンタリー映画に「ニッポン・ドックス賞」が授与されます。今年の「ニッポン名誉賞」は映画監督・俳優の塚本晋也氏に授与されます。

特別企画:
アウトローとアウトサイダー
−映画を通してみる日本社会の境界域

多くの映画が日本社会のアウトサイダーを題材として扱っていることを受け、ニッポン・コネクションはフランクフルト・ライン・マイン文化財団の支援のもと、このテーマに焦点を当てました。
その中でもコメディーから歴史もの、ロマンス、ヤクザ、ドキュメンタリーまで幅広く選出しています。

瀬々敬久監督の新作『菊とギロチン』は大正時代を舞台にしたアナーキスト集団と女相撲力士の物語です。
近浦啓監督の『Complicity』では、中国人の不法滞在者がたまたま別人と間違われて仕事を見つけ、常に自分の正体がばれるのを恐れながら、新たな人生を歩むストーリーです。
映画上映にも立ち会う予定の山下敦弘監督の新作、不条理なコメディ『ハード・コア』は、
1980年代の人気漫画を原作としており、二人の変わり者がロボットと友達になる話です。
『生きてるだけで、愛。』では、繊細、そしてリアルに鬱というタブートピックを扱っており、関根光才監督自身も映画祭にて作品を紹介します。
すでに数々の受賞を果たした監督デビュー作品『メランコリック』で田中征爾監督はブラックユーモアで殺し屋の心境を描き出します。
佐向大監督の『教誨師』では、2018年に死去した俳優大杉漣氏が、最後の主演作として、死刑囚の最期の日々に寄り添う教誨師を熱演しています。

ニッポン名誉賞受賞者の塚本晋也監督は、新作『斬、』にて時代劇映画というジャンルそのもの、また人を斬るということの意味を問うています。

中川あゆみ監督のドキュメンタリー映画『Portraits Of The Rainbow』は、日本のクィア社会に深い眼差しを向け、彼らが直面する日常を描いた作品です。

画像: 特別企画: アウトローとアウトサイダー −映画を通してみる日本社会の境界域

ドイツ、ヨーロッパ、そして国際的に初上映を果たす数々の作品

ニッポン・コネクションでは現在日本映画界で注目を集めている作品を大きなスクリーンで観ることができます。
その作品のほとんどがドイツ内でだけではなく、ヨーロッパ内、または世界で初上映を果たします。

第19回ニッポン・コネクション映画祭は、ドイツで初上映となる『美人が婚活してみたら』の上映をもって幕を開けます。大九明子監督はこのコメディー作品の中で、数々の問題を抱えながらも強く生きる現代の女性の姿を描いています。

さらに同じくコメディーとしてドイツ国内で初上映を果たすのは武内英樹監督の『翔んで埼玉』となります。
シンガーソングライターとして活躍するGACKTも主演を務めるこの作品は、漫画からの実写映画化で、今年の大ヒットとなりました。

そして、真剣なテーマでありながらも、家族を題材とした野尻克己監督の作
品、『鈴木家の嘘』では数々の朗らかな場面が取り入れらています。昏睡状態から目覚めた母をさらなる悲劇から守るため、家族は亡き息子が生きていることにします。

2018年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で世界初上映を果たしている濱口竜介監督のラブストーリー『寝ても覚めても』は今を生きる人々の心理を扱い、ユーモアも加えながら男女付き合いの落とし穴や幻想を描いています。

2018年東京国際映画祭で観客賞を受賞した『半世界』の上映では世界的に有名な阪本順治監督と俳優の渋川清彦氏の来独が決まっています。小さな町を舞台にしたストーリーの中で、古き友人との再会が、ある家族の父親の並みの人生を一変させる様を描いています。ニッポン・コネクションでヨーロッパ初上映となります。

もう一つのヨーロッパプレミア上映は『ポンチョに夜明けの風はらませて』です。
卒業を目前に控えた三人の友人の旅を描くロードムービーで、廣原暁監督が自ら作品を観客に紹介します。

数々の作品の中でも注目に値するのは、漫画家手塚治虫氏の息子である手塚眞氏による『星くず兄弟の伝説』です。
1985年に公開されたこの作品は互いをライバル視していがみ合っている二人のミュージシャンが、ポップアーティストとしてデビューする機会を与えられる話を描いています。

画像: ドイツ、ヨーロッパ、そして国際的に初上映を果たす数々の作品

アニメーション映画

ニッポン・アニメーション部門では厳選された日本のアニメーション作品が上映されます。

三つの長編アニメーション映画がニッポン・コネクションにてドイツ初上映を果たします。

山田尚子監督が手掛けた『リズと青い鳥』では卒業を間近に控えた二人の親友を描きます。

心温まるファミリーストーリーである高坂希太郎監督の『若おかみは小学生!』では、幼い女の子が深い喪失感を抱えながらも前へと進んでいく姿を描いています。日本語版に加えて、子供たちのためにドイツ語の吹き替え版も上映されます。

鮮明な色彩の扱いに注目が集まっている石田祐康監督作品『ペンギン・ハイウェイ』では、一風変わった成長物語を描いています。
石田氏は当映画祭にゲストとして来場し、自身の短編アニメーションの数々も紹介します。

さらに、短編アニメーションプログラムでは、「Transience―The Best Of Recent Indie Animation」と「東京芸術大学―短編アニメーション」プログラムで若い映画監督たちが新作品を発表します。

これからの日本映画界を担う若手の視点

ニッポン・コネクション映画祭ではこれまでたくさんの新たな才能が発掘されてきました。
今年も例年通り、ニッポン・ヴィジョンズ部門にて数々の若い映画監督たちのデビュー作が上映されます。

高橋賢成監督の『海抜』では罪と償いという複雑なテーマを題材としています。
主人公のヒロシは高校生として同級生が強姦されるのを目撃し、時が経ってからその犯人と向き合うこととなります。

サン・セバスティアン国際映画祭でも受賞した『僕はイエス様が嫌い』(奥山大史監督)では田舎の親戚の家に引っ越し、キリスト教の学校に通うことになった小学生が馴染みのない作法に慣れず、指の大きさほどのイエスは現れてからは一変するストーリーです。

阿吽』では、梶野裕監督が非常に静かなフランケンシュタイン物語を作成しています。独特な雰囲気に満ちたモノクロの映像で、放射線が人間をどのように滅ぼしていくのかを描いています。

箱田裕子監督によるデビュー作『ブルーアワーにぶっ飛ばす』では若い女性が故郷へ帰る道のりで自身の過去と向き合う姿を描いています。

ドキュメンタリー部門に観客賞を新設

昨年新しく創設されたニッポン・ドックス部門(Nippon Docs)では、今年第19回ニッポン・コネクション映画祭にて観客投票によって決まる「ニッポン・ドックス賞」が初めて授与されます。
今回は8本の映画が当賞を競います。

旅するダンボール』では岡島龍介監督はリサイクルと持続可能性をテーマとしています。
同映画では段ボールアーティストの島津冬樹氏がガラクタから宝物を作り出す過程を映し出します。岡島監督、島津氏の両方が直々にフランクフルトでのドイツプレミア上映で映画を紹介します。

ニッポン・コネクションですでに2回受賞歴のあるIan Thomas Ash監督作品『おみおくり~Sending Off~』は今回が世界初上映です。この新作では、日本の地方で尊厳死に寄り添う医師を追っています。

三上智恵、大矢英代両監督の『沖縄スパイ戦史』では1945年の沖縄戦の闇に焦点を当てます。

NHKワールドJAPANにご協力いただき、NHKのドキュメンタリー映画を上映するのは今年が4回目となります。

10 Years With Hayao Miyazaki』のシリーズ第1話では、荒川格監督が巨匠宮崎駿の『崖の上のポニョ』制作過程を取材します。

『瓦礫(がれき)のピアニスト』では、樋爪かおり監督が音楽を通して避難所の子どもたちを勇気付けるシリアのピアニスト、エイハム・アハマド氏に焦点を当てます。

ニッポン・レトロ部門

ドイツ映画博物館内映画館にて、今年は日本の女優、若尾文子氏の出演作品の回顧展「Ayako Wakao – Magnificent Icon Of Japanese Cinema」が行われます。

画像: ニッポン・レトロ部門

言うまでもなく数多くの受賞歴のある若尾文子氏は、実力派の女優として大映映画制作株式会社で名を上げました。小津安二郎氏、市川崑氏、川島雄三氏が監督を務めた多くの作品に出演しています。
当回顧展では、特に増村保造監督との出演作品が多く上映されます。当映画祭でのレトロ部門上映は全て、東京国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の協力により上映されます。

塚本晋也氏「ニッポン名誉賞」受賞

今年の「ニッポン名誉賞」は映画監督・俳優である塚本晋也氏に授与されます。
監督の名を世界にとどろかせた映画作品『鉄男』は日本のアバンギャルド映画を代表する傑作となっています。
俳優としてもマーティン・スコセッシ監督による『沈黙』や『シン・ゴジラ』などに出演し、幅広く活躍しています。
今年の映画祭では、新作『斬、』と『鉄男』(デジタル修復版)、さらに『Tokyo Fist』(35ミリフィルム)を上映します。

塚本晋也監督

コンペティションと賞について

ニッポン・シネマ部門で観客投票により1位に選ばれた作品には今回で第15回目にニッポン・シネマ賞が授与されます。当観客賞はメッツラー銀行の後援により、2,000ユーロの副賞が与えられます。

ニッポン・ヴィジョンズ部門では、2つの賞が授与されます。
今回第7回目となるニッポン・ヴィジョンズ観客賞は、在フランクフルト日本文化普及センターより1,000ユーロの副賞が授与されます。
国際的なメンバーからなる審査員から選出される最優秀長編作品には、ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞が授与されます。
賞として在東京日本映像翻訳アカデミー(JVTA)より、次回作品への字幕が提供されます。

今年の審査員はウィーン国際映画祭プログラム・コーディネータKatja Wiederspahn氏、映画研究者渋谷哲也氏、フランスのプロデューサーEric Nyari氏です。
新設の観客賞ニッポン・ドックス賞では、1,000ユーロの副賞が与えられます。授賞式は6月2日、閉幕式の一環として映画祭メイン会場にて行われます。

画像: コンペティションと賞について

多彩なカルチャープログラム / コンサートのハイライト

当映画祭は映画上映に加え、日本文化を体験できるコンサート、パフォーマンスやアート展示、講演も並行して開催されます。

音楽のハイライトとして、ロック、ハードコア、ラップをミックスした春ねむりのコンサートが行われます。また、ピアニストの犬飼新之介氏がミュージカル歌手の輝城みつる氏とコラボし、有名な映画音楽を披露します。日本の伝統音楽もしかり、和太鼓の壱太郎氏や三線プレーヤーの新垣睦美氏のコンサートが開催されます。ご自分で歌うのが好きな方は、カラオケパーティーへいらしてください。

数々のワークショップでは、伝統芸術、おいしい和食からポップカルチャーまで、生き生きとした日本文化を体験することができます。タイナカジュンペイ氏と Leopold Lenzgeiger氏の写真展、Rei Hayama氏のビデオインスタレーションでは、日本における自然と人間の共生を切り抜いています。また映画、文化、学術のテーマを、インターナショナルなゲストが講演、
映画トーク、朗読といったプログラムでカバーします。

満載のキッズプログラム

日本ファンの子供たちに向けてニッポン・キッズ部門では、様々なプログラムを用意しています。

エミー賞をはじめとする数々の受賞歴のある国際的フォーリーアーティスト(効果音職人)小山吾郎氏が、ワークショップの参加者と共に短編映画の効果音作りに励みます。
物語の語り手Walburga Kliem氏が日本の昔話を朗読する一方、ドイツ語手話に通訳されます。また、俳優の岩本佑毅氏が『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』(岩佐めぐみ著)を朗読し、本著イラストレーターJörg Mühle氏によるライブ絵描きが披露されます。Lina Zivanovic氏によるお菓子作りも見逃せません。

Nippon Food & More

映画祭会場では数多くの出展者が、書籍、映画、日本工芸品や美味しい和食を提供しています。日本本場のごとく、寿司、ラーメン、焼き鳥、お弁当、和菓子、日本の飲料をはじめとする多くの屋台が用意されています。

映画祭について

本映画祭「ニッポン・コネクション」は約100人の主にボランティアチームから成る公益法人「ニッポン・コネクション」により運営されています。また、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏及び在フランクフルト日本国総領事館にご後援いただいております。

映画祭のメイン会場は劇場Künstlerhaus MousonturmとTheater Willy Praml in der Naxoshalleです。さらに、ドイツ映画博物館内劇場、映画館Mal Seh’n Kino、Naxos Atelier、Hessisches Literaturforum、Internationales Theater Frankfurtが会場となっています。

映画祭会場一覧
Künstlerhaus Mousonturm / Hessisches Literaturforum (メイン会場),
Waldschmidtstr. 4, Frankfurt Theater Willy Praml in der Naxoshalle (メイン会場)
Naxos Atelier, Waldschmidtstr. 19, Frankfurt
Kino im Deutschen Filmmuseum, Schaumainkai 41, Frankfurt
Mal Seh’n Kino, Adlerflychtstr. 6, Frankfurt
Internationales Theater Frankfurt, Hanauer Landstr. 7, Frankfurt

ゲストとして100名以上の映画人やアーティストたちが映画祭に来場します。

チケットは下記のリンクよりお求めいただけます。

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